双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

仕事納め

|日々|

仕事納めを、年の瀬の空気の薄い中で迎える。
そこへ来て、今年は父方の祖父の喪中のため、
恒例の餅つきや、おせちなど諸々の正月支度の
一切無いことも在り、余計に気の抜けたよな
年の瀬となった。掃除は殆ど済ませてしまった
のだけれど、只ぼんやりと仕事を仕舞うのは
嫌なので、午前中から、鍋釜の類を束子でもって
ガシガシやったり、グラスをキュッキュと磨いたり。
曇りを取り払って、清々となって。新たな年を
迎える心づもりを整える。夕刻、大層きれいな
干し柿を頂戴した。あんまりきれいなものだから、
すぐに食べてしまうのが勿体無くて、暫くの間、
掌に乗せて眺めて居ると、不意に表で、びゅうと
鋭く風の唸る音が聞こえた。それは冬の音だった。

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