双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

2010-01-01から1年間の記事一覧

おいしいものが食べたい

|日々| 野暮用の一つを、ほぼ八割方やっつける。 仕事の合間にちゃちゃっと出来るのなら 問題は無いのだが、何しろ是をやるには まとまった時間と集中力とが不可欠なので、 かかりっきりの一日で仕上げられぬのは、 やれやれ。仕方あるまい。できることなら…

スケッチ

|音| 未だ六月だのに、まるでもう夏の空だった。 真っ青なところへみっしりとした入道雲を眺めて、 ぽかんと口を開けて居たと想えば、唐突な土砂降り。 午後の空模様はせっかちに、幾度も入れ替わる。 遅い日の暮れた頃には、急に風が涼しくなって、 間の抜…

川のむこう側には何があるのだろう。

|旅| |回想|*1 マルディグラの喧騒の去った後も、ニューオリンズから幽霊たちの幻影に似た、気だるい痕跡が消えることはない。滞在の終わり、蒸気船に乗った。ケイジャン・クィーン号。ミシシッピの川面を渡った風は、南部の湿り気をふくよかに抱く。ねえパ…

御馳走考

|雑記| 唐突ではあるが、私にとっての 「御馳走」 とは 即ち 「鰻」 である。何故こんな話をするのかと 云えば、本日いらした知人女性が、ここ暫くの間、 どうも体調が芳しくないとかで、帰り際口にした 「何か御馳走、おいしいもの食べたいわぁ。」 の一言…

A piece of my life

|音| |回想| HMV渋谷店の閉店が決まったことを、id:mikkさんの所で昨日に知り、心におっきな穴がぽっかりと開いてしまって、只々途方に暮れ、今日一日は、何だかそのことばかり考えて終わった気がする。移転して暫くの間は、どうも慣れなくて戸惑った。それ…

心模様

|音| Closing Timeアーティスト: Tom Waits出版社/メーカー: Elektra / Wea発売日: 1994/06/16メディア: CD購入: 7人 クリック: 119回この商品を含むブログ (48件) を見るThe Heart of Saturday Nightアーティスト: Tom Waits出版社/メーカー: Elektra / Wea…

或る日

|戯言| ■近くの店にて買い物を済ませ、表へ出たところで、ベンチに座るスーパー肥満児を見る。推定十歳。右手にヤマザキのランチパック (タマゴ)、左手には二本の焼き鳥を持ち、黙々と交互に食して居た。傍らには炭酸飲料の大きなボトルと、幾つかのスナッ…

物欲と身の丈

|雑記| 三十路も半ばを過ぎてからと云うもの、物欲への冷静な距離の取り方がすっかり身に付いた気がする。あれも欲しい是も欲しい、とは想わなくなった。 懐具合云々も勿論在るけれど、つまりは、自身の 「身の丈」 を知ったと云うことか。安物買いの銭失い*…

ぶつくさ

|雑記| |音| 春が在ったのかどうかも明確にないまま、 新緑へと暦だけが移り、その新緑ですらも しみじみとせぬ内に、もう初夏だと云う。 其処へ来て唐突にテレビの中から、数日後は 夏日の陽気です、などと告げられたところで、 はい、そうですか。と合点の…

日曜日のカレーライス

|雑記| 子供の頃、我が家でカレーライスが食卓へ上るのは、大抵土曜日であったよに想う。*1バーモントの甘口、少々薄目でさらりとしたのは母の好みか。豚コマ、じゃがいも、玉葱、人参が具材の、至極オーソドックスなカレーだ。*2一方、大人だけで構成される…

舌打

|縷々| 一枚減らした夜具のうすら寒さに呆れ、 身支度に長袖を重ねて着ては閉口し。 再びの寒さ出戻り、さながら開き直った 年増女の如き厚かましさか。しゃあしゃあと そ知らぬ顔して、潔く季節を譲らぬその様に、 こちらは落ち着くものも落ち着かず、こう…

先生のタンポポ

|小僧先生| この春から幼稚園へ通い出した先生。*1 それ故近頃は、以前と比べるとお会いする 機会も減ってしまったのだが、本日久々に 顔を見せた園児服の先生と、短い散歩へ出た。 「ひょっとすると、君のも同じじゃないかね?」 件の青いワークコートを見…

My Favourite Things

|回想| 前エントリを書きながら、そう云えば女学生の頃、好きなCMだけ集めたビデオテープを作って居ったことを、はたと想い出して懐かしい心持ちとなってしまいました。*1今となっては、あれが何処へ行ってしまったものか見当が付かぬのですが、本日はその中…

遠い列車の音でめざめると、ママがいなかった。

|本| |回想| アメリカン マヨネーズ ストーリーズ作者: 秋山晶出版社/メーカー: ビジネス社発売日: 1997/11メディア: 大型本 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る その昔、キューピーには 「アメリカンマヨネーズ」 と云う商品が在った。パッ…

仕事着考

|モノ| |手仕事| 昔から仕事着 (作業着) の類。所謂 「ワークウェア」 と云うのが好きで、実際の仕事は勿論、普段着るものにも色濃いよな気がする。子供の頃から、叔父らが工場で着る 「ツナギ」 も好きだった。着古して色褪せて。工業油の染みだの、ほつ…

