双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

|雑記| の検索結果:

爺さんを、編む。

|雑記| 先月頃より、電脳箱に入ったままの爺様の写真について、種々思案して居た。先ずは当たり前に、写真屋に出してきれいに焼いて貰い、何か塩梅の良いアルバムを求めて納めることを考えたのだったが、この塩梅の良いアルバム、と云うのがなかなか見付からずに、已む無く頓挫。さて、どうしたものか。とあれこれ調べ回るうち、フォトブックなるものの在ることを知る。ブックと付くからには、概ねが印刷された一冊の本様の体裁で、云わば一寸した写真集のよなものか。仕上がりや仕様、価格などは会社によりけりだ…

ホームセンターの女

|雑記| 「この間、ホビちゃんが○○の辺りに居るの見たよ」 ここ数ヶ月の間に、四五人の口から同じ言葉を聞く。 ちなみに○○と云うのは、ホームセンターの名である。 それ程頻繁に訪れては居ないのだが、こう続けて 目撃情報が寄せられるものだから、人々の間では、 ホビさんはしょっちゅう行って居る、みたいに思われて、 その結果としてどうやら、私はホームセンターが非常に 好きなのだ、と云うことになってしまって居るのらしい。 月に一度行くか行かぬかの場所だのに、それをよっぽど 好きなんだね…

白黒写真

|写眞館| |雑記| 或る日、何とは無しに若旦那の写真を見て居たら、何故だか色付きばかりで、白黒の写真の殆ど無いことに気付いた。爺様が白黒だったから若旦那は色付き、と云う程度の。別段意図もせぬままに写して居たのだろうが、妙なものだなと想う。どれ、と後日。昼寝中の若旦那に一声掛けて、気紛れの試しに白黒で撮ってみたのだけれど、是には実にはっとさせられた。何と説明すれば良いものか。つまり、その場、そのとき、其処に在った筈の心情や手触り、温度のよなもの。距離と眼差し。もしかすると私自…

双子

|雑記| 双子の青年を見た。 歳の頃、恐らくは二十歳前だろか。 双子自体は取り立てて珍しい存在で無いけれども、 私が思わずぎょっとしたのは、この二人の青年が、 文字通りの上から下まで。寸分も違えず全て揃いで 居たからであった。子供の双子が揃いのなりをして 一緒に居るのは、しばしば見掛けるものだが、もう 十分大人に近い青年が、服装は元より靴、鞄、髪型、 細かな色に至るまで、全て二人で揃いと云うのは 極めて稀な、非現実的な眺めである。それはつまり、 こちらの背筋をぞくりとさせるよ…

襟足に北風

|雑記| ほぼ二ヶ月ぶりの散髪に出掛ける。いつもと同じく、 前髪は眉下。耳をすっかり出し、襟足は程好く刈上げ。 散髪中に、白髪の塩梅について訊ねてみたところ、 一部集中型では無く、全体にバランス良く分布して 居る旨を告げられ、ホホホと満足。我ながら酔狂と想う。 心身ともにさっぱりとし、しかしながら、身支度に襟巻き の類を加えなかったため、帰り道の襟足と云ったら ひどくすうすうとして、是には参った。折角出掛けた ついでと、気分も宜しいのと。薬局の化粧品売り場にて 色付きの薄い口…

|雑記| 今年もまたひとつ歳を重ね、本日をもっていよいよ 四十も間際。坂道も所謂、九の坂まで行き着いた。*1 そもそもが、掻き分けた頭髪の中へ白いものを 見付けては、くつくつと喜んで居るよな質であるから、 年齢云々関しては、些かもナーヴァスな心情を持った 試しも無く、むしろ愉しみで仕方が無いくらいである。 しかしながら、そろそろ歳相応の落着きと云うのを 身に着けねば、折角の四十代に申し訳が立つまい。 九の坂は苦の坂。身体的にも精神的にも、丁度 ここいらがしんどい辺りなのだろか…

冷たい水曜日

|雑記| |音| 朝、目が覚めた布団の中。空に鉛色の予感がして、 身震いしながらカーテンを手繰ると、きんと冷えた 窓硝子越しに、雪でも降るよな空気が満ちて居た。 恐る恐る蛇口を捻ると、水は小さくしゃりと音を立て、 僅かな戸惑いの後、流れ出る。指先の感覚が失せる。 仕事場で珈琲を淹れながら、ぼんやりと外を見やれば、 南と西。両方の山向こうが白くけぶって、薄い雪を 降らせて居るのが分かった。暗い雲と共に、もうすぐ こちらへ辿り着くのだろか。けれど程無く訪れたのは、 霙がかった冷た…

