双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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拙宅のカリカリ事情

|モノ| |猫随想| ご存知の方も居られようが、拙宅の坊っちゃんら。若旦那ことピピンはストレスがお小水に出易く、忍びちゃんことビルボは生まれつき腎臓に難在りと、其々が其々の健康事情を抱えて居る。こうした理由などから、坊っちゃんらには其々に適したカリカリ、即ちドライフードを与えて居る訳なのだけれども、近頃主なりに色々と想うところも在って、一念発起。大々的にフードの見直しを検討するに至ったのである。 (以下、長くなりますが悪しからず...。) ピピン(雄) 5歳 4.9kg 20…

五周年

|猫随想| アーロンが彼岸へ渡り、 猫神さんになって、五周年である。 赤紫の小菊やカーネーション活けて、 藤の香りのお線香焚いて。 いつも傍らに在った和毛の感触。 一緒に過ごした穏やかな時間。 今でもときどき想い出す。

あったか支度

|猫随想| 週が変わった途端、すとんと急激に肌寒くなった。 夜具をフランネルのものと交換し、猫らの寝床も 秋冬仕様としたのだけれども、芋と林檎、 其々に専用のドームが在るにも拘わらず、 忍びちゃんが林檎に潜って寝て居る所へ 若旦那が無理矢理に入り込み、見るからに 窮屈なぎゅうぎゅう詰めとなって、只でさえ 上に乗られて、すっかりひしゃげてしまったのが、 更に横へ膨らんで、不恰好に歪んで居る。 ぎゅうぎゅうがあったかいのは分かるが、 図体のでかいおっさんらが二匹も入るには、 やは…

想い出

|猫随想| 昨晩、洗濯物を畳みながら、すぐ傍に寝息をたてて眠る二匹の寝姿を見て居たら、 何故だかふと、其々のやって来た日のことが思い出され、暫し畳む手を止めた。 洗濯物を畳み終え、改めて記録を辿って読み返せば、やがて遥々と。 そしてありありと。実に様々の記憶が途切れぬことの無い湧き水のよに、 ぶわっとよみがえり、穏やかな流れとなって胸底へ静かに流れ込んできた。 他愛も無いこと、思いがけぬこと。笑ったり、泣いたり、呆れたり。 ああ、そうだった。ああ、そうだった。 やわらかな毛皮…

猫神様四周年

|猫随想| 一日早いけれど、 爺様ことアーロンの命日を、 三色のカーネーションに赤いガーベラと、 一寸だけ高級な白檀のお線香で供養。 四年目の命日は、猫神様四周年。 姿は見えなくとも、猫神様になった爺様が いつも見守って居てくれる気がする。

一年の距離

|猫随想| |お嬢| 季節の巡るのは早いもので、剣菱嬢とも、かれこれ約一年の付き合いとなる。 捕獲云々の辛い時期を共に(?)乗り越え、気付いてみれば、あっと云う間の一年余。その間に、我々の距離は如何程となったのだろか。相変わらず触れぬし、近付けば一旦身構えるが、是は野良としての礼儀であるから、こちらも礼儀として尊重すべき事柄である。そんな彼女も近頃では、こちらの顔を見ると鳴くことを覚え、名の呼びかけにも反応するよになったし、又「小屋=おやつの場」と認識したのか、小屋の扉が開い…

あの娘の訪問

|猫随想| |お嬢| 連日のよに雨が降り、八月とは思えぬよな涼しい日が続く。賢い娘だから、こんな日には人の出入りの少ないことを知って居るのだろ。雨宿りを兼ねてか、剣菱は早い時刻にやって来て、軒下の目立たぬ所で昼寝などして過ごす。午後の雨上がりに、小屋の中で工具類を整理して居たら、いつの間についてきたのか。小屋の入り口から、中を覗いて居たものだから「おや、来たの?入ってみるかい?大丈夫だよ」そう声を掛けると、先ずは顔だけにゅっと差し入れて内部を見回し、念入りに彼女なりの安全確認…

療法食とお小水

|雑記| |猫随想| 拙雑記帖。猫ブログでも何でも無いのであるが、時折出て来る猫ついでに、”療法食”と呼ばれる治療用フードの処方について想うところを、たまには一寸だけ真面目に書いてみよかしら、と。 ただし、是はあくまでも私の個人的な意見です故、悪しからず...。 少し前の若旦那小水問題(◆ ◆参照)でしみじみと感じたのは、特に勉強熱心なお医者は別として、地方の平均的な動物のお医者と云うのは、概ねフードに関して、どうも通り一遍な傾向にあるよに感じざるを得ない。確かに、日々の診察…

