双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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実用と有意義な暇潰し

|本| ロープワーク・ハンドブック Outdoor作者: 羽根田治出版社/メーカー: 山と溪谷社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 25回この商品を含むブログ (7件) を見る 私がロープワークを覚えたのは、もう随分と遥か遠い昔のことである。ロープを束ねておくときの ”エビ結び”。 ”もやい結び ”や二つの紐を繋ぐときの ”テグス結び” など、今でも日常生活の中で自然と使って居る幾つかを除けば、”筋交い結び” やら ”南京結び” なんての…

捕らぬ羊の毛算用

|本| |手仕事| 待ち遠しかったぞ!編みものワードローブ作者:三國 万里子発売日: 2010/09/16メディア: 大型本 去年の散々世話になった 『編みものこもの』 から一年。 ”ワードローブ” の名の通り、小物だけでなしに、 セーターやカーディガンまで。何処を切っても実に 三國氏らしい、ぴりりの絶妙に効いた作品を集めた、 是また素敵なテキストが、今年も出たのでありました。 先ずはざっと見て、それから一つ一つをじっくりと。 毛糸で刺繍を施したものが幾つか。刺繍は不得手で …

女学生手帖

|回想| |本| |音| 先日、鳩山郁子氏について書かれた非常に興味深い考察 →■ を読み、ふむふむと深く頷く。氏が実は、ステレオタイプな少女漫画の洗礼を殆ど受けて居らぬこと。それ故なのか、既存の漫画の枠に自身の描きたいものが当てはまらず、やがて 『ガロ』 にそれを見出したこと。編集者であった父上の影響で、手塚治虫やつげ義春、水木しげるなどを読んで育ったこと、などなど。また、その作風や構造に関しても (足穂は云わずもがなだけれど)、既存の漫画そのものからよりも、むしろ当時のニ…

This day

|本| いったいどれ程ぶりの雨だろう。 うねる気圧に鈍い眠気が呼応する。 ”本当の眠気” には未だ遠い。 「ひとつの壁が隣の壁になんて言ったか?」 「角のところで会いましょう!」 そう。あのお話でも雨が降って居た。 ナイン・ストーリーズ (新潮文庫)作者: サリンジャー,野崎孝出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1974/12/24メディア: 文庫購入: 14人 クリック: 112回この商品を含むブログ (251件) を見る

先生と怖いお話

|小僧先生| |本| The Gashlycrumb Tinies作者:Gorey, Edward発売日: 1997/10/01メディア: ハードカバー 先月のと或る日。不意にお泊りにいらした先生が、扉付きの本棚に立て掛けてあった、一冊の小さな絵本へ目を留めた。エドワード・ゴーリーによる、大人のためのダークな寓話 『The Gashlycrumb Tinies Or, After the Outing』 である。絵本と云ったって何しろ、「A is for AMY who fe…

ロールパンは温かく、甘かった。

|本| 大聖堂 (村上春樹翻訳ライブラリー)作者:レイモンド カーヴァー発売日: 2007/03/01メディア: 単行本 『ささやかだけれど、役にたつこと』 世渡りに草臥れ、世知辛さに辟易となっても。 この短い物語の頁をめくる度に、想う。 何処かの町の名も無き心善き人が、 ”ささやかだけれど、役にたつこと” に 日々をこつこつと費やして居ることを。 そして私自身も又、そうありたいと。 両の掌で、野の草の栞をはさむよに、 そっと。心へ留めなおすのだ。 哀しい物語の終いに灯った小…

遠い列車の音でめざめると、ママがいなかった。

|本| |回想| アメリカン マヨネーズ ストーリーズ作者: 秋山晶出版社/メーカー: ビジネス社発売日: 1997/11メディア: 大型本 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る その昔、キューピーには 「アメリカンマヨネーズ」 と云う商品が在った。パッケージは薄い青。塩気も酸味も抑えた軽やかな味と、何より、雰囲気の在る洒落たCMや広告がひどく気に入って、主にサンドウィッチのためだけに、冷蔵庫へ買い置いてあったのを憶えて居る。そもそもがそれほどポピュラー…

