双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

夏休み

|雑記|


遅足の台風が近付くに連れ。首から肩の辺りがすっきりせず、
お天道様は照れども、じっとりと纏わりつくよな湿気に辟易となる。
八月の終いの空には、もくもく。所々を黒くした分厚い雲ばかり。
通りを歩くひょろりの中学生。テニスのラケットを肩に乗せて居た。
日焼けの中にもうんざり顔なのは、この不快な陽気の所為だろか。
それとも、長かった夏休みが終わってしまうからだろか。
とうとう?ようやく?


私が中学生の頃の夏休みは、コーラスの部活動ばかりだった。
なまじっか強豪校であったがために、全国コンクールに向けて、
殆ど毎日を、午前中から日の暮れるまで。学校の音楽室詰めで。
ちいとも愉しくなどなかったし、ちいとも好きにもなれなかったから、
夏休みと云うのは、あの頃。概ね憂鬱なものだった。
けれど、いざ終わってしまうとなると、何処か物寂しくなってきて、
つっかえたよな妙な心持ちのまま、新学期を迎えて居た気がする。


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八月最後の空。

こんなに晴れて居るのに空気は湿って居て、洗濯物の乾くのが遅い。

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