双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

月曜の匂い

|日々|


目覚ましの要らぬ月曜の寝床を、ゆっくりと出て、
顔を洗い、窓を開け、箒をかけ、ちゃぶ台を拭く。
遅い昼食を摂った後、これと云った予定の無い午後は、
七割程まで進んだショールの編み棒を、ちくちくと
動かしながら過ごす。夕刻、煙草を切らして外へ出ると、
何処かの家から、夕飯の支度の匂いが流れてきて、
うっすらと日の傾いだ、薄暮の冬空に消えてゆく。
ひゅうとひとすじ。冷たい風に吹かれて、
カーディガンの襟を、きゅっと閉じた。

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