双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

リズム

|日々|


穏やかに晴れた、十一月の土曜日。
今年もTさん夫妻が訪れて下さった。
三年来変わらず届く、晩秋の便りみたい。
一年ぶりにお会いした筈だのに、ついこの間、
ふらりといらっしゃたばかりのよな気がする。
物凄く特別と云うのじゃないけれど、
朝目が覚めて、何だか気分が良くて。
窓の拭き方、布巾の置き方。
色んなことが、いつもよりも少しずつ丁寧な日。
そんな些細の一つ一つが、お二人の訪れと呼応して、
この場所のいつものリズムの中に、小さな変化が
生まれるんだな。緊張とは違う、心地良い変化。
Tさんはいつも、この場所の光を良いと云って下さる。
うん。私も好き。別段何てこと無い場所だけれど、
窓から射し込む光が、季節ごとに、刻の経つごとに、
色を含んで、やわらかに変わってゆくのが、好き。


折角遠方から来て頂いたのに、何だか身も蓋も無い
茶飲み話ばかりで、御免なさい。でも、久しぶりに
愉しい時間が過ごせて、嬉しかったのです。
お二人と話して居ると、実際にはそんなこと無いのに
何故だか、お互いの高校生の頃を知って居るみたいな、
そんなこそばゆい気がしました。隣のクラスに居たよな、
同じ通学電車に揺られて居たよな。不思議ですね。
美味しいお菓子と音盤の心遣い、有難う。また今度。
もうすぐ、空の素敵な冬がやってきます。

<