新しいリズム

|雑記| いつもなら、大晦日と元旦は実家へ戻って過ごすのだが、 この度は自宅に居て、骨壷に納まった爺様と若旦那とで、 水入らずの年越し。しみじみと過ごす、行く年来る年。 主の目を盗んでは、遺影に供えた水を飲む若旦那を、 あっちの爺様は、如何な心持ちで眺めて居るのやら。 本来ならば拙宅は喪中だから、正月は無いのだけれど、 一寸だけ特別なカリカリをお供え。手を合わせた後の お下がりを、食欲も旺盛な若旦那のおせちとした。 こうしてまた迎えた新しい年。 新しいリズムで日々が動き出して…

由無し事

|雑記| ■気になって居た散髪をようやく済ませて、年の瀬を清々と。寒くとも刈上げ、耳も出す。 ■若旦那、もとい坊やが、隙を狙っては頭髪をかじりに来るので大変に困る。特に前髪へは執拗な執着を持って飛び掛って来るので、奴さんの目線が主の目玉の位置からやや上方にズレ、顎を引きながら小首を傾げ始めたならば、こちらは咄嗟に防御の構えをとるのだが、先日は不覚にも早朝の寝込みを襲われ、無残。額、頬など数箇所に赤い爪痕を負う。洗面所で鏡を覗き込めば、それはもう、石田国松であった。 ■映画を観…

Like learning to wear a ring or a pair of eyeglasses

|雑記| あいつが彼岸へ旅立って、一週間。宙ぶらりんになった夜は、静かに編み針を動かして過ごした。こんなとき、私に編み物が在って良かった、と想う。昨日は偶然日を同じくして、長屋のご近所さんから素敵な葉書が届いたり、素敵な贈り物が届いたり。お心遣いをどうも有難う。初七日終わるまで、一寸ばかり留守にして居りましたが、またひとつ。宜しくお願い申し上げます。 Give yourself time, Arnold. It gets better... But, Arnold, it n…

花発多風雨 人生足別離

|雑記| 今朝方届いた訃報に、今年の春の頃を想い出した。 そちらは、東京より震源地に近く揺れも大きかったようで、心配していました。 その後、ネットも復活しお店も再開したとのことで、まずは安心しました。 こちらは、幸い停電区域からも外れて普段と同じ暮らしができています。 今日、井の頭公園に行ってまいりました。辛夷の花が満開。 染井吉野はまだ2分から3分咲きといったところ。 それでも気の早い人はドンツクやっているんですねぇ。 ホビさんが満開の桜を見上げながら、ひと息つける日を願っ…

無花果

|雑記| 知人より、無花果の自家製コンポートを頂戴した。 シロップに浸かった一口大の小ぶりな無花果は、 所謂”はねモノ”であるが故、不揃いで不恰好で、 お世辞なりにも美味しそうと見えなかったのだけれど、 指先に摘み上げたのを、奥歯で恐々噛んでみると、 てっきりシロップの汁気を含んで、とろり、やわらか となったのを想って居たところへ、意外な程しっかり 確かな果肉の食感と、噛む毎ににじみ出て広がる、 上品な薄甘さが堪らず、もうひとつ。もうひとつ。 はたと気付けば、一人で平らげてし…

お裾分け

|雑記| 件の脹脛であるが、鍼灸院の先生も驚愕の恐るべき 自己治癒力により、ほぼ回復。普段の食事内容やら、 特別な運動の有無など訊かれるも、是と云って何も 思い当たらぬもので、答えに困ってしまう。先生曰く、 筋肉の質が良いことに加え、元来持って居る免疫力 やら治癒力やらが、普通の人と比較しても極めて高い のだろう、と。成る程。そう云われれば、傷の治りも 血の止まりも早い体質ではある。この無駄に高機能な 治癒力のせめて半分でも良いから、爺様へやれたらな。 もしやこの掌で、爺様の…

夏休み

|雑記| 遅足の台風が近付くに連れ。首から肩の辺りがすっきりせず、 お天道様は照れども、じっとりと纏わりつくよな湿気に辟易となる。 八月の終いの空には、もくもく。所々を黒くした分厚い雲ばかり。 通りを歩くひょろりの中学生。テニスのラケットを肩に乗せて居た。 日焼けの中にもうんざり顔なのは、この不快な陽気の所為だろか。 それとも、長かった夏休みが終わってしまうからだろか。 とうとう?ようやく? 私が中学生の頃の夏休みは、コーラスの部活動ばかりだった。 なまじっか強豪校であったが…

ハンサムが逝く

|雑記| 俳優・竹脇無我氏の訃報に、箸が止まる。 享年六十七。 原田芳雄が逝ったばかりじゃないか。 嗚呼。 このまま、あと十五年かそこいらもすると、 日本から「俳優」と「女優」は消滅してしまうよ。

