双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

八月

|猫随想| |回想|



私が八月に”死”を想うのは、
其処にお盆の在る所為だろう。
何処からか漂う、線香の匂い。
炎天下にむせるよな、供花の匂い。
宵に灯る、盆灯篭の仄かさ。
年に一度だけ、亡き者たちの戻る季節。


昨年、爺猫が死に向かい始めたのも、
丁度、こんな八月の頃だった。
九月に旅立ったHさんも、そうだったろう。
だから尚更、八月は死を想わせる季節となった。
そうしてこれからも、毎年八月が来る度に、
私は死を想い、亡き者を想い、
迎え、送るのだ。

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