双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夜を紡ぐ音

|日々|


仕事を終え、自宅へ戻ってやや暫くすると、
突然に風が強くなってきて、サッシ戸に叩きつける。
ゴーともビューともつかぬ、唸るよな音。
編み物も一段落した夜は、些かの手持ち無沙汰で、
取り込んでおいた洗濯物を畳みながら、
明日に着る洋服など準備する。今日一日は
どんなだったろう。冷え冷えとした雨は、
もう止んで居るのだろか。湯を沸かして
夜のお茶を淹れる。冷たくなった指先に、
やがてじんわりと熱が伝わり、香りのついた湯気が
鼻先までのぼってくる。ただ、ぼんやり、
風の唸り声を聞く。もうじき日付が変わる。

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