双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

嵐の夜

|猫随想|


轟々の嵐の只中に居て寝付かれず、
あの小さな、へんてこ模様の、
黒白猫のことを考えて居た。
あいつ。
何処に居るのか知らないけれど、
この凄まじい雨風で、無事に居るだろか。
身を潜めて、じっと耐えて居るのだろか。
夜具に潜り込んだ傍らの若旦那と接した
腕の内側へ、仄かな体温を感じながら、
只、まんじりともせず。
あの小さな猫のことを考えて居た。

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