双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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謎の部屋

|若旦那| 拙宅の若猫ピピン殿であるが、 主が厠で用を足して居ると云うと すかさず飛んで来ては、扉の外でガリガリ。 或いは体当たり宜しく、ドシドシ始まるのである。 彼の思う所とは、差し詰め 「このちっこい謎の部屋の中で、お前だけがこっそり 鮨だの鰻だの、何か旨いものを食って居るのだ!」 と云った風であるのだろう。 どこまで食い意地の張った奴だ。 なあ、そうではない。 ここは大だの小だのと、用を足すところなのだよ。 ほら、お前の四角いアレと一緒なのだよ。 上目遣いで訝しがる若旦…

夜食

|若旦那| 或る晩、風呂から上がると、猫がくわえた何かを咄嗟に隠した。 口の端からはみ出して、不気味な伸縮運動を繰り返す白い脚に 思わずぎょっとなり、すわ声をあげたが一閃。ぱくり。 そして僅かの躊躇いも無く、当然とばかり飲み込んだ。 何処から入り込んだものか。果たしてそれは、蛙であった。 腹っぺらしも大概にして頂きたい。

猫背負子がやって来た ヤァ!ヤァ!ヤァ!

|モノ| |若旦那| 注文から十日、発送から五日。*1 海を渡った猫背負子(経緯は→◆)本日届く。 出入りは丈夫なメッシュ素材の前面フラップ部分から。ファスナーで下まで大きく開閉し、くるくる丸めてベルクロで留められる。又、両サイドにはファスナーで調節できるマチが在り、ぐるりと開ければ左右其々5センチ程の幅出しが可能。キャリア自体の素材は、登山ザックのよな、しっかりと目の詰まった厚手のナイロン生地で出来て居り、造り共々、実に堅牢である。早速ベルトを調節して試しに背負ってみると、…

狩猟本能

|若旦那| 近頃、どうやらこの二人の悪童が、 若旦那の野生を呼び覚ますのらしい。 そうですか。梅雨ですしね、イラっと来ますか。 で…… +++ 食い込む牙! 食い込む爪! 「アギャギャギャグルググウゥ〜」(意訳「お前らなんてこうしてやるのだ〜」) まったくえらい形相となって居ります…。

健やか九ヶ月(推定)

|若旦那| つい一昨日、綿入れがどうのこうの云ったばかりで、 ころりと半袖の陽気。全く、舐められたものである。 そして年中毛皮の生物には、脱力の季節の到来である。 と斯様な具合に、相変わらず鳩が豆鉄砲食らったよな、すっとこどっこいな顔付きの若旦那であるが、野良出身故に正確な生まれは定かにないものの、昨年九月末の頃に生まれた風であるので、そうなると現在、推定で約九ヶ月と云うこととなる。早いものだ。 チビの頃より骨格がしっかりとして、平均よか随分と大きかったこともあり、今では目方…

意思の疎通

|若旦那| ふと気付くと、若旦那の歯ブラシが見当たらない。猫用の爪切りなどと一緒に、背高の古い湯吞みへ入れてあるのだが、はてさて。何処へやったものか。私の置忘れでないのは確かであるから、恐らくは、若旦那の仕業であろう。悪戯は構わずとも、しかし行方知れずと云うのは困る。怪し気な場所は全て当たれど、結局見付けること叶わず、茶の間の真ん中で腕組みし、そこで冗談半分に、こう云い聞かせてみた。 「おい、ピピン。一体、歯ブラシを何処にやったのだい?歯ブラシだよ、は・ぶ・ら・し。あの、歯を…

猫と休日

|日々| |若旦那| やけに長かった気のする一週間を終え、爽やかに目覚めた月曜の朝。窓を開ければ、吹く風の幾分涼やかな晴天なり。口端のヘルペスをうっかり忘れて、またしても歯ブラシの柄をあててしまい、ううと呻く。嗚呼、厄介だ。面倒だ。 洗濯物を干しに表へ出ると、山はいよいよ新緑の季節と云った感。休みではあったが、別段出掛ける予定も無いので、一通りの家事を済ませた後に、私事の整理や読書。若旦那の遊び相手などして過ごす。 猫タワー最上段のくぐり穴から、主を挑発。それでお前は満足か?…

