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|音| 間延びした土曜日の昼下がり。 麻紐に沿わせた変化朝顔の細い蔓の先が、 寄る辺を探して、ふらと風に揺れて居る。 ここ数日の残暑から暫し離れた、爽やかな夏の風。 盆の入りを前にしてのことだろか。やけに静かな 様相の一日の中に、薄い眠気がとろり、幾度も訪れる。 横道に度々、自転車の車輪の砂利を噛む音を聞く。 Ese dia va a llegarアーティスト: アグスティン・ペレイラ・ルセナ出版社/メーカー: Celeste発売日: 2004/02/06メディア: CD購入…
|日々| |音| ゆらりとした手触りの朝から始まった、日曜日。 嗚呼、今日もこのまま終わるのかしら。などと 惚けて居たら、午後より次第に人の足が向く。 なるほど。何事もお天気と懐次第と云う訳か。 近頃に顕著な、こうした日々の気紛れに右往左往も 慣れてきたとは云え、やれ浮いたの、やれ沈んだの の繰り返しは、やはり、心穏やかで居られぬもの。 毎日、安堵の心持ちで朝を迎え、夜を仕舞えたなら。 掃除して、窓を拭いて、珈琲を淹れて。 日々のつとめを丁寧に繰り返すことを、軽んじずに。 腐…
|日々| |音| 今頃になって、また季節に騙された。 冷え冷えと細い雨、ひどく肌寒い日が続く。 忘れられ、放っぽり出された一日。 もうじき無くなりそな残りの灯油に火を灯し、 ストーブに寄りかかるよにして突っ伏すと、 何処からやってきたのか。境目の曖昧な眠気に うつらうつら、引っ張られてしまう。窓越しの、 少しけぶった山並みは、薄い濃淡で描かれた水墨画 みたいにして、雨の向こう側にぼおっと浮かんで、 滲んで、それがいつか見たよな風景なものだから、 油断して居ると、吸い込まれて気…
|縷々| |音| 淡々と とつとつと こぽこぽと しゅうしゅうと パラパラと トントンと かたかたと かりかりと 気忙しさの輪から ぽんとはじき出されて こぼれ落ちて 残されたのは 日々の感触 日常の音たち [木曜日 隙間の一枚] Sonアーティスト: Juana Molina出版社/メーカー: Domino発売日: 2006/06/06メディア: CD購入: 2人 クリック: 15回この商品を含むブログ (50件) を見る
…だ後、 少し下がった所からぐるり見渡すと、先週貰って来た ラナンキュラスが、鉢の中に白い蕾を二つ、半分程 開かせて居るのに気付く。昨日は気付かなかったのに。 もうじき。もうじき良い季節になる。 |音| Finding Forrester (2000 Film)アーティスト: Various Artists出版社/メーカー: Sony発売日: 2000/12/28メディア: CD クリック: 7回この商品を含むブログ (2件) を見る 庭仕事の後。春の日の夕暮れ刻に、ぼんやり。
|縷々| |音| 穏やかに過ごせたかと思えば、どんよりと 気の滅入るよなことも在るのが、世の常。 考えはぐるぐると頭を巡って、再び最初へ。 今の自分に出来ることと、出来ぬこと。 見たくない、知りたくないものたちに、 あえて気付かぬふりをして居たり。 ほんの束の間、ざわざわとした煩いから 遠ざかったら、また戻って来よう。 [夜の部屋の一枚]See You on the Other Sideアーティスト: Mercury Rev出版社/メーカー: Beggars Banquet発…
|日々| |音| 両の掌をぎゅっと握ったまま、唇を結んだまま、 ただ黙々と歩き続けて居ても、或るとき、ふと 歩みを休めてみると、知らなければならなかった ことや、考えなければならなかったこと。 本当は気付ける筈だったことなど、 毎日が慌しく流れゆく中で、気を張った背中の ずっと後ろに置いてきてしまった、大切な 小さきものたちと、再び向き合う機会が訪れる。 ささくれ立って、固くなってしまった心に そっと触れ、やがて、やわらかに溶け出す。 確かめたり、留めたり、受け入れたりして、…