事情

|雑記| |猫随想| いつぞやも書いたが、私は滅多に家を空けない。否「空けられぬ」と云った方が、正しい。理由はズバリ、拙宅の”猫二匹の給餌問題”である。給餌如きで何がお困りか?とお思いだろうが、まあ是が色々と複雑なのである。 御飯は一日二回。お小水問題のデリケエトな若旦那には下部尿路疾患、生まれつき腎臓に難在りの忍びには腎臓病、と其々の体の状態に配慮した異なる種類の品を与えねばならず、更に忍びについては、ここへ毎回の漢方薬が加わる。白湯で溶いたのをかけて”つゆだく御飯”にして…

そして、人生は、続く

|猫随想| |お嬢| 先月末のリリース以降も、剣菱は律儀に日参して居る。 手術の痕もすっかり癒えたと見え、木登りする身ごなしも俊敏、食欲も旺盛で元気な様子であるのだけれど、毎日こうして彼女を見る度、相変わらず割り切れぬ想いがちくりと痛んだ。私の行いは正しかったのか、正しくなかったのか。是で良かったのか、良くなかったのか。はっきりとした答えを得ぬまま、漠然としたまま、相変わらず苦さだけが残る日々が続いて居た。この何とも煮え切らない、胸苦しい、手詰まりな感じ。この苦さ。確かに知っ…

達者でな

|猫随想| |お嬢| 今日、剣菱をリリースした。あたたかな日中だった。丸四日をケージの中に過ごした剣菱は、ちいとも暴れず、おとなしいものだった。幾ら養生のためとは云え、狭いところへ閉じ込められて、快適であった筈などなかろうけれど、ご飯をしっかり食べ、大も小もしっかり出し、そして兎に角よく眠った。それも今日でお終い。表へ向かってケージの扉を開け放ち、さあ、外へ戻りな。と云うと、剣菱は少し迷った風に前足を出しては引っ込め、暫くケージの中に留まって、ゆっくり時間をかけて表へ出た。そ…

剣菱保護記

|猫随想| |お嬢| 一昨日、水曜の夕刻。ようやっと剣菱を無事保護することが出来た。本当に長い辛い日々だった。しかしまぁ、たった一匹の雌猫のことでこんなに苦労するとは、まったく思いもよらなんだ。否、私が自分で勝手に思い詰めてしまっただけのことなのであって、当の剣菱には何らの咎も無かろうよ。しかし、どうしてあの日、剣菱はあんなにあっけなく捕獲器にかかったのだろか。 ストッパーの僅かな調整ミスが原因で失敗したが、剣菱は既に二度も捕らわれかかって居り、以来、どんなに空腹であろうと、…

運命の女

|猫随想| |お嬢| 実はここ暫く、体調が芳しくなかったのである。食事がろくろく喉を通らず、夜もしみじみ眠れず、仕事に立てば動悸がしたり息苦しくなったり。まことにお恥ずかしい話だが、剣菱捕獲のプレッシャーから精神的にすっかり参ってしまい、にっちもさっちもゆかなくなってしまったのである。 それと云うのも、一旦仕切り直しとなった捕獲計画。剣菱に合わせて焦らず参ろう、などと考えて居たのに、正月が明けて少しした頃からか。時折大きくアオアオと鳴きながら、オスの野良猫が付近をうろつき出し…

嵐の夜

|猫随想| 轟々の嵐の只中に居て寝付かれず、 あの小さな、へんてこ模様の、 黒白猫のことを考えて居た。 あいつ。 何処に居るのか知らないけれど、 この凄まじい雨風で、無事に居るだろか。 身を潜めて、じっと耐えて居るのだろか。 夜具に潜り込んだ傍らの若旦那と接した 腕の内側へ、仄かな体温を感じながら、 只、まんじりともせず。 あの小さな猫のことを考えて居た。