今日も今日とて

|戯言| |若旦那| 「ゴールデンウィークって、何かすごくおいしいもの? それとも、新しいパイプ草の銘柄なの?」 いいや。生憎じゃがの、ピピン。そのどちらでもないわ。 旗日が幾つも続く、国を挙げての大きな休みのことでな。 「ふうん。でも、それならどうして姉さまは働いてるのさ?」 むむう。なかなか的を射た質問じゃの。しかし哀しいかな。 果たして自営業とは、概ねそう云う稼業なのじゃよ・・・。 +++ 通称「潰れキノコ」*1の上にて。 お前は毎日が休みだよな。 何?その目は。 *1…

猫と人

…ら、と想って居る。 |若旦那| 拙宅の若旦那の近況はと云えば、困った悪戯がまた一つ増えた。爺様の仏壇へ供えた水を飲むのは、爺様に許しを貰った上で已む無く容認したが、今度の新手の悪戯ばかりは全くいただけない。つまり、隙を見ては玄関からスニーカーや山靴など、紐靴ばかりを選んでは持ち出し、どうやってしたものだか。見事きれいに紐だけを解いて抜き取ってしまうのである。その結果、仕事を終えて帰ると、茶の間に紐の無い裸の靴だけが、ごろりと転がり、紐は紐で、風呂場の脱衣籠やら猫タワーなんかに…

猫の命名

|猫随想| |若旦那| The Naming of Cats is a difficult matter It isn't just one of your holiday games 猫に名前を付けるのは 難しい事柄です それはとても 休みの日の片手間仕事というようなものじゃない T.S.エリオット 私はこの詩の一節を伊丹十三氏の著書の中で知ったが、成る程。確かにそうであるのだろう。 猫の名付けは、実に悩ましくも実に愉しい事柄だ。昨年末、若旦那を引き取ることを決めたとき、迎…

タマよさらば

|若旦那| 若旦那の去勢手術が無事終了。術前に行なわれた血液検査の結果も、問題無し。凡そ見目通りの健康体であると云うので、心底ほっとする。そして何より幸いであったのは、手術が通常の方法で済んだこと。先生によれば、改めて件の右睾丸の停留位置を探ったところ、足の付け根は付け根でも、是が若干フクロ寄りに在ったことから、この程度なら一箇所の切開でいける!と判断したのだそうで、いやはや。実に塩梅良く処置してくれたもの、と感謝しきりである。摘出した大小のタマを確認した後、術前術後の患部写…

お嬢さん殺害事件

|若旦那| 現場:其の一 現場:其の二 現場:其の三 お洒落帽子の下が・・・。 "お嬢さん"の冥福を心より祈る。 +++ かあいい顔して、中々凶悪。 「さあ、一体何のことやら・・・」 |蹴球| カンピオナート第27節 ミラン VS レッチェ ミラン 2 − 0 レッチェ CL準々決勝の対戦カード決定。既に決勝戦が見えるよだ・・・。 アポエル VS レアル・マドリー マルセイユ VS バイエルン ベンフィカ VS チェルシー ミラン VS バルセロナ

若旦那と猫の塔

|若旦那| |モノ| 行儀宜しいおっとり爺様の居た頃には、凡そ拙宅では必要の無かった、世に云うところの"猫タワー"。ところが若旦那はと云うと、何とかと煙の例え云々では無いけれど、滅法の高所好きなもので、つい先程まで寝て居たかと思いきや、狭苦しい茶の間を突然にダッと走り出し、カーテンレールで懸垂をおっ始めるわ。本棚へよじ登って額類をなぎ倒すわ。箪笥の上から衣類籠を丸ごと落っことすわ。お前はそれで愉しかろうが、こちらは堪ったものじゃないと云うので、この度初めて、必要に迫られた格好…

タマの事情

|若旦那| 早いもので、若旦那もそろそろ去勢手術の時期である。しかし、目下の心配事がひとつ。実のところ、通常であれば二つ仲良く並んで居る筈の睾丸だが、若旦那の場合、片方しか降りて来て居らず「停留睾丸」とやらの疑い、非常に色濃いのだ。 停留睾丸とは何ぞや。簡単に申せば、子猫の成長に連れ、睾丸は通常腹の中から徐々に下りて来て、結果的に其々左右の小ちゃな袋の中へ収まる筈のものであるのが、はて。タマの気紛れか、はたまた意固地かは知らねど、是がその道中の何処かへ留まったまま、とうとう袋…

