2009-02-07 独りの時間 |縷々| 日々の中の独りの時間。気忙しさや人びとから ふと離れて、やわらかな孤独の訪れるとき。 小さな安堵に、ほどけて、ゆるむ。 相変わらず蛍光灯を切らしたままの、 仄暗い湯船にとっぷり、浸かって居ると、 連日観て居る向田ドラマの、暮らしの欠片が順繰りに、 ぼんやり、ゆらゆらとロウソクの橙に被さる。 寝巻きの上に羽織った、銘仙の半纏。 タイル張りの流し台と、洗い桶。 台所の床下の糠床。冬の部屋の火鉢。 その上でしゅんしゅんと沸く、鉄瓶の湯。