電電社宅前

|雑記| 『電電社宅前』 社名がNTTに変わり、既に社宅の無くなった今も、 バス停の名前だけは取り残されて、昔のまま。 ようやく季節なりとなった久々の空模様に シャツ一枚の足取りは軽く、ふと歩みを止めた 場所には、かつて電電公社の社宅が建って居た。 N…

夜風

|縷々| |本| 喉の中頃が何やらいがいがとして居て、 その上、頬の辺りもがざがざと乾いて 水っ気が薄く、どうも塩梅が宜しくない。 季節がちいとも季節らしい顔とならず、 照ったり降ったり曇ったり。はたまた やれ寒いの、やれ暑いのとなれば、 まぁ無理も…

ものぐさの立腹

|日々| 字引を手に取ろうと、ものぐさの体勢のままに 手を伸ばしたのがいけなかった。 ものぐさの上の無防備。 左の肘の出張った骨をしたたかに打ち付けて、 余りの痛さにううと声も出ず、暫し固まって是をしのぐ。 瞬間の鋭角な痛みから、やがてじわじわと …

静かの緑

|本| 僅かの晴れ間のさあと去らぬうちに、 窓の外へ、瑞々しい山の緑を眺めやる。 今年は未だ、山靴を履いて居ない。 山のパンセ (集英社文庫)作者: 串田孫一出版社/メーカー: 集英社発売日: 1990/06/20メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7…

アンダースロウ

|日々| 雨の上がってお天道様が出たところへ、 扉にぐっと重い向かい風は、確かに 南から吹いて居る筈だのに、西側の 壁伝いに頬を叩く風は北からの風で、 是にはまんまと騙されたよな気がして、 足元に吹き飛ばされて来た、か細い小枝を、 誰も見て居ないの…

最後の通信簿

|徒然| 数日前、id:hebakudanさんが亡くなられたことを知り、只ぼんやりと途方に暮れて居る。途方に暮れながら、それをどう受け止めるべきか分からなくて、仕様も無い事件簿なんかに、だらだらと時間を割いて居た。患って居た病が悪化して入院されると書いて…

芽吹きどき事件簿:延長戦 (終了?)

|雑記| 一昨日の攻防から、長い一夜の明けた昨日。小母ちゃんは 「来る」 と口にしたが、本当に来るのであろうか。また、実際に来たとして、何が目的であるのか。目的は恐らく、否。間違い無く ”金” であろう。最たる目的が金であるのか否か、は知れない。そ…

芽吹きどき事件簿:後半戦

|雑記| ハーフタイムを挟んで、ここからが勝負の後半戦。 雨の中を一目散に走って戻って来たAちゃん。心なしか、決定的な何かを掴んだ風な薄ら笑みを浮かべて居る。道中果たして如何様であったのか!?

芽吹きどき事件簿:前半戦

|雑記| 芽吹きどき、である。木々が草花が、一斉に芽吹く爽やかなこの季節。ついでに所謂 ”ちょっとアレ” な人々もまた、むくむくとするので、全く困ったものなのである。と、そんな本日の事件簿は長くなるので、畳みますヨ!

緑の風

|音| |日々| 月の光 ?ドビュッシー / ピアノ名曲集アーティスト: アース(モニク),ドビュッシー出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン発売日: 1995/07/25メディア: CD購入: 47人 クリック: 185回この商品を含むブログ (35件) を見る 休みだけれど出…

クマと飲むお茶

|雑記| 先日、部屋に掃除機をかけて居ったとき のことである。つけたままのテレビより 「パディントン」 と聞こえたよな気がした ものだから、掃除機をかけたまま、にゅっと 奥から首だけ突き出した格好で、横目に 画面をちらと覗き見れば、どうやらナビスコ…

GVS

|映画| やっぱりこの人の映画が好きなのだ。 どうしようもなく。 パラノイドパーク [DVD]出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント発売日: 2008/09/26メディア: DVD クリック: 29回この商品を含むブログ (76件) を見るエレファント デラックス版…

春の阿呆

|本| ここより臨む山の頂が白い。聞くところによれば、 積雪凡そ二十五センチ。不穏な色した分厚い雲が 山肌をゆっくり、ぬうと滑るよにして降りて来る。 北からの風は滅法冷たく、辛うじて覗いて居た 空がすっかり是に覆われてしまうと、間も無く 雨を降ら…

香り草入り兎肉シチュー

|本| 春の奴め、油断した途端にすっとぼけやがって。 気温、一桁。寒さに手はかじかみ、肩は強張る。 そんな訳だから、当然客足も遠退き疎らだもので、 頁をめくる時間にだけは事欠かぬ。皮肉なものだが、 抗ってどうにかなる、と云うものでもあるまい。 新…

重力

|映画| しょせん見せ物だけど、 映画は作る側から一体、 何なのだと、せつなく、やるせなく、 つらく、しきりに、ねんごろに 思いあぐね続けてきた 十何年であったのである。*1 神代辰巳特集 『青春の蹉跌』 を観る。ショーケン演じる主人公は、いつも何処か…

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