双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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送り盆

|日々| 盆も終いの頃となって、ようやく父方の祖父母 の墓へゆく。盆中に休みの無かっただけの ことで、他の皆が早々に墓参りを済ませた中、 私一人が不精して居た、と云う訳ではない。 盆の入りには、何やら気忙しい墓地の様子も、 当然とは云え、すっかり静かとなって居る。 相変わらずの猛暑日に変わりは無いが、途中の 坂道は木々に囲まれて、僅かであっても涼しく、 坂を上がって墓前に辿り着けば、駐車場の隅の ゴミ置き場からか。置き捨てられた多々の山から、 中途に熟れ腐った草花の、むうとす…

おいしいものが食べたい

|日々| 野暮用の一つを、ほぼ八割方やっつける。 仕事の合間にちゃちゃっと出来るのなら 問題は無いのだが、何しろ是をやるには まとまった時間と集中力とが不可欠なので、 かかりっきりの一日で仕上げられぬのは、 やれやれ。仕方あるまい。できることなら、 閉店後すっとんで帰って、直ぐにでも試合を 観たいのはやまやまなれど、いっそ切りの良い ところまでと是を辛抱し、店を仕舞った後も カリカリ続きをやる。やがて小一時間程で 電池切れ。いい加減に限界となり、本日終了。 ざっと一通り確認し…

ものぐさの立腹

|日々| 字引を手に取ろうと、ものぐさの体勢のままに 手を伸ばしたのがいけなかった。 ものぐさの上の無防備。 左の肘の出張った骨をしたたかに打ち付けて、 余りの痛さにううと声も出ず、暫し固まって是をしのぐ。 瞬間の鋭角な痛みから、やがてじわじわと 鈍い痛みへ変わってゆく間の辛抱と云うのは、 何故ああも憎たらしいものか、と度毎に想う。 そのわりには傷一つつく訳で無し。 せいぜいがうす赤らんで居るだけと云うのも、 尚腹立たしい。 |音| Luz de agua / Sebasti…

アンダースロウ

|日々| 雨の上がってお天道様が出たところへ、 扉にぐっと重い向かい風は、確かに 南から吹いて居る筈だのに、西側の 壁伝いに頬を叩く風は北からの風で、 是にはまんまと騙されたよな気がして、 足元に吹き飛ばされて来た、か細い小枝を、 誰も見て居ないのを口実に、ほらよ。と 気の無いアンダースロウで、放り投げる。 放り投げた小枝は、当たり前の放物線を描いて、 濁った水溜りへ、ぽちゃり。落っこちた。 退屈しのぎに、南米大陸の地図を広げて眺め、 アスンシオン。ブエノスアイレス。 人差し…

緑の風

|音| |日々| 月の光 ?ドビュッシー / ピアノ名曲集アーティスト: アース(モニク),ドビュッシー出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン発売日: 1995/07/25メディア: CD購入: 47人 クリック: 185回この商品を含むブログ (35件) を見る 休みだけれど出掛けない。出掛けずに、 折角の晴天の一日を、家事に当てたい。 夜具や敷物などの大物を丸ごと洗濯して、 座布団も膝掛けも日に当てて、何もかも さっぱりと清々と。季節を入れ替えるのだ。 洗濯機の…

静かな部屋

|日々| |音| 鼻先を包む空気に雪の気配が感じられた、朝。 風の無い鉛色の空から、真綿のよに軽い雪が ゆっくりと落ちてくる。積もる雪に吸い込まれて 音は消され、室の中。ストーヴの上の薬缶だけが、 しゅんしゅんと鳴いて居た。細くのぼる湯気。 静かな薄暗い土曜日が、只、とつとつと過ぎて、 窓の外を眺めやれば、雪は言葉無く積もるばかり。 小さくパンをかじりながら、編み針を動かす。 降る雪に添えて。

