双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

緑の風

|音| |日々|


月の光 ?ドビュッシー / ピアノ名曲集

月の光 ?ドビュッシー / ピアノ名曲集


休みだけれど出掛けない。出掛けずに、
折角の晴天の一日を、家事に当てたい。
夜具や敷物などの大物を丸ごと洗濯して、
座布団も膝掛けも日に当てて、何もかも
さっぱりと清々と。季節を入れ替えるのだ。
洗濯機の回って居る間に、箪笥の中身も
思い切って始末する。幾年の間も、何かと
云い訳をくっつけては、結局袖を通さぬ事
の多かったものを始末するのに、不思議と
躊躇はせず、てきぱきさっさと事進んで、
箪笥も心持ちも、すっきりと風通し良い。
始末を終えて、風爽やかな天日の下に
大物を広げて干し、続く二回目の洗濯へ。
その間に部屋の塵を払い、風呂場を洗い、
手を休めたところで、スープとパンの昼食。
ラジオをつけると、FMにショパンが流れて居る。
けれど、今日みたいな日に聴くなら、そう。
ドビュッシーが良いだろ。ラジオを止めて
ドビュッシーをかけながら、窓を半分だけ開けると、
緩く流れ込んだ風が、ふわりと前髪を揺らして、
額を撫で通り過ぎた。ほら、季節が入れ替わる。
それは緑色した、五月の手触りだった。

<