双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ものぐさの立腹

|日々|


字引を手に取ろうと、ものぐさの体勢のままに
手を伸ばしたのがいけなかった。
ものぐさの上の無防備。
左の肘の出張った骨をしたたかに打ち付けて、
余りの痛さにううと声も出ず、暫し固まって是をしのぐ。
瞬間の鋭角な痛みから、やがてじわじわと
鈍い痛みへ変わってゆく間の辛抱と云うのは、
何故ああも憎たらしいものか、と度毎に想う。
そのわりには傷一つつく訳で無し。
せいぜいがうす赤らんで居るだけと云うのも、
尚腹立たしい。


|音|


Luz de agua / Sebastian Macchi


言葉の詩人の紡いだ言葉は、音の詩人の紡いだ音に乗り、土の匂いと空の色と水の清冽とを、ふくよかに引き寄せながらひとつの河となってたゆたい、遥か遠く想い馳せるアルゼンチンの地へ、聴く人の心を運んでゆくのです。

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