仕事納め

|日々| 仕事納めを、年の瀬の空気の薄い中で迎える。 そこへ来て、今年は父方の祖父の喪中のため、 恒例の餅つきや、おせちなど諸々の正月支度の 一切無いことも在り、余計に気の抜けたよな 年の瀬となった。掃除は殆ど済ませてしまった のだけれど、只ぼんやりと仕事を仕舞うのは 嫌なので、午前中から、鍋釜の類を束子でもって ガシガシやったり、グラスをキュッキュと磨いたり。 曇りを取り払って、清々となって。新たな年を 迎える心づもりを整える。夕刻、大層きれいな 干し柿を頂戴した。あんまり…

リズム

|日々| 穏やかに晴れた、十一月の土曜日。 今年もTさん夫妻が訪れて下さった。 三年来変わらず届く、晩秋の便りみたい。 一年ぶりにお会いした筈だのに、ついこの間、 ふらりといらっしゃたばかりのよな気がする。 物凄く特別と云うのじゃないけれど、 朝目が覚めて、何だか気分が良くて。 窓の拭き方、布巾の置き方。 色んなことが、いつもよりも少しずつ丁寧な日。 そんな些細の一つ一つが、お二人の訪れと呼応して、 この場所のいつものリズムの中に、小さな変化が 生まれるんだな。緊張とは違う、…

嫌いじゃない

|日々| 朝、叩き付けるよな激しい雨音で目が覚める。 カーテンの隙間からは、暗い朝が覗いて居て、 既に薄暮の終わり程の気配だった。薄暗い。 そのまま再び枕に頭を預け、浅い眠りへ戻る。 もぞもぞと、収まりを求めて脚を動かすも、 夜具の深くへ潜った猫は、ぴくりともしない。 昼近くに寝床を出ると、雨足はさらに強まって、 空は変わらぬ鉛色して物云わず、押し黙ったまま。 秋の冷たい空気が、蛇口から流れ込んでくる。 嗚呼、そうだった。こんな一日は嫌いじゃない。 一日中仄暗くて、雨降りで、…

風景

|日々| 本日の店模様は、ちょいと素敵だった。 買い物袋を下げた、近所の小母ちゃんの 三人組は化粧っ気の欠片も無く、なりも 髪もお構い無し。上唇の周りへうっすらと 産毛でも生やして居るよな風で、一人は 痩せぎす。後の二人は、がっちり逞しい体躯だ。 アイスコーヒーには、たっぷりのガムシロップ。 チューリップの球根やら、豆腐の旨い食べ方やら、 話題は日々の些細。卓上の煙草はセブンスター。 つっかけたサンダルを、気だるそうにぶらぶらと させながら、すぱ〜っと煙草をふかして居る。 嗚…

|日々| 長い夜を過ごして、寝床を出たのは昼の頃。 カーテンを明けても部屋は暗く、細く開いた 隙間から、びゅうと低く鳴った風が窓を震わす。 台風が近付いて居るな。一旦は止んだ雨の合間に 海の荒く畝る様を浮かべて、新聞を取りに表へ出ると、 ひどく風が冷たい。新聞の他には、郵便が三つ。 カーディガンを取って羽織り、窓際に昼食を寄せる。 人心地ついた後、珈琲の傍らに新聞を広げて 選挙の様々を確認して居ると、突然に遠くで轟々と 風の唸るのが聞こえた。ふと、目を上げ耳を澄ます。 山の腹…

墨夜

|日々| 昨日行く筈だったのをうっかり忘れたので、 本日午後、頃合を見計らって期日前投票を 済ませに出向く。今回は衆議院に加えて*1 県知事選も重ったため、こちらは現職及び その他有象無象は端から外して、若者に一票。 比例区の投票用紙を配る女性が、今時珍しい くらいの厚化粧だったもので、一瞬ぎょっとし、 話を聞くふりをして、まじまじと見てしまう。 要領の悪い左官が漆喰を塗り付けたのか。 化粧が80年代を、頑なに引き摺って居た。 投票を済ませて表へ出ると、西日がきつい。 帰りが…