夜風

|縷々| |本| 喉の中頃が何やらいがいがとして居て、 その上、頬の辺りもがざがざと乾いて 水っ気が薄く、どうも塩梅が宜しくない。 季節がちいとも季節らしい顔とならず、 照ったり降ったり曇ったり。はたまた やれ寒いの、やれ暑いのとなれば、 まぁ無理も無いことか、と髪を梳く。 尖ったお月さんの真上に、煌煌と星ひとつ。 まるで何処かの国旗みたいだな。 間抜け面の頬杖。無粋なくしゃみ。 須賀敦子全集〈第7巻〉どんぐりのたわごと・日記 (河出文庫)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: …

静かの緑

|本| 僅かの晴れ間のさあと去らぬうちに、 窓の外へ、瑞々しい山の緑を眺めやる。 今年は未だ、山靴を履いて居ない。 山のパンセ (集英社文庫)作者: 串田孫一出版社/メーカー: 集英社発売日: 1990/06/20メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (7件) を見る

春の阿呆

|本| ここより臨む山の頂が白い。聞くところによれば、 積雪凡そ二十五センチ。不穏な色した分厚い雲が 山肌をゆっくり、ぬうと滑るよにして降りて来る。 北からの風は滅法冷たく、辛うじて覗いて居た 空がすっかり是に覆われてしまうと、間も無く 雨を降らせ始めた。季節は確か春、の筈であるが。 全く誰の仕業であるものか。知りたいものだ。 新版 指輪物語〈8〉王の帰還 上 (評論社文庫)作者: J.R.R.トールキン,J.R.R. Tolkien,瀬田貞二,田中明子出版社/メーカー: 評…

香り草入り兎肉シチュー

|本| 春の奴め、油断した途端にすっとぼけやがって。 気温、一桁。寒さに手はかじかみ、肩は強張る。 そんな訳だから、当然客足も遠退き疎らだもので、 頁をめくる時間にだけは事欠かぬ。皮肉なものだが、 抗ってどうにかなる、と云うものでもあるまい。 新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下 (評論社文庫)作者:J.R.R. トールキン発売日: 1992/07/01メディア: 文庫

思春期よ永遠なれ

|雑記| |本| J.D.サリンジャー逝く。享年九十一。 かりに十万回行ったとしても、エスキモーはやっぱし二匹の魚を釣ったままになってるし、鳥はやっぱし南に向かって飛んでるし、鹿も同じように、きれいな角とほっそりしたきれいな脚をしてあの水たまりの水を飲んでるはずだ。それから胸をはだけたインディアンの女も、相変わらずあの同じ毛布を織り続けてるだろう。何一つ変わらないんだな。変わるのはただこっちのほうさ。 ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)作者: J.D.サリンジャー,野崎…

地味好み

|手仕事| |本| 編みものこもの作者: 三國万里子出版社/メーカー: 文化出版局発売日: 2009/09/01メディア: 大型本購入: 12人 クリック: 117回この商品を含むブログ (52件) を見る 昨冬初めて取り組んだ編み込みも、帽子や手袋などの小物を 幾つか仕上げる内に、随分と慣れてきた。あれだけ敬遠して 取り組まずに居たと云うのに、今ではあの地道な作業過程が 愉しくて仕方無いのだから、人とは実に不思議なものである。 現在本書より、二つ目のフェアアイル柄ベレーを製…

霧のむこう

|電視| |本| 先週末に放送された 『須賀敦子・霧のイタリア追想』。 後からゆっくり観ようと想ったのだが、今回も録画に失敗。*1とは云え、こんなことも在ろうかと、当日はちゃんとテレビで放送を観て居た。番組自体は、須賀敦子と云う女性の人生を、ざっと早足で辿った内容で、生前の須賀を知る人々が彼女を語り、ナレーションと映像と。その合間に作品の朗読が挟まれる、と云った風。しかしながら、たったの一時間では、やはり物足りなかった気もする。できることなら、一時間の一回きりでは無くて、フラ…

季節

|本| |モノ| ムーミン谷の十一月 (講談社青い鳥文庫 (21‐8))作者: トーベ=ヤンソン,Tove Jansson,鈴木徹郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 1984/10/10メディア: 新書購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見る 十月も半ばの頃となると、いつも決まって読みたくなるのが このお話なんだな。嗚呼。ともすると、冬以外の季節はずっと、 冬の来るのを待って過ごして居るよな気がする。何故なら 冬にまつわるあれこれの想いを、心に仕…

