双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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そして丘をおりてゆく

|縷々| |本| 伸びた爪を切るのはいつも、夜。 夜爪はいけない。親の死に目に遭えぬ。 そう云う類の迷信を頑なに信ずるには、 随分と薹が立ち過ぎただろか。 終いに、指先をふうっとやる。 ― だれでも一度は丘を降りなければならない ― 丘を見つけた人だけが、その声を聞く。 それは、再び戻ることを許された人。 自分にぴったり合う靴を履いた人。 どこまでも歩けるよに、 きっちりと足に合った靴。 約束は、永い道の途上でも寄り添う。 かけがえの無い、小さな灯のよに。 けれども私は、丘を…

女の着物

|着物| |本| 幸田文 きもの帖作者:幸田 文発売日: 2009/04/07メディア: 単行本 ざらりの質感と厚みのある表紙は、着物を想わせるつくり。 背筋を正して手にすると、頁をめくる度、綴られた言葉のひとつひとつより、 凛と律した所作や着姿、衣擦れの音がはっきりと浮かんでくる。 しゃりとした佇まいが心地良い。 着物を語る言葉の数々は、ときに厳しく、ときにゆるやか。 また、潔さを伴えば、執念とも呼べる欲を含めたりする。 幸田文と云えば縞のお召だけれど、私の箪笥にもやはり、…

一撃必殺珈琲

|戯言| |本| 日々に何かが足りない。明らかに、足りて居ないのです。 サイフォンを見つめる目が、些か虚ろな今日この頃。 時々、ふと魔が差したよに、自分が何故この仕事を して居るのか、分からなくなるときがあるのです。 竹べらを握る我が右手にも、魂の炎は燃えるでしょうか? 炎尾先生・・・。俺、何だかもう眠いです・・・。 吼えろペン 1―Comic bomber (サンデーGXコミックス)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2001/08メディア: コミック クリ…

思い立ったら

|暮らし| |本| 台所道具の楽しみ (とんぼの本)作者:平松 洋子メディア: 単行本 是だったかなぁ。否、違う気もするなぁ。 半分訝しがりつつも、巻末に包丁の砥ぎ方を見付けたので、 先ずは手始めにペティナイフから、倣ってやってみる。 砥石を桶に沈めて充分に水を含ませた後、手拭いの上へ。 十円玉三枚分を、このくらいと頭に浮かべながら、些か ぎこちない手付きでしゃこしゃことやる。表、刃先、裏。 途中で水を打ちながら、順番に。要領を得て、二丁三丁と。 出刃も含めて全部で五丁。仄か…

死に場所を見つける

|本| 貧乏だけど贅沢作者:沢木 耕太郎発売日: 1999/02/24メディア: 単行本 沢木耕太郎氏の対談集を読む。聞き手が沢木氏だから、話の軸は旅にまつわるものなのだが、話す人の分野によって、またそこだけにとどまらぬのが、其々に興味深いところ。プロ雀士・田村光昭氏との対談では、麻雀行脚時代に、漁港町の鉄火場まがいの所へ出掛けて打って云々だとか、年間の稼ぎのロスを博打で補うため、年間計百日以上はマカオに滞在するだとか。 「よく殴られたりしましたよ。いきなり広東語で怒鳴りつけ…

はぐれはぐれて最果ての

|戯言| |本| 信念を曲げてまで、得るものとは何か。 そうして得られるものとは、果たして それだけの価値の在るものなのか。 そもそも、信念とは何なのだろか。 アァ、そうさ。そうともさ。 世の中のあれもこれも。 都合の悪いことは、全部オレのせいだよ。 むにゃむにゃむにゃ…… 未熟者が己の未熟者たる所以を、否応無く感じるときと云うのは、 こんなくだらぬことを、今更、ぐだぐだと考えて居るときである。*1 東京するめクラブ 地球のはぐれ方作者: 村上春樹,吉本由美,都築響一出版社/…

茶菓子の味

|本| 日日雑記 (中公文庫)作者: 武田百合子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/02/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 66回この商品を含むブログ (98件) を見る ここ二日ばかりの場違いな陽気に、ついうっかりと 性根の温んだところへ、そら!阿呆が見たか!と 意地悪く嘲笑うかのよな北風が、暴々荒れ狂っては 屋根に壁にと、所構わず叩き付ける、春の夜。 老猫と二人。布団に潜り、苛々身じろぎながら、 まんじりともせぬまま、虚ろな朝を迎えた。 俄か春と…