ただいま

|日々| ここ数日と云うもの、猫が寝床をせがむ。 確かにそうだね。薄ぺらい夏掛けが一枚 きりでは心もとないが、まぁ。入りたまえ。 季節が去ろうとしている。今夜の三日月は 冴え冴えと青白い。寝巻きを長袖に代えて、 夏掛けの上に一枚。大判の膝掛けを乗せた。 そしてもう、毛糸のことを考えて居る。 |音| おかえり、秋。 Simone White 『Yakiimo』 は ricohet さんが紹介してらした。 この声に、佇まいに。心はふるると鳴るのです。 ■Pieces of Tue…

風の無い日

|日々| 件の元・食堂中古物件は、先頃買い手が決まったと聞く。 そうか。決まったか。只、そう聞いても然程に口惜しく 無いのは、恐らく。ざわざわと寄せた細波に、是だと 確信めいたところが足りなかったから、かも知れない。 要は縁が無かった、と云うことだ。次はいつとも知れぬ 機とやらを、構えずのんびりと待つとしよう。 今の今までしらばくれて居たくせに、何を想ったか。 残暑の奴め、急に現れた。小虫は飛び交い、蝉は鳴く。 むわとした熱が、風の無い、だらけた空に上ってゆく。 午前中遅くに…

夏の抜け殻

|日々| |電視| 盆休みの明けた途端に間延びして、まるで 夏の半分が去ってしまったよな火曜日。 残った半分は、電信柱にぶら下がって、 抜け殻みたいに、ぽとり。落っこちるかな。 お昼に豆腐のハンバーグ。大根おろしと青紫蘇を 乗っけて。一口をゆっくり、良く噛んで食べる。 陽が暮れると、またひとつ涼しい。 ゆるゆると一日を仕舞って、虎造節を聞きながら 洗濯物を畳む。と、最後に残った靴下の片方が足りない。 ああして小さく膝を抱えた姿のジョーは、良い。 影さした横顔の、淋しさの淵には…

空っぽ

|日々| 山へ行く。そう決めて、日曜の晩の内に弁当を拵えた。 通勤時間帯の電車と、路線バスを乗り継いで辿り着いた 終点のバス停は、山深い集落。僅かの民家は在れど、 人の姿は見当らない。登山口のすぐ手前まで車で入れる と云うが、そんなものに縁の無い者は、ひたすら歩いてゆく のみである。しかしそれで良い。登山口までは延々と砂利 敷きの林道が続き、山間の長閑な田園の眺めが伴をする。 途中、蛇の死骸に出くわして、季節柄仕方が無いとは云え、 できれば遭遇したくないものだなぁ、などと想う…

紫陽花と南京豆

|日々| 空模様が怪しい。聞けば、いよいよ関東地方も梅雨に 入ったのだと云う。未だ整わぬ心づもりと季節の齟齬の 埋まらぬ内に、早速、むうと白く濁った霧が降りてくる。 煩わしい湿り気を帯びた、梅雨入り頃の重たさと云うのは 存外厄介なもので、容易に刎ねつけることがままならない。 だらり。弛んだまま纏わって、首の後ろの付け根辺りを 鈍くする。そうなると一体、浮かぬ顔して過ごすこととなる 訳なのだが、ところでどうかした拍子に、紫陽花のことなど、 ふと想い起こしたか。夕刻には少々の気を…

にわか雨

|日々| 独り住まいの大叔母が、翌週に引越しを控えて居るのだが、 高齢に加え、腰の塩梅が宜しくないのだとかで、要るもの 要らぬものの整理や、細かな準備が出来て居ないと云う。 母と二人して午前中より手伝いにゆくが、入ると案の定。 何一つ手を付けて居ない状態だ。以前より大方の予想は ついて居たとは云え、手際云々の話では無しに、やはり 八十の老人に引越しのあれこれは無理、と改めて痛感する。 余りの整理つかずの雑多に、気の毒だがこちらで判断して、 要らぬと想うものは、こっそり処分させ…

