双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

あったか支度

|猫随想|

週が変わった途端、すとんと急激に肌寒くなった。
夜具をフランネルのものと交換し、猫らの寝床も
秋冬仕様としたのだけれども、芋と林檎、
其々に専用のドームが在るにも拘わらず、
忍びちゃんが林檎に潜って寝て居る所へ
若旦那が無理矢理に入り込み、見るからに
窮屈なぎゅうぎゅう詰めとなって、只でさえ
上に乗られて、すっかりひしゃげてしまったのが、
更に横へ膨らんで、不恰好に歪んで居る。
ぎゅうぎゅうがあったかいのは分かるが、
図体のでかいおっさんらが二匹も入るには、
やはり無理が在ろうよ。芋も使ってくれ給え。


一方、外で暮らす剣菱嬢にも冬支度として、
寝箱の上へ、揃いの杉板の覆いを被せ、
敷物もあったかなものと替えてやった。
近頃、矢鱈と甘えるよになって来たのだけれど、
是は恐らく、本心ではそうしたかったのを、
野良の流儀に従って、ずっと我慢して来た
その反動なのかも知れぬな、と想う。
又、ここ数日で急に寒くなった所為なのか、
随分とおかわりを催促するので、お腹一杯に
食べさせてやり、もう安心して良いのだよ。
何も心配することは無いのだよ、と撫でてやったら、
ようやっと理解したのか。暫しポーチで毛繕いした後、
自分から寝箱へ入って、丸くなって眠って居た。





 

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