双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

爺さんを、編む。

|雑記|


先月頃より、電脳箱に入ったままの爺様の写真について、種々思案して居た。先ずは当たり前に、写真屋に出してきれいに焼いて貰い、何か塩梅の良いアルバムを求めて納めることを考えたのだったが、この塩梅の良いアルバム、と云うのがなかなか見付からずに、已む無く頓挫。さて、どうしたものか。とあれこれ調べ回るうち、フォトブックなるものの在ることを知る。ブックと付くからには、概ねが印刷された一冊の本様の体裁で、云わば一寸した写真集のよなものか。仕上がりや仕様、価格などは会社によりけりだが、何れも一冊から注文することができる。ふむ。折角だもの、どうせ作るのなら文章も少し入れるなどして、体裁良く本にしようかしら。幾つかの会社を比較検討した末、最終的に米国の『blurb』社(→)で注文することとした。
何しろ出版社であるから、如何にもアルバムで御座い風で無い、本格的な本様の作りが魅力的であるし、作成のための専用ソフト”BookSmart”。表示こそ英語なれど、是が実に優秀なのだ。さくさくと操作し易いのは勿論、レイアウトなど様々の自由度が非常に高い上、フォントも自分の電脳箱に入って居るものがそのまま使えるし(日本語も)、頁数の制限も気にせずに済むので、兎に角、納得のゆくまで作り込めるのが宜しい。各種テンプレートなどの素材類も垢抜けして居る。
この度は、18センチ角の”small square”をソフトカバー仕様で。紙には”standard”を選択し、頁数は全96頁とした。価格は一冊で24.95ドル。是に送料の17.99ドルが加わり、総額で42.94ドル。日本円に換算して、凡そ3,400円也。いやはや、何とも良心的な価格である。唯一心配な点としては、どうやら印刷の上がりが些かアンダー気味だと云うので、写真は気持ち明るめに調整してみたのだが、果たしてどうであろう。


幾度か練り直しながら、取り掛かること三日。写真を選び、文章を入れ。構成だの何だの、ああだこうだと編む作業は実に愉しかった。しかし作り終えた後に、注文前の一通りの確認をするのは、爺さんの不在をも同時に確認することとなり、静かに寄せてきた寂しさに、少しだけ胸がきゅうとした。



届くのは一ヶ月程先となる。首尾良く仕上がってくれて居ると良いのだけれど。

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