双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ちくり

|音| |猫随想|


風呂の沸くのを待つ間、洗濯物を畳む。
鍵盤からこぼれた音。水面を波紋のよに広がってゆく。
やわらかな、揺らぎ。雨。少しの翳りと、静かと。

Felt

Felt



少し離れたところで猫が寝返りを打つ。
寝息と一緒に、ちり、と小さく鈴が鳴った。
視界の右の端。白黒写真の中のあいつは、
変わらず桐箪笥の前に、すっくと佇んで居る。
あいつ、元気で居るかな。ちくりとした。

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