いつか窓から良い風の入る日

|日々| 少しずつ、不要なものの片付けを始めた。 日々おこなう掃除とは、恐らく、違って居る。 誰かが使うかもだとか、いつか必要になるかもだとか、 不精の云い訳に 「かも」 をくっつけては、今まで ほったらかしにしてあった様々を、毎日少しずつ。 抽斗に押し込めたまま仕舞ってあるもの。 目に見える場所で埃をかぶって居るもの。 片付けながら、これらは皆、今の私の心の在り様と 同じなのではなかろか、と気付いて、どきりとした。 永いことかかって段々に溜まって居た、知らぬふり、 気付かぬ…

風をかぐ

|日々| 風があんまりにも爽やかで、新緑が清々しく薫るので、 何処かへ行きたいとは想ったのだけれど、FMラジオに 日がなバッハを聴きながら、穏やかに家で過ごそう。 カンタータ78番。30番。五月の空。雲の白。 これからは着ない厚手のを仕舞い、代わりに薄手の 木綿のシャツなどと、抽斗の季節を入れ替えた後で、 折角のついでだから、着物の箪笥も整えるとしよか。 全部をたとう紙から取り出して、再度。一枚一枚 畳み直す。ああ、夏銘仙か。懐かしい。時折の道草。 種類ごとにざっと分けたら、…

掌の温度

|日々| ここから眺める薄淡い山桜の佇まいは、山中に ぽかりと浮かんだ、小さな島の群れのよにも見える。 実に長閑な眺めだのに、菫色した夕闇が降りて来ると 途端、おどろおどろして、ひどく幻想的な風になるのは、 知って居てもつい、ぞくりとなる。昔から、こう云うもの には何処か。戻って来られない所へ、ひゅうと連れて 行かれる気がして、どうも落ち着かない。おっかない。 手持ち無沙汰にくすんだ空の下へ出ると、間も無く。 ひんやり涼しい風に紛れて、細い春雨の路面を湿らす 埃っぽい匂いが、…

飛行機乗リハ眠ル

|日々| 早朝六時。 傍迷惑な間違い電話で叩き起こされた。 まったく不躾に、何処の阿呆が。 半分閉じた瞼のまま、憮然。 猫を起こさぬよにして、のろのろ寝床へ引返し、 再び目の醒めたのは、正午前。今日も今日。 外出の心づもりは無いから、家事に過ごす。 すっかり籠一杯になった洗濯物を 先ずは片付けねば。寝台からシーツをはがし、 荒く丸めて籠の余剰に詰め込む。 寝癖の上からほっかむりして、 洗濯機の廻る間に掃除。 春の奴は何処かで足踏み、未だここへは届かない。 さっさと来て、さっさ…

春の夜

|日々| 疾うに日の暮れた彼岸の中日は、冷たい風の轟々低く唸る中、 しかし止むを得まいなぁ、と切らした煙草を買いにゆく。 もう必要無いかと想われた毛糸の肩掛けを、出掛けの不精で ぐるり首に巻き付け、草臥れたカーディガンの前立てを、 固く閉じ押さえた格好で、独り。向かい風に苦々しく 目を細めて前がかりに歩けば、一寸先の夜道の辻に、 どろりと濃い墨を垂れたよな闇が、ぬうと無言でぶら下がって居た。 幾つになっても、誰であっても。こんな風な暗がりは、 やはり、気持ちの宜しいものでは無…

春霞に似て否なる哉

|日々| 春霞と見紛う程、空に季節の異物が舞って居る。 こんなものは見るのも吸うのも、真っ平御免であるが、 今更どうと云ったところで、仕方あるまい。 首から上、何処も彼処もむわむわとむず痒い不快感を、 ずるずると日がな引き摺り、しょぼくれた両の目に ぽとり、目薬をたらす。これさえ無かったなら、 ほんの幾らかでも、春を好く理由が見付かるやも 知れぬのに、と常々想う。相変わらずの午後。 たとえ不恰好であっても、背に腹は替えられない。 眼鏡の上に大袈裟なマスクを付け、うぅと洩らしな…