八月のソファ

|忍び| |猫随想| 夏の残りのもたらす暑さを、拙宅の猫らは 各々、気の向く場所に長く伸びて凌いで居る。 忍びことビルボは、大抵が寝台の上を定位置とし、 若旦那ピピンのよに、堂々と茶の間のソファで 寝そべることは一度も無かったのだけれど、 水鉢の水を入れ替えようと、午後部屋へ戻ると、 何故だかソファの上で忍びが眠って居た。 薄い横腹を上に向け、四肢をうんと伸ばしたその様に、 思いがけず亡きアーロンが重なって、瞬間、 心臓がどきん、と云った。 アーロン 2011年9月15日撮影…

優しい旅人

|猫随想| 俳優の加藤剛氏が、猫についてのエッセイの中でこんな風に綴って居る。 生きものと共にあるということは小さな人生が傍らにあるということでしょう。彼等は持ち時間を黙って通り抜ける優しい旅人の作法を心得ていて、足早に人間の生活の中をつつましく歩き、人よりも急いで老い、去ってゆきます。 そう。 人間の鈍さに対して彼らはいつも寛容であり、 もの云わずともその目で、尻尾で、多くを語り、 物事だけならず、内側の機微をも感じ取り、 我々の数倍の速さで歳を重ねてゆく。 心優しく、思慮…

ふうちゃん

|猫随想| つい先日のことだ。父よりこんな話を聞いた。父が知人からの頼まれ事で、二丁目のOさん宅を訪ねたときのこと。Oさんは長くこの辺りの区長を務めた人で、齢七十半ばとなる現在でも、何かと世話役的な存在でご健在なのだが、父がOさんと顔を合わせるのは、随分と久しぶりのことであったらしい。玄関先で用事が済んだ帰り際 「そう云えば”ふうちゃん”はどうして居ますか?」 と聞かれた父は、”ふうちゃん”が癌を患って十年近く前にこの世を去ったことを告げると、Oさんはがっくりと肩を落とし「そ…

猫と暮らせば

|本| |猫随想| 猫のよびごえ作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る 町田家の猫シリィズ最新刊は、今や最古参となった奈々とそれに続くエル、中堅どころのシャンパン兄弟らとの暮らしに、またまた新たな猫(犬までも)が加わり、怒涛の如き泣き笑いの日々が綴られる。何しろ奈々嬢を始めとする先住の四匹は、揃いも揃って皆曲者揃い。其処へビーチだのトナだのネムリだのシゲゾーだの、次々と新たな猫たちがやって…

命日

|猫随想| 爺様ことアーロンの命日。 あれから二年の月日が巡り、 小さな骨壷に見守られながら、 今、私は二匹の猫と暮らす。

ひとりぼっちのあいつ

|猫随想| 私が過去、共に暮らした猫たち。*1アーロンを筆頭にタロー、ふうについては、ここに幾度か触れたことが在るけれど、実はもう一匹。長い間、その記憶に触れることを躊躇って居た猫が在る。名をノーマンと云う。 体の大きな雉の雄猫ノーマンは、私が東京に暮らして居た時期に出遭った猫で、三歳に届かずこの世を去ってしまった。同居人であった従妹と下北沢を歩いて居たとき、路地の電信柱へ”猫を貰って下さい”との張り紙を偶然見掛けたのが、そもそものきっかけだった。連絡先の紙札を切り取って帰り…

どこにもいない

|本| |猫随想| フランシス子へ作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/03/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る あの合わせ鏡のような同体感をいったいどう言ったらいいんでしょう。 自分の「うつし」がそこにいるっていうあの感じというのは、ちょっとほかの動物ではたとえようがない気がします。 僕は「言葉」というものを考え尽くそうとしてきたけれど、猫っていうのは、こっちがまだ「言葉」にしていない感情まで正確に推測して…

かまけてばかり居る

|本| |猫随想| 猫にかまけて作者: 町田康出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/11/16メディア: 単行本 クリック: 33回この商品を含むブログ (192件) を見る暇さえ在れば、猫にかまけてばかり居る。拙宅の猫にかまけるのは勿論、路上に出くわす猫や、今は記憶の中に住む猫ら。果てはやれ、活字の中の猫にさえ現前とかまけて居る有様である。こと一冊まるっと猫について綴られたものなどは、それがたとい他所宅の猫であっても、読んで居るうちに何やら近しい存在のよな気がして、…

