双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

冷たい水曜日

|雑記| |音|


朝、目が覚めた布団の中。空に鉛色の予感がして、
身震いしながらカーテンを手繰ると、きんと冷えた
窓硝子越しに、雪でも降るよな空気が満ちて居た。
恐る恐る蛇口を捻ると、水は小さくしゃりと音を立て、
僅かな戸惑いの後、流れ出る。指先の感覚が失せる。
仕事場で珈琲を淹れながら、ぼんやりと外を見やれば、
南と西。両方の山向こうが白くけぶって、薄い雪を
降らせて居るのが分かった。暗い雲と共に、もうすぐ
こちらへ辿り着くのだろか。けれど程無く訪れたのは、
霙がかった冷たい雨。それも昼を過ぎた午後には止み、
一時の日が射して雪を免れたものの、今度は無情な
北風を連れて、空は再び冬の鉛色を取り戻した。
ストーヴへ寄り、編み針を動かす。冷たい水曜日。


スウィング!外は凍える寒さだけれど、ふうっと緩む。

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