歩き続けた人

|本| 考える人 2009年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/12/29メディア: 雑誌購入: 2人 クリック: 27回この商品を含むブログ (21件) を見る 身の回りの雑多が一段落して、ようやく手に取る。 須賀敦子が最後に残した草稿。完成することの無かった物語。 年頃の娘の頃の、須賀さんの写真。意思の強い、快活な顔立ち。 そのふっくらした頬の輪郭には意外な程、華奢な肩や、 腕時計の巻かれた、ほっそりした手首。聡明で薄い口元。 ブラウスの襟な…

まどろみ

|本| |縷々| 明け方、夢を見た。 行ったことも見たことも無いけれど、 そこは、コルビュジェの 「小さな家」 で、 こじんまりした一人がけに、背中を預けて、 やわらかな光に滲んだ、白い窓を見て居た。 清潔で、静かで、心地良くて。 膝掛けの上に置いた手が、あたたかかった。 目が醒めて、朝の冷気に頬が触れる。 洗面所の蛇口をひねると、つうとする指先。 まどろみから、強引に引き抜かれた気がして、 何だか、口惜しいよな心持ちになった。 小さな家―1923作者: ル・コルビュジェ,森…

どこもここも、しんみりとしてきたのです。

|本| |縷々| ムーミン谷の十一月 (講談社青い鳥文庫 (21‐8))作者: トーベ=ヤンソン,Tove Jansson,鈴木徹郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/10/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るさめざめと雨が降ってきて、午後はすっかりひそりとして。 そのまま、冷たい墨色の夜になる。 生姜のクッキーと熱いお茶。ぽつんと独りの安らかさ。 自分の持ちものを、できるだけ身ぢかに、ぴったりとひきよせるのは、な…

遠くに

|本| Andrew Wyeth発売日: 1998/09/15メディア: ペーパーバックつうと冷たい空気が頬をさす季節の訪れを知ると、 記憶の糸先を手繰り寄せるよに、頁をめくる。 しんしんと。流れ込み、沁みてゆく。 この寂寥と静けさは、何処からも遠い。

羊の季節

…季節が好きだから、それを取り巻くあれこれが好きなのか。 寒い季節のあれこれが好きだから、そんな季節が好きなのか。 はて。どちらが理由なのだろ。 |本| おやすみ モーフィ 岡尾美代子の毛布ABC (クウネルの本)作者: 岡尾美代子出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2008/10/23メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (24件) を見る毛布。ブランケット。スロー。膝掛け。 名前も大きさも様々だけれど、どれも皆 寒い季節の、形。羊よ。有難う…。

ちくり

|縷々| |本| 蟋蟀の鳴く声。夜も涼しくなると、窓の外から。 知らぬ間に重なって居た、憂いと煩いの澱。 ぼんやりの夜の掌から、不意に差し出されて、 何処かがちくりとする。鈍く広がる。 気付いて居なかった訳ではない。 気付かぬふりをして居ただけ、か。 ぬるい茶を一口飲んで、独り言つ。 まぁ、良いさ。悪足掻きは止そう。 待つことでしか、成せぬときもある。 内田百間―イヤダカラ、イヤダの流儀 (別冊太陽)出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2008/08/01メディア: ムック …

格好良いとはこう云うことさ

|雑記| |本| 今月の NHK 『私のこだわり人物伝』 は、伊丹十三。 伊丹氏と聞いてどの職業を思い浮かべるかは、 それこそ人其々かと想うが、やはり映画監督 としてのキャリアの印象が強いだろか。 私個人で云えば、俳優としての伊丹氏は、連続ドラマ だった頃の 『北の国から』 で、純と蛍の継ぎ接ぎ だらけの靴を捨てさせた人、として子供心に複雑な 足跡を残し、やがて後の歳頃には、洒落た料理を作る 粋な映画人、としての印象が加わり、名エッセイ 『ヨーロッパ退屈日記』 を初めて手にし…

食をめぐる冒険

|本| サウンド・バイツ―フランツ・フェルディナンドの世界グルメツアー作者:アレックス カプラノス発売日: 2008/05/01メディア: 単行本 訪れたその土地で、その土地の普段の料理を、その土地の市井の人々に混じって食す。至極当たり前のことのよで、実は案外そうでも無い。「食べる」 と云う行為は、直接生に繋がる行為であると共に、その土地を知る最も身近な行為でもある。しかしながら、食や文化に対する好奇心を誰しもが持ち合わせて居る訳では無く、むしろ、未知のものに対して尻込みする…

机上時空

|日々| |本| 夏祭りの初日だのに、さめざめと雨が降り、 何だか物寂しいよな土曜日。ポットに淹れた茶を ぬるめにしたのを、少しずつ飲みながら、一日中 旅の本を読んで居た。未だ己の足の知らぬ土地は、 幾らでも在るから、こうして旅の本など読んで、 僅かに、行ったよな心持ちになって居るのは、 書斎の旅人にとっての、ささやかな至福。 中国の少数民族の女たち。目にも鮮やかな衣装と、 眼差しの力強さに、暫し、頁を操る手が止まる。 赤の鮮烈さ。大地の大きさ。 恐ろしくめまぐるしい変化と同…