登る男

|若旦那| 日に日にデカくなってゆく、若旦那。 昨日は、はてさて何を想ったものか。 山ならぬ、主の中型ザックに登って居たのだった。 初単独登頂の瞬間を激写するも、若旦那、焦ってブレる。 小型中型ザック連山、標高凡そ190cm。滑落に注意せよ。

健やか四ヶ月(推定)

|若旦那| 若旦那ピピン、二度目の予防接種のため、本日お医者へ行く。 診察台に乗って目方を量ると、2.55キロ。前回が2キロ丁度であったから、僅か三週間で実に550グラムも増えたことになる。まさしく育ち盛り。注射を終え、先生に改めて去勢の時期について尋てみたところ、ピピンは体こそ大きいが、乳歯の様子からすると四ヶ月になるかならぬか、であるらしい。手術は四月に入ってからで良いでしょう、とのこと。こちらはてっきり、もう五ヶ月かそこいらだと思って居たのだけれど、十二月の初めに拙宅へ…

若旦那、お医者へ行く。

…旦那。画面近いヨ! |若旦那| 本日、若旦那の予防接種に行く。若旦那の病院には、爺様の通ったK病院では無く、その少し手前のM病院を選んだ。K病院でも勿論良かったのだけれど、見るからに高級な犬猫の集う、見るからに豪奢な雰囲気が、どうも些か気後れするところが在って(笑)、その道中に在ったM病院の控えめな佇まいが、何と無く気に掛かって居たのだった。奇しくも、当初若旦那が貰われて行く筈であったお宅の奥さんが、若旦那を健康診断に連れて行って、雄猫であることを告げられたと云うのも、実にこ…

猫馬鹿一代

|若旦那| うっかりすると、猫馬鹿日記となってしまいそな、今日この頃。生後推定四ヶ月と思しきピピンの若旦那は、未だ未だ相棒と呼ぶには遠く、こちらは暫く保護者の立場と云った塩梅であるのだが、今更猫と暮らすのが初めてと云うのでもあるまいに、我ながら何を浮かれて居るのやら…。ともあれ、子猫が子猫らしい時期は期間限定。ほんの束の間故、ついつい甘くなってしまうのは、やれ致し方無い哉。 さて。若旦那を迎えるにあたり新たに用意したものと云えば、せいぜい首輪とブラシくらいのもので、その他トイ…

腹ペコ大将

|若旦那| 拙宅に来て、もうじきひと月。若旦那は随分と大きくなって、いたずらにも知恵がついてきた。しかし、何しろこちらは子猫と暮らすのが十数年ぶりと来て、ようやく暮らしぶりの変化に慣れてきたところ。やれ屑箱は倒すわ、背中に飛びつくわ、肩に乗るわ、髪はかじるわ。つい先頃も、PCの配線の束へ突っ込んで慌てさせたものの、主が風呂場に居る間、ドア越しの脱衣所で待って居る辺りなんぞは、なかなかいじらしい。はて。爺様が子猫だった頃は、こんなに腕白だったかしら、などと遠い記憶を掘り起こして…

Say goodbye and say hello

|若旦那| チビ猫ピピンが、拙宅に暮らし始めて三日。生い立ちや境遇等々を考えれば、人馴れして新たな環境に落ち着くまでには、多少なりと時間がかかるかも知れぬなぁ、と心配して居たのだけれど、こちらの懸念など何処吹く風。拍子抜けする程の堂々とした馴染みっぷりは、着いた早々から。それが二日三日と日の経つ毎に、益々顕著となってきた。午後、餌をやりに部屋へゆけば、寝室の方から鈴の音がして、生前の爺様が好んで午後を過ごした寝台の足元のくぼみ。真ん中よりも一寸左寄りの、あの位置に、ちょこなん…

縁は異なもの

|徒然| |若旦那| 師走の身の上に青天の霹靂。急転直下。寝耳に水…は、ちと違うか。兎にも角にも。結論から申し上げると、本日拙宅に、みなしごのチビ猫がやって来たのである。我が最愛の爺猫が彼岸へと旅立ってから、未だひと月も経たぬと云うのに、何故唐突に斯様な運びとなったのか。それが実に不可思議と云うのか、必然の偶然がもたらしたよな話なのである。 そもそもの事の発端は、二週間ほど前。Mさんと云うお宅の裏手で、母猫を失った野良の子猫三匹が身を寄せ合って居たのを、Mさんの奥さんが見付け…

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