双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

健やか九ヶ月(推定)

|若旦那|


つい一昨日、綿入れがどうのこうの云ったばかりで、
ころりと半袖の陽気。全く、舐められたものである。
そして年中毛皮の生物には、脱力の季節の到来である。


と斯様な具合に、相変わらず鳩が豆鉄砲食らったよな、すっとこどっこいな顔付きの若旦那であるが、野良出身故に正確な生まれは定かにないものの、昨年九月末の頃に生まれた風であるので、そうなると現在、推定で約九ヶ月と云うこととなる。早いものだ。
チビの頃より骨格がしっかりとして、平均よか随分と大きかったこともあり、今では目方も4キロを超え、一歳となる頃には恐らく、5キロ程の立派な体躯の雄猫となるものと思われる。しかしながら、大柄であると云うことは、即ち食も盛んなのであり、その上若旦那は、一日分をよそっておけば自ら調節した爺様とは異なり、よそったらよそっただけ一度に全て食ってしまう、実に大雑把な性質だもので、朝夕二度と給餌の回数を決め、量もこちらで計って与えねばならず、ましてやその辺に食料は勿論のこと、空袋の類ですらちょいと置いておくことも出来ぬ。油断も隙も在ったものではない。
しかしながら、しばしば聞く話に、味の好みにうるさくて困るだとか、飽きっぽくて困ると云うのが在るけれども、この点において若旦那は爺さん同様、味の好き嫌いやムラっ気が一切無いため、主としては大変に楽なのである。否、単に食い意地の張って居るだけのことかも知れぬが・・・。


尚、水も良く飲むので助かる。爺さんの仏前に供えた水も飲む(笑)。

<