君は友だち

|若旦那| |猫随想| 黄金色と緑色。 別々の、違った瞳。 けれど、眼差しの奥深くで、君たちは繋がって居る。 尻尾を持った、私の友だち。 若旦那ことピピンが拙宅にやって来て、本日で丸一年。想えば青天の霹靂から紆余曲折を経て、爺さんの旅立ちより、未だひと月も経たぬうちのことであった。(◆)何だかついこないだのことのよに感ぜられるけれど、あんなに小さかったのが、健やかを絵に描いたよに育ち、もうすっかり一丁前である。 アーロンとピピン。彼岸の猫と此岸の猫。この二者の間には、目に見え…

八月

|猫随想| |回想| 私が八月に”死”を想うのは、 其処にお盆の在る所為だろう。 何処からか漂う、線香の匂い。 炎天下にむせるよな、供花の匂い。 宵に灯る、盆灯篭の仄かさ。 年に一度だけ、亡き者たちの戻る季節。 昨年、爺猫が死に向かい始めたのも、 丁度、こんな八月の頃だった。 九月に旅立ったHさんも、そうだったろう。 だから尚更、八月は死を想わせる季節となった。 そうしてこれからも、毎年八月が来る度に、 私は死を想い、亡き者を想い、 迎え、送るのだ。

新盆

|猫随想| 爺さんことアーロンの新盆を迎える。 もう、そんなに経ってしまったのだな。 お盆が終われば、あっと云う間に秋が来て、 そうして、十一月が巡ってくるのだな。 盛夏に色鮮やかな、たっぷりとした菊の花。 どうしてだろ。 何故だかお前には、丸い小菊が似合う気がするんだ。

私家版 届く

|本| |猫随想| 小糠雨そぼ降る肌寒い午後、先月末『blurb』へ注文した爺さんのアルバム(→ ■)が予定より十日も早く届いた。 平たい段ボール箱に入ったアルバムは、自分で拵えたものの筈だのに、何だかよそ行きみたいな体裁に仕上がって送られて来て、少々こそばゆい。包みを解いて、そろりそろり。一頁ずつめくれば、しみじみ感慨深いのと同時に、生前の爺さんを否応無く想い出させるものだから、ついこみ上げてきて、ほろりとなった。 +++ 表紙。 『人生足別離。』なんて、一寸格好つけ過ぎち…

ちくり

|音| |猫随想| 風呂の沸くのを待つ間、洗濯物を畳む。 鍵盤からこぼれた音。水面を波紋のよに広がってゆく。 やわらかな、揺らぎ。雨。少しの翳りと、静かと。Feltアーティスト: Nils Frahm出版社/メーカー: Erased Tapes Records発売日: 2011/10/11メディア: CD購入: 2人 クリック: 18回この商品を含むブログ (3件) を見る 少し離れたところで猫が寝返りを打つ。 寝息と一緒に、ちり、と小さく鈴が鳴った。 視界の右の端。白黒写真…

猫と人

|猫随想| |本| 再び女たちよ! (新潮文庫)作者: 伊丹十三出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/06/26メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (25件) を見る先日のエントリ(→■)の冒頭で触れたのが、この伊丹氏の名エッセイ『再び女たちよ!』である。折角の機会なので、同書に収録され、同じく猫について書かれた「我が思い出の猫猫」の中から、ひとつ素敵な箇所をご紹介したい。 氏は「どうして猫が好きなの?」「ねえ、あたしとコガネとどっちが…

猫の命名

|猫随想| |若旦那| The Naming of Cats is a difficult matter It isn't just one of your holiday games 猫に名前を付けるのは 難しい事柄です それはとても 休みの日の片手間仕事というようなものじゃない T.S.エリオット 私はこの詩の一節を伊丹十三氏の著書の中で知ったが、成る程。確かにそうであるのだろう。 猫の名付けは、実に悩ましくも実に愉しい事柄だ。昨年末、若旦那を引き取ることを決めたとき、迎…

爺さんと

|猫随想| 拙宅の猫氏、名をアーロンと云う。 性別は雄。齢、七十も半ば。 共に暮らした猫は、過去に三匹居たから、 爺様で四番目となるのだろうが、 私個人の、と云うことでなら最初の猫である。 色柄、黒を基調として腹と胸、足首、鼻筋と 其処から下が白。丁度、年中タキシードを着て 居るよなものであるから、身なりは宜しいか。 仔猫の時分からちいと風変わりなところが在り、 他の兄弟らと比べても、凡そ猫らしからぬ猫であった。 おっとりして居るのに、何処か素っ頓狂。 漂白剤の臭いが滅法好き…

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