双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

筆記具考

|モノ|


靴下同様*1、筆記具に関しても、書ければ何でも良い!
と云う風にはゆかない。我ながら何とも偏屈と想うが、
「イヤダカラ、イヤダ。」では無いけれど、筆記具は
書き味と塩梅。硬めの細字でないと、駄目ナノダ。
かと云って、あんまりカリカリ過ぎてもいけない。
カリカリとサラサラの微妙な間、それが案外難しい。
鉛筆ならば、昔からトンボ事務用鉛筆の F 。
HBでもHでも無く、何故だかFが好く馴染む。*2
ボールペンは、高校生の頃に出遭って以来、
スマートな鉛筆のよな収まり具合、ノック式、
細さの塩梅と書き味と、全てにおいて理想的な
三菱の証券用ボールペンを愛用。専用の替え芯共々、
是が生産中止となってしまうと、大変に困る。
唯一、万年筆については、未だ生涯の品と云うものを
持って居ない。これだけは、幾らでも時間をかけて
じっくり選びたい、と常々考えて居るのだけれど、
普段には、プラチナのデスクペンが使い良く、
しかし是は、持ち歩きには大層不向きであるため、
手頃なペリカーノ・ジュニアを持ち歩いて居た。
ところが去年、とうとうキャップ部分が破損。
また、専用のカートリッジの確保も何かと面倒で
あることに加え、細字が好みの私にとっては、
太目でやわらかなペン先が、やはり使い勝手の
悪い部分でも在ったため、普段使い用の万年筆で、
何か良いのは無いかしら?と、探して居ったところ。
パイロットから出て居る、手頃な価格の万年筆
『プレラ』に行き当たった。たかがお手頃と侮るなかれ。
是がなかなか優れた品で、細字はカリカリ過ぎず。
サラサラ過ぎず。手にしたときの収まりも丁度。
手帖にこまごまとやっても、大変きれいに書ける。
装飾の殆ど無い外見も好ましく、カートリッジは勿論、
同社製のコンバータが使える、と云うのも良い。
ビビットカラーには目もくれず、少々ジジむさい、
渋めの色味のスレート・グレイを選んだ次第。
何にしろ、手元に在って日々使うものの勝手が良い、
と云うのは、実に快適。実に心地良いものである。

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