双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

薄甘い午後

|日々| |手仕事|


この冬は、手袋を幾つ編んだだろか。
細い雨のそぼ降る、とろりの金曜は客足も遠く、
ほうじ茶と珈琲飲み飲み。黒豆を薄甘く炊いたのを
つまみながら、一日中、編み針を動かして居た。
先週仕上がったラグランのセーターは、今日、
初めて袖を通した。胸の上の切り替えから、
鹿柄の編み込み模様が、ぐるりと入って居り、
随分とゆったりめであるわりには、思いの外
軽くて、一枚でも充分あたたかい。
如何にも手編みと云った風なのが、丁度良い
匙加減の野暮ったさで、小さな愛着が湧いてくる。
手仕事の喜びと、愉しさ。

<