カップの中の野生

|日々| 就寝前や体調の傾いたときに飲んで居る、 気に入りのハーブティーのティーバッグの尻尾。 この尻尾の紙切れに、何やら気の利いた言葉が さり気無く書かれて居るのだけれども、何れも ひとつひとつ違って居るから、是が飲む度に愉しみで、 飲み終えた後も、紙切れを糸から外しては、 手帖の頁にぺたりと貼り付けてとっておくのが、 近頃の慣わしとなった。以前はただの商品名が入っただけ であったのが、少々前にパッケージを新たにしてからは、 このよな粋な計らいも加わって、お茶の時間が待ち遠…

月曜の匂い

|日々| 目覚ましの要らぬ月曜の寝床を、ゆっくりと出て、 顔を洗い、窓を開け、箒をかけ、ちゃぶ台を拭く。 遅い昼食を摂った後、これと云った予定の無い午後は、 七割程まで進んだショールの編み棒を、ちくちくと 動かしながら過ごす。夕刻、煙草を切らして外へ出ると、 何処かの家から、夕飯の支度の匂いが流れてきて、 うっすらと日の傾いだ、薄暮の冬空に消えてゆく。 ひゅうとひとすじ。冷たい風に吹かれて、 カーディガンの襟を、きゅっと閉じた。

薄甘い午後

|日々| |手仕事| この冬は、手袋を幾つ編んだだろか。 細い雨のそぼ降る、とろりの金曜は客足も遠く、 ほうじ茶と珈琲飲み飲み。黒豆を薄甘く炊いたのを つまみながら、一日中、編み針を動かして居た。 先週仕上がったラグランのセーターは、今日、 初めて袖を通した。胸の上の切り替えから、 鹿柄の編み込み模様が、ぐるりと入って居り、 随分とゆったりめであるわりには、思いの外 軽くて、一枚でも充分あたたかい。 如何にも手編みと云った風なのが、丁度良い 匙加減の野暮ったさで、小さな愛着が…

新年

|日々| 元旦は、海で神輿と初日の出を拝み、 早い朝の清々しい空気を、胸一杯に吸い込んで。 拵えたおせちと雑煮で、新年を祝う。 一段と厳しい一年になるだろうけれど、 小さく、つましく、誠実に。 丁寧に暮らしてゆけたら、と想う。 新年、明けましておめでとう御座います。 新たな年も、どうぞ宜しく。

小さな日記より

|日々| 年内の仕事も仕舞い、件の野暮用も何とかやっつけ。 今年はおせちも拵えた。いり鶏に黒豆、松前漬け。 昆布巻き、たたき牛蒡、柚子巻き、などなど。 明日はこれらをお重に詰めて。慌しいながら 仕事も用事も終え、ほっと安堵の心持ちで、 明日の大晦日を迎えられる、有難さ。 とは云え、おせちの仕込み中に、何やら知らぬが カッカしながら葱なぞ刻んで居ったらば、 左の人差し指をざっくりやってしまった。うぅ。 今年一年も、こうして日々のあれこれを綴ることで、 何かが繋がったり、何かを感…

師走の窓

|日々| 本日は恒例の餅つき。朝早くから準備に取り掛かる。 今年は父方の叔父連、従兄弟や弟らの男手が集まり、 つき手が充分に足りたので、かなり助かって。 開店時刻を少しまわった頃、皆に振舞う餅と 各親類用の伸し餅、硬めについた鏡餅など、 総計七臼、全ての餅をつき終えることができた。 男手も女手も、皆で餅を食べ食べ、人心地。 たまり醤油漬けの紫蘇の実で味付けした、 大根おろしの餅が美味しくて、ついつい箸が進む。 午後は午後で、掃除の仕上げと窓拭き。 日差しが暖かく、乾いた冬空に…

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