双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

寄る辺無き季節に

|縷々|

洗濯物を取り込んだら、靴下が一足だけ。
履き口のところが未だ、うっすら湿って居た。
空の洗濯バサミの連なって、がらんとした物干しに
靴下一足が残されて、頼り無くぶら下がって。
季節の真ん中に触れたつもりで居たけれど、
もしかすると、こうして宙ぶらりんとして、ぽつんと。
冬にぶら下がって居るだけなのかも知れない。
するりと、こぼれて、落ちる。

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