緑の指と羊の毛

|本| |庭仕事| ku:nel (クウネル) 2008年 09月号 [雑誌]出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2008/07/19メディア: 雑誌 クリック: 22回この商品を含むブログ (35件) を見る英米園芸界の二大頑固バアさん*1、ローズマリーとターシャの居なくなった現在。両者共に、所謂プロフェッショナルな職業的園芸家でなかったことも、充分に興味深いが、それも踏まえた上で、あの二人に匹敵する頑固さと、或る意味での意地悪さ(笑)とを備え、「園芸的に正しいこと…

ワタシと敦子とアツコの旅

|徒然| |本| はじめのきっかけは、何処かの雑誌だか新聞だか、七年ほど前に偶然見掛けた新刊紹介だった。『須賀敦子のミラノ』 。それほど詳しい紹介でも無かったし、確か小さな記事であったと記憶して居るのだけれど、何かに急きたてられるよに、その日の内に注文して居た。元々、永いことイタリアと云う国に惹かれて居たから、それで先ずは気に留めたのかも知れないが、何故だろう。私は必ずこの本を読まねばならぬよな気がした。未だ手にもして居らず、名も知らぬ作家について書かれた本だのに。そもそも、…

いただきます ごちそうさま

|暮らし| |本| 知人の H さんが、午後、山程の野菜を届けてくれた。 畑からおろぬいてきた大根葉に、ころんと丸こい蕪など。 虫食いも愛嬌と、大根の葉はばりっとみずみずしい。 早速に台所へと運び込み、下準備に取り掛かる。 水洗いした大根葉は、根元のちょこんと赤ん坊みたいな 身の部分を切り落とした後、ざくざくと包丁で刻んだら 胡麻油と鷹の爪で炒め、醤油と味醂で味をつけて。 私の好物の常備菜のひとつで、こうして沢山拵えても、 毎日毎食口にするものだから、すぐに無くなってしまう。…

嫁ぐひとへ

|本| Sちゃん 三人きょうだいの末っ子で、皆に構われてピーピー泣きながらも、 負けん気が強くて、いちばんしっかり者だったあなたが、 気が付けばもう、お嫁にゆく年頃になったのですね。 私にとっては、従妹と云うよりも七つ下の妹のよで、 かつてのあの、花柄のスカートをはいた小さな子が、今では こんなに素敵な女性になって、共に暮らす伴侶を得、 そして、一つの家庭を持つと云うことは、どんなに嬉しいことでしょう。 あなたには、あなたの背筋のよに、ぴんとしっかり通った一本の芯が在り、 し…

しみじみと しみじみと

|本| 暇にかこつけた連日の編み物で、暫く開けないで居た 今号の 『暮しの手帖』 に、ようやくゆっくりと目を通す。 巻頭は、愉しみだったマーガレット・ハウエルの記事。 飾り気無く、気取り無く。 流行に捕われず、芯が通って。 人柄そのままのよなこの人の作るシャツに、 いつの日か袖を通したいものだなぁ、と思う。 温かいスープの記事は、写真も美しく。 「睡眠手帖」 私はそもそもが寝付きの 良い質なものだから、不眠に悩んだことは殆ど記憶に 無いけれど、心地良く眠るための提案に頷きなが…

フランドルの海

|本| 存外に忙しい日中がばたばたと過ぎ去り、やがて 日も傾いてくる頃には、空が冷たく降りて来る。 伏せ止めの仕方を忘れてしまったおかげで、 編み物は途中で止まったまま、今日も籠の中。 須賀敦子全集の三巻を手に取る。 目次をめくると、最初の章は 『ユルスナールの靴』 で、 そのプロローグは、私がいつも胸に留めて居る言葉で始まる。 きっちり足に合った靴さえあれば、じぶんはどこまでも歩いていけるはずだ。 今まで幾度と無く刻んだこの言葉を、年の瀬の心に留め直す。 人生の 「靴探し」…

住む街

|本| |雑記| 盛岡の冊子 『てくり』*16号が届く。 東北のひとつの街の持つ空気、人、風景、手触り。 作り手の視線が街と同じ高さで、やわらかで。 盛岡と云う街への想いが、ちゃんとそこに在る。 栄えて居ようと居まいと、都市であろうとなかろうと、 何処の街にも、その街の持つものが必ず在る筈だけれど、 そこに住む者たちがそれに気付き、はぐくみ、 守ってゆかねば、街は恐らく、埃を被ったまま、 やがては朽ち果ててゆくのに相違無い。 不釣合いに大がかりの手術して、街の容姿をがらり 変…