ピリリの塩梅

|本| こんな素敵な編み物本が出て居ましたヨ!*1 編みものこもの [ 三國万里子 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > ライフスタイル > 手芸 > 手芸ショップ: 楽天ブックス価格: 1,404円 表紙の色味や佇まいも、作品の写真も素敵。 しみじみとかあいらしい中にも、ピリリが 丁度の塩梅に効いて居て。(ここ重要です!) 編み込みのミトン、帽子にマフラーと靴下も少し。 早速にでも編みたい小物が幾つか在って。 嗚呼。何て愉しいのだろ。そわそわする。 確かに是は、編み物のテキ…

そうら、こんどはぼくの影法師はコムパスだ。

|本| |雑記| 新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1989/06/19メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 134回この商品を含むブログ (269件) を見る お盆の情緒に心を寄せつつも、其処から遠ざかって久しい。 今年は父方の祖父の新盆であったから、手伝いに一日だけ店を 閉めたけれど、そこは新盆だけに、日がな接客にお勝手仕事にと忙しく、 葦簀の陰。縁側へ寝そべって、風鈴の音を耳に文庫本…*1などと、 悠長にのんびり過…

Blackhole Sun

…るのと同じよに…。 |本| 方舟作者: しりあがり寿出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2000/12/01メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 30回この商品を含むブログ (41件) を見る世界のお終いって、どんな風なんだろね。 尤も。 世界が終わるよか先に、自分が無くなって居るんだろうけれど。 *1:かのジョン・ウォーターズ氏は、その幼少期。廃車置場に無残な事故車を眺めたり、超満員のスタジアムが崩落する様を想い浮かべては、何ともうっとりと甘い心地に…

夢の緒

|雑記| |本| 弥次喜多in DEEP (1) (ビームコミックス)作者: しりあがり寿出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2000/06メディア: コミック購入: 1人 クリック: 18回この商品を含むブログ (33件) を見る弥次喜多in DEEP (8) (ビームコミックス)作者: しりあがり寿出版社/メーカー: エンターブレイン発売日: 2003/01メディア: コミック購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (9件) を見る 知人に、しりあが…

紙の上

…す。でも、もし「小屋」へ移るとしたら。多少の躊躇は在るでしょうが、案外と余計なモノを潔く始末できるのではないかと想うのです。身の丈に合った大きさの小屋、身の丈に合っただけのモノ、そして身の丈に合った暮らし。何故小屋に惹かれるのか?の答えは、恐らく私の「身の丈」が、小屋そのものだからなのかも知れません。 |本| 住宅巡礼作者: 中村好文出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/02/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (15件) を見る

勉強

…し上げることで、着た人に喜んで頂くと云うのは、実に実に有難いことである。 |本| DVD付 手ほどき七緒 大久保信子さんの着付けのヒミツ (七緒別冊 プレジデントムック)プレジデント社Amazon大久保先生直伝のコツが大変に分かり易く、初心者さんからベテランさんまで納得のゆく内容に、成る程ねぇと目から鱗の一冊。痒い所に手の届くあれこれが満載なのだが、どうして今まで知らずに居ったものか、帯をねじらぬ(結ばぬ)お太鼓はすっきり姿好く仕上がる上、これなら大切な帯も傷まないものなぁ。

人が心に想うことは誰にも止められない。

|本| あなたに褒められたくて作者: 高倉健出版社/メーカー: 林泉舎発売日: 1991/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る 以前に読んだ沢木耕太郎氏との対談*1から続く、健さんへの疑問がこれで晴れるかも知れぬ…との想いも在って読んでみる。ところが、是で益々分からなくなってしまった。否、うっすら分かった気もするのだが、どうやら健さんは、彼にしか持ち得ぬ思考回路と云うのか、言語感覚と云うのか、兎に角そう云うものでもって世の…

いつもなら僕は汽車に乗るのが好きなんだ。ことに夜の汽車が。

|徒然| |本| 季節に、日々に。 挨拶に交わす天気の話などと云うのは、 くだらない、つまらない。と云う人が在るけれども、 果たしてそうだろか。確かに、天気の話は当り障りの無い 話題として口にし易く、故にありふれて聞こえるから、 それを聞き指して、つまらぬくだらぬと云う人たちの 心中は満更、分からないでもない。一体、歳若い頃の 私自身がそうであった筈ではなかったか。 天気の話などして、深刻に受け取る者など居やしない。 芸の無い、ただの使い古されたご機嫌伺いじゃないか、と。 し…