|日々| |音| 一月に入ってからと云うもの、いつにも増して ひどく暇な週が続いたりして居たので、さすがに この頃は、かくんとなりそうだったのだけれど、 今日は良く晴れてあたたかとなり、冬眠して居たよに 思えた人びとの足も、この天気に誘われてゆっくり 動き出したと見えて、午前中から人が入り出す。 どう云った訳だか、お若い方もお歳を召された方も、 皆一様に、男性のお客さんの姿が目に付く。 何かを作る計画だろか、二人で話し合って居る人。 深々と本を読み耽る人。こつこつ書き物する人…
|日々| |音| 曇り。雨降り。曇り。雨降り。そして晴れ。 一日の中にめまぐるしい天気は、師走の慌しい匂いを せっかちに漂わせ、往来の車も皆スピードを飛ばす。 景気のせいか、それとも時勢か。一部個人宅の過剰な 電飾などを除けば、クリスマスも間近と云うのに、 何処彼処もいつに無く、地味でおとなしい。 寂しいと云われれば、確かにそうなのだけれど、 地味好きにしてみれば、かえってこの方が好ましいと 思えない訳でも無い。際限無く飾り立てたり、 光らせたりするよりも、人びとや街が新年を…
|日々| |音| 先日、ただ何とは無しに手に取った時刻表を 買い求めてからと云うもの、一旦ぱらりと始めたら これが非常に愉しくて、暇を見付けては読み耽る午後。 一日在ったら、何処まで行って帰ってこられるか。 桐生は完全に日帰り圏内。所用時間、約四時間。 朝早く出立し、途中で二回程乗り換えて。 両毛線は昔、前橋を訪ねたときに乗ったのだったな。 予定にも無く、行くかどうかも知れぬ旅を、 鉛筆片手に、紙の上だけで組みたてる愉しさ。 たかだか六百円の、安上がりで有意義な暇潰し。 [火…
|日々| |音| 三日続きの休みの後は、丸一日がぽっかり空いて、 寒々しい曇り空は、秋と冬の間を行き来する。 午後三時をまわった頃。ドアに小さな張り紙貼って。 「四時半まで留守にします」 三人して、観光ピークの終わった秋の渓谷へ。 散策道手前の駐車場は、がらんとして居て、 他県ナンバーの乗用車が一台だけ。 先週までは出て居た筈の売店の姿も消え、 こんな静寂で渓谷を歩くことに安堵する。 吊り橋の近くまでやってくると、盛りの時期の賑わい とはほど遠い、僅かな人びととすれ違う。 写…
|縷々| |音| つんと刺すよな冷たい空気が降りてきて、知らず知らず 肩をすくめては、両の腕をさすってしまう、帳の頃。 群青色した空に、真っ黒な山の輪郭がくっきり浮かぶ。 寒い寒いと無意識に呟きながら、濃い目の珈琲を淹れ、 落花生を器に一掴み。殻をむいては口に入れ、 ぽりぽりかじって、珈琲の入ったカップに手を伸ばす。 しんとした店内に、かさかさ乾いた落花生の音。 気が付けば、器の中は殻ばかり。 [金曜日の一枚] This River Only Brings Poisonアーテ…
|日々| |音| 郵便受けから新聞を取り出すにも、傘をささねばならぬ。 強い風に背中を押された雨は、勢い良く、寒々。 こんな土曜日は、大抵が緩やかに刻の進むものだ。 数こそ多くは無いけれど、雨の日に訪れるのは、 雨降りにだけ許される憩いを知る人びと。 本を読む人。物思いに浸る人。控え目なおしゃべり。 私は今日、珈琲を淹れ、紅茶を淹れ、パンを切り、 カップを洗い、台所に立ちながら、心の中でそっと、 お礼を云った。雨だからここへ来よう。 そんな風に思ってくれた、憩う人びとに。 […
|縷々| |音| 暗がりの中で目を覚ますも、未だ朝は明けたばかり。 再び枕に顔を埋め、まどろみと現の境に、暫く 行きつ戻りつしながら、いつの間にか眠りに沈む。 日曜日が一体、何だと云うのか…。 次に目覚めたとき、私はそう呟いた気がする。 夢に何を見たのか、殆ど覚えては居らぬけれど、 寝床を這い出してから一日を終えるまで、 寝言とも何ともつかぬ、今朝方の呟きのことなど、 すっかり忘れてしまって居たのを、今しがた、 遠く思い出した。ただ、それだけのこと。 [日曜日の一枚] Giv…
|日々| |音| |本| 肌寒い秋雨のそぼ降る木曜日。 起きてすぐ、朝の空気に季節の匂いをかぐ。 箪笥の中から、きつね色のコーデュロイのズボン、 長袖のシャツと、少し厚めの靴下を選んで出すと、 ほんの一瞬。秋の鼻先に手が触れた気がした。 重ね着。セーター。ハシバミ色。 革靴。鉛色の空。こっくり珈琲。 日暮れは早まり、夜が段々長くなってゆく。 [Some Pieces of Rainy Thursday]
