双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

A piece of my life

|音| |回想|


HMV渋谷店の閉店が決まったことを、id:mikkさんの所で昨日に知り、心におっきな穴がぽっかりと開いてしまって、只々途方に暮れ、今日一日は、何だかそのことばかり考えて終わった気がする。移転して暫くの間は、どうも慣れなくて戸惑った。それくらい、あの一号店は90年代の私たちにとって、想い入れの深い場所だったのだと想う。閉店を知った今、改めてそれを痛切に感じるのと同時に、渋谷と云う街への目的を、次第に失ってゆかざるを得なかった遣る瀬無さも、しみじみと想い出して居る。


We’re going nowhere but we’re ready to go
青春手帖


あの頃、渋谷の街を訪れる理由は、いつも音楽だった。Tシャツとコーデュロイのズボンに、草臥れコンバース。斜めがけのレコードバッグは Rough Trade で。クアトロの階段の長い列に並びながら 『Beat UK』 の話に花を咲かせたり。ON AIR への行き帰りは場所柄、皆が足早なのが可笑しかったな。WAVE。CISCO (仲間内では、其々 ”オルタナ店” と ”ハンズ前” と呼んで居たっけ) に Warszawa 。Zest。そしてHMVタワーレコードができても、HMVが特別なのに変わりは無かったよに想う。
当時足を運んだ店の大半が姿を消し、私自身も東京を離れて田舎へ戻ったことで、以前のよに実際にレコード店へ出向き、直接音楽を探す機会は激減してしまった。勿論、本意では無いとは云え、しかしそれは未だに後ろめたく、ちくちくと心苦しい。音楽 (や書籍) に対する消費動向や人々の向き合い方は目まぐるしく変化し、それに伴って、その在り様もまた変化を余儀なくされて居る。そして、とうとう。あの場所も消えてしまうのだね。
この気持ちはきっと、何かで埋められやしない。まるで大切な人生の一頁が、すこんと抜け落ちてしまったみたいで。只どうしようもなく、切ないんだ。

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