双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

春の阿呆

|本|


ここより臨む山の頂が白い。聞くところによれば、
積雪凡そ二十五センチ。不穏な色した分厚い雲が
山肌をゆっくり、ぬうと滑るよにして降りて来る。
北からの風は滅法冷たく、辛うじて覗いて居た
空がすっかり是に覆われてしまうと、間も無く
雨を降らせ始めた。季節は確か春、の筈であるが。
全く誰の仕業であるものか。知りたいものだ。


新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)

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