|日々| |音| 秋は何処かに隠れてしまったのだろか。 輪切りにして面取りした大根を、半分からすぱんと、 真っ二つに切ったよな月を見上げて居ると、 鈍い疲れが降りてくる。思考がが止まる。 あんまり気忙しかった昨日と比べて、緩い緩い 今日一日との間に、妙な違和感が横たわり、 何だか手持ち無沙汰な、気の抜けた風な心持ち。 洗濯物を畳んで居ると、夜風に紛れてピアノの音が 聞こえた気がしたけれど、恐らく気のせいなのだ。 [木曜日の一枚] ナット・キング・コールをしのんで ひばりジャズ…
|縷々| |音| 晴れ間から零れ落ちる細い雨は、途切れ途切れに。 間隔を置く内に、気が付けば通り過ぎて居り。 夜になると車の往来は減って、街灯の橙の照らす 湿った路面から、うっすら、霧のよなものが、 ぼうっと浮かんで居るのが見える。 一雨ごとに秋が近付くのを、待つ心持ち。 どれくらい歩いて来たのかを知るには、一旦、 何処かで立ち止まってみるのも良い。 ふと立ち止まって、後ろを振り返ったなら、 いつの間にか、こんなに遠くまで来たのだなぁ、と 感じるだろか。それとも、未だこんな所…
|日々| |音| もはや暴力とも呼べる程の、荒くれ台風様のお通り。 建屋は断続的に揺さぶられ、雨は容赦無く殴りつける。 結局は、まんじりともせぬままに夜明けを迎え、 ほんの僅かの間ばかし、浅い眠りに身を横たえた。 嵐の過ぎ去った後には、不快指数のすこぶる高い、 むせかえるよな暑さばかりが、有難くも何とも無いのに、 置き土産とばかりに残され、はた迷惑な話だ、と うんざりしつつも、金曜日を金曜日として過ごす。 [金曜日の一枚] Everybody Digs Bill Evansア…
|日々| |音| 木綿のカーディガンを羽織る、肌寒い日曜。 空は少しだけ遠くなり、続く季節を手繰り寄せる。 取留めの無い、ゆるりの午後の流れ。 薄く曇った空が、夕刻の蒼に覆われ始める頃。 誰も居なくなった店内で、絵空事の音の物語に 耳を傾けつつ、こっくりとした珈琲を一口。 何と静かで、何と穏やかな夕刻。 [日曜日 静かの一枚] Charmed With Verdiアーティスト: Verdi,Yasuda,Kahle出版社/メーカー: Winter & Winter発売日: 2…
|日々| |音| 残暑の日曜日。つい数日前に感じた筈の 秋の気配は、一体何だったのだろ。 まとわりつくよな湿り気を帯びた熱風。 身体中の力が離れてゆくのを、だらりと感じながら、 夜の訪れるのを待つ、平坦で永いばかりの午後。 窓を隔てたアスファルトの路面から、溶け出したよにして 陽炎がゆらゆらとして居るのを、ぼんやりと眺めやる。 冷房から逃げ出して、台所に越し掛けると、 何処からとも無く汗がじわり、流れてくる。 こんな風な気だるさに、何考えるでも無く、 ただ寄り掛かるだけの心地…
|縷々| |音| 夏の雲間から、コトリ落っこちた午後。 雷と夕立、連れてきた。 雨上がりの寂しさに、 それが何処からやって来るのか。 知り得る術など、勿論 メモ帖に書いてある訳で無し。 ただ独り、ぼんやり立つ夕暮れ。 夏祭りの、ここからは遠い喧騒。 [土曜日 雨上がりの一枚] Finest Hourアーティスト: Astrud Gilberto出版社/メーカー: Umvd Labels発売日: 2001/05/15メディア: CDこの商品を含むブログ (8件) を見る
|縷々| |音| 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打ち際に、落ちてゐた。 それを拾つて、役立てようと 僕は思つたわけでもないが なぜだかそれを捨てるに忍びず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、ボタンが一つ 波打ち際に、落ちてゐた。 それを拾つて、役立てようと 僕は思つたわけでもないが 月に向つてそれは抛れず 浪に向つてそれは抛れず 僕はそれを、袂に入れた。 月夜の晩に、拾つたボタンは 指先に沁み、心に沁みた。 月夜の晩に、拾つたボタンは どうしてそれが、捨てられようか? [火…