ホビッツの訪問

|雑記| 四年ぶりに里帰り中の、NZへお嫁に行った友人 Chiちゃんが、旦那様と嬢ちゃん二人を連れて、 暑い中訪ねて下さった。嬢ちゃんたちは相変わらず ホビッツみたいで、実にかあいらしい。サイフォンに 興味津々なお姉ちゃん。社会勉強ね、と珈琲淹れ させてあげたら大喜びで、妹のおチビちゃんは*1、 こぼれ落ちそなまん丸お目目で、それを羨ましげに 見て居たの。お姉ちゃんは、色々となりたいものが 多過ぎて、大きくなったら何になろうか思案中とのこと。 「スポーツも好きだけど、ケーキ屋…

雑感

|雑記| ■ここのところずっと、ドキュメンタリと云えば、太平洋戦争関連の番組。映画と云えば、第二次世界大戦は独逸モノばかりを観て居るよな気がしてきた。その所為なのか。ぼんやりして居ると、瞼の裏に、ゲートル巻いて背嚢担いだ兵隊さんだの、国防軍のオーバーコート着た素敵小父様の姿がちらついて、いけない。 ■母方の祖父は、工業用鋸の技師として満州に渡ったが、優秀な技術者であったため、戦には駆り出されずに済んだ。引き上げ後は暫く、大阪は大正区の長屋に住まって居た。父方の祖父は陸軍兵とし…

夏の御挨拶

|雑記| 残暑お見舞い申し上げます。 長屋の皆様。この夏は、如何お過ごしでしょうか。 西瓜と素麺の美味しい季節ではありますが、 くれぐれもお腹など冷やし過ぎませぬよう。 健やかな良き夏を…。 +++ ええと、恐らく初登場ですか。 拙宅の爺猫・アーロン氏からもご挨拶を、と思ったのですが… 今日も今日とて、斯様な調子でグウスカピーでして。 こう暑いのでは無理もありませんが、声を掛けてみましたところ、 さも大儀そうに尻尾の先だけで、ぱさと払われてしまいました。

口紅

|モノ| |雑記| 顔立ちの所為*1もあってか、平素殆ど 化粧らしい化粧をしない質ではあるのだが、 目元をちいといじったり、口元へ少しばかりの色味を 足す程度なら、最低限の身嗜みとする。 先日、出先で薬局へ立ち寄った折、ふと現在使って居る、 薄い色付きの薬用リップスティックが、そろそろ 無くなる頃であるのを想い出して、口紅をひとつ 買い求めることにした。しかしどうだろう。 ずらり並んだ見本の色をじいと眺めれば、 ベージュにピンク、レッド系等々。 口紅ひとつをざっと軽く見積もっ…

土曜随想

|雑記| 細い雨に纏わる冷えた湿り気が、午後の針の進むに連れ、 何処からともなく白く濁った重たい霧を運んできて、 やがて僅かばかりの日が落ちると、不思議と明るい 群青色の宙の中に、家並みや電柱、路肩の車など。 形在るものを影絵の黒で浮かび上がらせる、と云う 印象深い景色が出現し、気付けば自我を離れて只、 ぼんやりと是に見入りながら、馴染みの在る今朝ほどの 小さな失望など再び想い起こして、ふと可笑しくなった。 土曜日の朝の来るたびに、この日が休みであったなら どんなにか素敵だろ…

よき貧しさへ

|雑記| 本日付の読売新聞朝刊は文化面に、作家の池澤夏樹氏が被災地を訪ねて寄せた文章を見付けた。 「よき貧しさの構築が課題」 と云う太字の上には、瓦礫の中で遠くを見つめる氏の写真が添えられ、気が付けば幾度も幾度も読み返して居た。淡々としながらも、ずしりと重い。抜粋してここに紹介したいと思う。 翌日の朝、ぼくは仙台市若林区荒浜にいた。見渡すかぎり住宅の残骸と瓦礫が広がっている。とても静か。震災から四週間近くたって整理はひととおり済んだのか、ほとんど人はいない。聞こえるのは潮騒ば…

活動日誌(終)

|雑記| そろそろ自営業メンバーたちの仕事が再開することも在り、一先ずは本日をもって我々の活動も終了となる。事務所は一旦閉まるが、これから先も暫くは残務整理や物資の管理などが続く予定。ライフラインが全面的に復旧し、瓦礫が撤去され、人々の衣食住が次第に整いつつある現在、震災直後の第一段階を目的とした我々の役割は、我々なりに果たしたと思う。後は、行政によるインフラの復旧整備等に移る段階だ。 数日前、会長が市長よりボランティア活動への協力を受けて来たことは、既に書いたと思う。しかし…

