双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

花発多風雨 人生足別離

|雑記|


今朝方届いた訃報に、今年の春の頃を想い出した。

そちらは、東京より震源地に近く揺れも大きかったようで、心配していました。
その後、ネットも復活しお店も再開したとのことで、まずは安心しました。
こちらは、幸い停電区域からも外れて普段と同じ暮らしができています。
今日、井の頭公園に行ってまいりました。辛夷の花が満開。
染井吉野はまだ2分から3分咲きといったところ。
それでも気の早い人はドンツクやっているんですねぇ。
ホビさんが満開の桜を見上げながら、ひと息つける日を願っております。


四月に入ってすぐ。仕事を再開して少しの頃だった。
少しぶっきらぼうで短いけれど、やさしい便りだった。
ポッケに手を突っ込んだ、猫背気味の氏が、独り。
一寸目を細めながら、井の頭公園を歩く姿を想った。



ひっそりと漂う仄暗い影の拭えなかったことは、
誰かが口に出さずとも、誰もが感じて居たよに思う。
それは常に、心の隅で不安となって纏わり続け、
夏の終いの頃からか。根拠の無い妙な確信へ変わって
いったのを憶えて居る。幾度か、或る似たよな夢を見て、
その中で私は、嗚呼。きっとあの人は亡くなったのだ、と。
何故だか、ぼんやりとそんな風に想ったのだった。
だからかも知れないが、今朝の知らせを聞いたときに、
不思議と驚きは無かった。ただ、ひどく遣り切れなかった。



あなたは、満開の桜を見上げて、ひと息ついたのですか。
私は相変わらず、図太く野太く、生きて居ります。


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クリスマスには未だ少し早いけれど。


The Pogues & Kirsty McColl Fairytale Of New York





ブレッソン。私もこの写真、好きですよ。*1

*1:昨年末の氏への便りに、何気無くこの葉書を選んだ。届いた返事の終いに、この写真がブレッソンの作品の中で一番好きな一枚だ、と結んで下さった。意図せず、良い贈り物となった、と想いたい。

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