|音| 窓硝子にぶつかって離れ、ぶつかって離れするのを、 夜霧に浮かんだ橙色の灯りが、ぼうっと照らして居る。 Five Leaves Leftアーティスト: Nick Drake出版社/メーカー: Hannibal発売日: 1992/05/08メディア: CDこの商品を含むブログ (14件) を見る
|音| ひと匙の雨雲をすくって 珈琲に溶かす午後。 遠くへいったのは 誰の足音だったのだろ。 バッハ:リトル・バッハ・ブックアーティスト: グールド(グレン),バッハ出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル発売日: 2004/11/17メディア: CD クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る
|縷々| |音| 海の匂い。 昨晩より続く雨の中に、漂う潮風の匂い。 こんな天気の日。海と山の距離の近い この辺りでは、時折、山の方にまで 海からの風が届くことが、珍しくない。 道すがら立ち止まり、野菜の入った籠を 別の手に持ち替えて、深く息を吸い込む。 少し湿った空気は、馴染みの在る匂い。 けれど私は、夏の盛りの海が 好きではない。季節の外れた海や、 薄曇りの天気の海の方が良い。 夏の終わりの海もまた、捨て難い。 [雨降りの金曜日の一枚] A Distant Shoreアー…
|日々| |音| 夏を思わせるに充分な一日に、空気が 澄んでいれば、尚のこと心地良い。 そんな折、知人より一本の電話が届き、 思いがけぬ風景を目にする事になった。 くっきりとした空。黄色い太陽の周りを、 まあるく囲むよにした虹の輪は、今までに 出遭ったことのない、不思議な眺めで、 額に両の手をかざしたけれど、眩し過ぎて、 それでもなかなか直視できない。幼い頃、 日食を見る為に、溶接用のマスクをかむって いつまでも眺めて居たのを、ふと遠く思い出す。 虹の輪は、それから暫くの間続…
|縷々| |音| グラノーラと冷たいミルク。 朝に飲む一杯の珈琲。 日曜日、午後への入り口は曖昧で、 この一日の全てを予測することは 恐らく、できない。 あなたにも。 私にも。 誰にも。 [Some pieces of Sunday]
|雑記| |音| 限り無く不本意なる一日。 けれども、見知らぬ人の残した、 何気無い一言に触れ、少しだけでも、 労の報われた思いがする。 仕事を終えて部屋に戻るや、どっと 鈍い疲れが押し寄せ、放心から暫し 解放されぬまま、刻だけがただ、 のろのろと過ぎてゆく。誰かが云ったよに、 無駄な一日など、何処にも無い筈だけれど。 嗚呼。私は何をしたいのだろ。 [水曜日の一枚] 愛するマンゲイラアーティスト: カルトーラ出版社/メーカー: BMGインターナショナル発売日: 2001/09…
|日々| |音| |本| 巷では連休が始まったせいだろか。 車やバイクの往来が頻繁で、店は 昼前から一時活気づくも、午後になって 俄かに山の方が、どんより厚い雲に覆われ 始めると、間も無く、雷鳴と共に大粒の雹が、 バラバラと大きな音をたてて降ってきた。 やがて雹は雨に変わり、午後は途端、 ひっそりとした静けさに包まれる。 こんな天気の日に読むのは、須賀敦子。 全集の第七巻は、日記の部分を拾い読みする。 静けさは刻が経つにつれ、やがて季節はずれの 冷ややかな空気を伴って、帳を下…
|日々| |音| 日々のささやかな積み重ねは、未だ、 大きな実を付けるには至らないが、 少しずつ、本当に少しずつゆっくりと、 けれどもそれは、確かに育って居る。 人知れず、そんな手応えを感じた日には、 幾度と無く繰り返される不毛にも、恐らく 何かしらの意味は在るのだ、と、 小さな希望を心に灯すことが出来る。 それはもしかすると、誰かの悪戯で、 明日にはまた、いつもと同じよに 気落ちすることになるかも知れないけれど。 それでも良いさ。毎日は新しい。 [土曜日の一枚] Every…