そして丘をおりてゆく

|縷々| |本| 伸びた爪を切るのはいつも、夜。 夜爪はいけない。親の死に目に遭えぬ。 そう云う類の迷信を頑なに信ずるには、 随分と薹が立ち過ぎただろか。 終いに、指先をふうっとやる。 ― だれでも一度は丘を降りなければならない ― 丘を見つけた人だけが、その声を聞く。 それは、再び戻ることを許された人。 自分にぴったり合う靴を履いた人。 どこまでも歩けるよに、 きっちりと足に合った靴。 約束は、永い道の途上でも寄り添う。 かけがえの無い、小さな灯のよに。 けれども私は、丘を…

女の着物

|着物| |本| 幸田文 きもの帖作者:幸田 文発売日: 2009/04/07メディア: 単行本 ざらりの質感と厚みのある表紙は、着物を想わせるつくり。 背筋を正して手にすると、頁をめくる度、綴られた言葉のひとつひとつより、 凛と律した所作や着姿、衣擦れの音がはっきりと浮かんでくる。 しゃりとした佇まいが心地良い。 着物を語る言葉の数々は、ときに厳しく、ときにゆるやか。 また、潔さを伴えば、執念とも呼べる欲を含めたりする。 幸田文と云えば縞のお召だけれど、私の箪笥にもやはり、…

一撃必殺珈琲

|戯言| |本| 日々に何かが足りない。明らかに、足りて居ないのです。 サイフォンを見つめる目が、些か虚ろな今日この頃。 時々、ふと魔が差したよに、自分が何故この仕事を して居るのか、分からなくなるときがあるのです。 竹べらを握る我が右手にも、魂の炎は燃えるでしょうか? 炎尾先生・・・。俺、何だかもう眠いです・・・。 吼えろペン 1―Comic bomber (サンデーGXコミックス)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2001/08メディア: コミック クリ…

思い立ったら

|暮らし| |本| 台所道具の楽しみ (とんぼの本)作者:平松 洋子メディア: 単行本 是だったかなぁ。否、違う気もするなぁ。 半分訝しがりつつも、巻末に包丁の砥ぎ方を見付けたので、 先ずは手始めにペティナイフから、倣ってやってみる。 砥石を桶に沈めて充分に水を含ませた後、手拭いの上へ。 十円玉三枚分を、このくらいと頭に浮かべながら、些か ぎこちない手付きでしゃこしゃことやる。表、刃先、裏。 途中で水を打ちながら、順番に。要領を得て、二丁三丁と。 出刃も含めて全部で五丁。仄か…

死に場所を見つける

|本| 貧乏だけど贅沢作者:沢木 耕太郎発売日: 1999/02/24メディア: 単行本 沢木耕太郎氏の対談集を読む。聞き手が沢木氏だから、話の軸は旅にまつわるものなのだが、話す人の分野によって、またそこだけにとどまらぬのが、其々に興味深いところ。プロ雀士・田村光昭氏との対談では、麻雀行脚時代に、漁港町の鉄火場まがいの所へ出掛けて打って云々だとか、年間の稼ぎのロスを博打で補うため、年間計百日以上はマカオに滞在するだとか。 「よく殴られたりしましたよ。いきなり広東語で怒鳴りつけ…

はぐれはぐれて最果ての

|戯言| |本| 信念を曲げてまで、得るものとは何か。 そうして得られるものとは、果たして それだけの価値の在るものなのか。 そもそも、信念とは何なのだろか。 アァ、そうさ。そうともさ。 世の中のあれもこれも。 都合の悪いことは、全部オレのせいだよ。 むにゃむにゃむにゃ…… 未熟者が己の未熟者たる所以を、否応無く感じるときと云うのは、 こんなくだらぬことを、今更、ぐだぐだと考えて居るときである。*1 東京するめクラブ 地球のはぐれ方作者: 村上春樹,吉本由美,都築響一出版社/…

茶菓子の味

|本| 日日雑記 (中公文庫)作者: 武田百合子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/02/01メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 66回この商品を含むブログ (98件) を見る ここ二日ばかりの場違いな陽気に、ついうっかりと 性根の温んだところへ、そら!阿呆が見たか!と 意地悪く嘲笑うかのよな北風が、暴々荒れ狂っては 屋根に壁にと、所構わず叩き付ける、春の夜。 老猫と二人。布団に潜り、苛々身じろぎながら、 まんじりともせぬまま、虚ろな朝を迎えた。 俄か春と…

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