掌に残ったもの

|縷々| |本| 夕刻をもうすぐに控えた午後の西日が、角の丸くなった 全集の背表紙を包み込み、やわらかに歪んだ光が 全体に差し込むと、やがて陰りに追いつかれるまでの 僅かの間。刻はゆっくり光に溶け込んで、 段々に輪郭を曖昧にしながら、そこに在るものの感覚を とろり、鈍らせる。あたたかな、薄ぼんやりした 橙色の時間の欠片をひとつ、切り取ってポッケにしまう。 夜の更けた頃に思い出して、それを取り出してみたけれど、 差し入れたポッケの中はひどく、ひんやりとして、 切り取った筈の橙色…

私たちのフランチェスコも、丘を降りて行った。

|電視| |本| BS朝日にて、須賀敦子の 『イタリアへ』 が連続シリーズ となって放送されて居ることを知り、近頃新たにテレビを 購入した弟夫婦の家に、前もってお願いしておいた。 第1話のトリエステは、残念ながら逃したのだけれど、 第2話のアッシジは、HDDに録れたとのこと。邪魔したのが 丁度夕食どきで、お好み焼きを相伴に預かりながらだった ものだから、しみじみ観て居られる訳も無かったが、 弟が甥っ子を寝かしつけに部屋を出、義妹が早めの風呂へ 入りにゆくと、番組はもう終わりの…

去る雨 残る雨

|日々| |本| 今日も今日とて雨が降り。 客席の配置替えしたのを、一夜明けてからしみじみ、 明るい中で改めて見てみると、何故だろか。 昨晩見たときよりもずっと、しっくりくる。 相変わらず雨は冷たく、降ると止むとを気まぐれに 繰り返しながら、時折お客さんを挟んで、午後は のっぺり起伏無く、とつとつと過ぎてゆく。 文庫本など並べてしつらえた、新しい独り席に座り、 とっくりの襟首伸ばして、膝掛け掛けて。 たっぷり淹れた珈琲など頂きつつ、電球の下、 本の頁めくる。少しくぐもった鍵盤…

日常の延長線上のささやかな非日常

|雑記| |本| 秋の日差し、やわらかな昼下がり。ふと、子供じみた愉しみを思い付く。 良く良く見知った、隣街に出掛けてぶらついて、日も暮れてきたら、宿をとって一泊、と云うのはどうか。地元でも、それなりにおもしろいかも知れないが、あんまり身近過ぎるし、どのみち、そこいらで知った顔に出くわして、折角の愉しみのややこしくなるのは困りもの。それでは気分が出ない上、どうにも無粋でいけない。かと云って、あんまり遠くでも意味が無いから、電車に乗って少々揺られ、そ知らぬ風情で街をぶらついて、…

季節

|日々| |本| きのこ採り名人の叔父より、山のきのこは、 ヌメリササダケとアミタケの二種類。 掃除して塩水に浸けた後、大根、豆腐、茄子とで きのこ汁をこしらえる。とろりとしたきのこ汁から 湯気が立つと、ふんわり山の良い香りが。 ふうふう云いながら、椀にふたつも頂いた。 辺りが薄暗くなって、看板の電気を付けるのに 表へ出ると、すっかり肌寒くなった外気に、一瞬 ぶるっと身震いする。道路を挟んだあちら側を、 ふと眺めやれば、Tシャツにミニスカートと云う、 夏の装いの若い女性が、携…

長袖歳時記

|日々| |音| |本| 肌寒い秋雨のそぼ降る木曜日。 起きてすぐ、朝の空気に季節の匂いをかぐ。 箪笥の中から、きつね色のコーデュロイのズボン、 長袖のシャツと、少し厚めの靴下を選んで出すと、 ほんの一瞬。秋の鼻先に手が触れた気がした。 重ね着。セーター。ハシバミ色。 革靴。鉛色の空。こっくり珈琲。 日暮れは早まり、夜が段々長くなってゆく。 [Some Pieces of Rainy Thursday]

家族の食卓

|本| グアテマラの弟作者: 片桐はいり出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/06メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 81回この商品を含むブログ (88件) を見る 女優としてもそうだけれど、片桐はいりと云う人は、 その文章にもまた、独特のリズムと匂いを持って居る。 感傷にべったりするを避け、俯瞰の目でもって、 しかしながら、慈愛に満ちた観察眼は、あくまで 滑稽を装いつつも、悲哀やしんみりを描き出す。 縁在ってグアテマラの人となった、年子の弟。 常に動いて居る…

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