双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

二月 道を歩く

|日々| |音|


両の掌をぎゅっと握ったまま、唇を結んだまま、
ただ黙々と歩き続けて居ても、或るとき、ふと
歩みを休めてみると、知らなければならなかった
ことや、考えなければならなかったこと。
本当は気付ける筈だったことなど、
毎日が慌しく流れゆく中で、気を張った背中の
ずっと後ろに置いてきてしまった、大切な
小さきものたちと、再び向き合う機会が訪れる。
ささくれ立って、固くなってしまった心に
そっと触れ、やがて、やわらかに溶け出す。
確かめたり、留めたり、受け入れたりして、
一回深く呼吸をしたら、また歩き出す。
冬の鉛色した空の下、ささやかに、探す。


[金曜日の一枚]

MISSLIM

MISSLIM

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