活動日誌(2)

|雑記| 店の片付けをした後、昼過ぎに事務所へ行くと、役所の物資仕分けを手伝いに行って居たメンバー数名が、丁度戻って来たところであった。高校生の女の子が、カリカリして居るので話を聞くと、役所の職員の手際があまりにも悪いので、思わず指導してしまったと云う。「もう、最後にはキレちゃいましたヨ!」 女子高生に指導される大人。話によれば、今回の仕分けは、独居老人に限定された物資配給のためだけのもので、今日の作業は物資の幾つかを袋に詰めるだけ。翌日、市内の独居老人の所在を地図に落とした…

活動日誌

|雑記| 市民ボランティア発足三日目。我々は市が管理するボランティアではない。あちらが十分に機能しないことに痺れを切らした市民有志が、あくまでも自主的に全くの手弁当で活動して居るのだが、社協の募集に個人で登録をしたものの、何やら埒があかないと云うので、より自由に動けるこちらの事務所へ移って来た人も居る。とは云え、市の災害対策本部と連携しながらの活動である。会長が市議と云うこともあり、本部との頻繁なやり取りの殆どを会長が執り行って居るが、本部は何かと対応が遅く、結局はこちらで判…

六日後

|雑記| 本日、市民による市民のための市民ボランティアの立ち上げ。役所に留まったままの情報を、いち早く地域住民に知らせること。同じく留まったままの物資を配給すること。一人住まいの高齢者や、地域と繋がりの薄い人々ら、孤立して居る世帯の把握を急ぐこと。主に町場の消防分団員や飲食店組合若手などが中心となって、たった一晩で発足に至った。役所にこの迅速さは望めまい。当面は社協・対策本部と連携して動くことになりそうだが、明日以降になってみないと、詳細が分からないとのこと。勿論、予算など出…

五日後

|雑記| 大地震から五日が経過し、我が町も少しずつ、徐々にではありますが落ち着いて参りましたので、近況を記しておこうと思います。 崩落した屋根にビニルシートで応急処置を施した家も目立ち、同じく崩落して道路のあちこちを塞いで居た石塀も、一先ずは路肩へ寄せられ通行ができるよになりましたが、陥没や亀裂は手付かずのままです。自衛隊のジープは、二日程前から見掛けるよになりました。避難所での生活を余儀なくされて居る住民には、未だ十分な物資が与えられて居ないと聞きます。滞って居た物流も、少…

無事です!

|雑記| たった今、電力が戻り、皆様に無事をお知らせすることができます。ご心配下さった皆様へ、心よりのお礼を申し上げます。有難う…。 私の住まう北関東・某県北部の地域は、行政的に立ち遅れて居ることもあり、依然として混乱状態のままです。震度6強の地震直後から先ほどまでは、ライフラインが断たれて居たため、地域住民には全く情報が入って来ず、ラジオだけが唯一の情報源と云う心細さでした。一先ず、電力だけは一時的に回復しましたが、水道の復旧は依然として未定のまま。鉄道も高速道路も全面不通…

一月十二日

|雑記| さて。本日を以って、齢三十と八である。 人として立って八年、不惑にもう二年。*1 「誕生日おめでとう」 と云う祝いの言葉へ、 「年増に何がめでたいか」 と冗談めかすも、 昨年から一年、こうして又一つ歳を重ねるまで。 或いは、おぎゃあとこの世に生を受けてから、 今日までを。何とかヨイコラ。無事生き延びて こられたことが、めでたいのじゃないか、と。 そう思うと、しみじみ有難いことである。 子曰、 吾十有五而志于学、 三十而立。 四十而不惑、 五十而知天命。 六十而耳順、…

セーター、父へゆく

|雑記| 意気込んで取掛かり、昨年末に仕上げた アランセーターは結局、父の元へ行った。*1 どのみち、自分で着るには大き過ぎたし、 お世辞にも似合うとは云い難かったのだが、 試しに父へ着せてみれば、是が初めから 父に合わせて編んだよに、寸法はぴたり、 着姿も又、実にしっくりと馴染んで居る。 「手編みのセーターなんて、随分昔に おふくろに編んで貰ったの以来だなぁ。」 どうせあげるなら、もっと早くにして居れば 良かったか、と思う。正月二日からの三日間。 母や叔父夫婦らと共に京都へ…

謹賀新年

|雑記| 明けましておめでとう御座います。 新たな一年は、さて。何処へ向かってゆくのやら。 相変わらずの、まめでそそっかしい粗忽者ですが、 今年もひとつ、どうぞ宜しく。

<