双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

|日々| の検索結果:

気後れの午後は去らない

|日々| |音| 枯葉の舞う、からからと。夕刻 椅子に腰掛けて、ぼんやりして居ると、 室内に夕日が差し込んで、 橙の淡い色は、陰影をつくりだす。 ほんの数分の間だったけれど、 夢でも見たかしら、と気後れする。 後に残ったのは、ただの土曜日。 [本日の店内音楽] 気だるさしきりの土曜日。 今日、私は何をしたのだろ。

机の上で鉛筆かりかり

|日々| ゆっくり起きて窓を開けると、もう 外の空気が、秋になって居ると知る。 掃除を済ませて、鼻歌など歌いながら 押入れの中の、ひざ掛けを取り出す。 大きいのが二枚、中くらいのと 小さいのが、各一枚ずつ。 分厚い靴下を履く。カーディガンを羽織る。 と早速、猫氏がぬくぬくと居眠りを。 今日、フィルムを買って来て 購入したばかりの、PENの調子を確かめようか とも思ったのだが、結局出掛けずに居たので、 それはまた、別の機会に…。 おやつに買ってきたドーナツを、 一人珈琲など飲み…

今頃は 終わりの季節

|日々| |音| 残暑。夏の悪あがきか、否か。 もさっとした、熱を帯びた手触り。 可も無く不可も無い、平坦な一日。 その中で、見知らぬ人の 無作法な悪意に触れねばならぬ 不本意な瞬間も、在るには在ったけれど、 一日の終わりが、近づくにつれ 心を煩わす価値も無いことを知る。 そっと心を殺す。 [本日の店内音楽] Jeremy Bowen / Nothing to say

針のない時計

|日々| うちの猫村さん、もとい アーロン氏は、オムライスはおろか、 右のものも左にすら、動かせません。 毎日風の来る場所を探して、この部屋の中、 あちらこちらと移動。一日の大半を 早い話が、寝て過ごして居る訳です。 まあ、当然です。猫ですからね。 私はこの子の、後姿の首元に 大層、愛情を感じて止みません。 たぷっとしてね。こう、たぷっと。 そう云えば、この日記をつけ始めてから、 もうすぐ、一年が経つのかしら。 なんて早いのだろ。 さて。本日は湿気も無く、暑いながらも 非常に…

そして君を連れ出すのさあてのない夜に

|日々| 淡々と一日が過ぎる。 長いように感じていたのに、 終わってみれば、ひどく呆気ないような 狂った遠近法のよな、一日。 ふと思い出すものは、一瞬だけ はっきりと色鮮やかで、けれども ほんの数分後には、もう 輪郭さえあやふやになってゆく。 心の中で、何かと何かが交錯し、 それは縺れた挙句に、解けることなく 忘れ去られるのを、ただ 何処かで待って居る。 はっきりしない天気を、気に病むでもなく 数時間前には、火のついていた筈の ちびた吸殻を数本、何の考えも思いつかぬまま ぼん…

コートのポケットから眺めた風景

|日々| 夜八時をまわった頃。お客さんの引けた後の 少しばかりの余韻を残しつつも、ひっそりとした 二階の客席に腰掛け、本を広げて 帳面に覚え書きをして居た。するとどうだろう、 今更ながら、色々なことに気付く。 天井のスピーカからきこえてくる音楽に混じって、 カチッコチッと、規則正しく リズムを刻み続ける、律義な秒針の音。 帳面の上、私自身の走らせるボールペンの音。 階下よりふんわりと漂う、珈琲豆の匂い。 古びた本の持つ、妙に安らぐ紙とインクの匂い。 それら全てが、とろりと溶け…

オートバイ少女

|日々| さてさて。本日より5月で御座います。 ようやく人々も動き出し、当店へも お客様が、足を運んで下さいました。 ライナスに頼んでおいたCDも、午前中には届いて、 久々に清々しい日曜日です。 オートバイに乗った女の子が、 恥ずかしそうにやってきました。 ツーリングの寄り道なのかしら。 冷たいお茶を頼んで、本を読んで休んでいきました。 背の小さな、華奢な体の女の子。 オートバイ少女と、そう呼びたい風情。

うすむらさきに春の日は暮れて

|日々| 体内(脳内?)の切り替えが、スムースに ニュートラルへと戻った、本日木曜日。 朝起きたら、完全に日常体勢だ。 午後からは、天気も次第に崩れてきて、 静かに雨が降り出した。 ここから眺める山並みの色合いが、今 丁度良い具合。 満開の桜、それはそれで十分美しいけれど、 葉桜になり始めの、薄桃色と若葉色との重なり合った、 あの、素敵な色合いが好きだ。 皆の生活の中に、日々の暮らしの中に、 この喫茶店で過ごす時間が、 歯を磨いたり、新聞を読んだりすることと 同じくらい、自然…

十代青春交響曲

|日々| |音| 春霞がものすごくて、外は真っ白。 まるで、霧が出ているみたい。 いつものような、日曜の午後。 二階の窓辺に、Aちゃんが花を飾った。 小さな色ガラスのコップに 小さな野の花が、生けてある。 外から春のぼやけた光が射し込んで コップと花とやわらかに溶け合い、 ほんのつかの間の、ささやかな現実逃避。 そして数分後には、当たり前のように また、もとの場所へと、律義に戻ってくる。 望みというものは、願えばかなうのかしら。 もしそれが本当だとすれば、 嗚呼、ほんの少しで…

春近し、自転車とマフラー

|日々| 今日の午後。一段落してお茶を飲んだ後で、 私は、店の中から窓を拭いていた。 窓を拭く作業が好きだ。 硬く絞った手拭いで、汚れを落としてから 今度は乾いた手拭いで、きゅっきゅっと 窓硝子を磨いてゆく。 磨き終えた窓硝子越しに、 ちょっと離れて、外の風景を見やる。 下校途中の中学生たちが、自転車に乗って ゆっくりと走っているのが見えた。 2台の自転車は、前と後ろに連なって、 中学生たちのマフラーは、 ほんの少しだけ、風に流されている。 ゆっくりと走る中学生たちは、 とて…

夕暮れにさようなら

|日々| 本日の夜の営業時間は、 実に、良い具合であったのでした。 そんな皆さんの喫茶心に 穏やかな憩い在れ。 お店を閉めた後も、店内には 素敵な余韻が漂っており、 そのまま帰るのが、何だか もったいないような、そんな気がして、 自分の為に一杯の珈琲をたてる。 そんな余韻の中で、そっと静かに 一人、珈琲をいただいたのです。 今日はこの、素敵な心地良さを そっと抱いたまま、 眠りにつきましょうか。

一日の終り、ひとつきの終り

|日々| さてさて。明日から暦が変わって もう二月となる訳で。 ひとつきの過ぎ行く事の、 何とまあ、速いことか。 この冷たい冬の空の下、 ささやかながらも、素敵な そんな何かを探しながら、 二月という月を 日々、過ごしていこう。 甘い感傷と、 他愛の無い幻想とを、 この現実の真中に。

日曜昼下がり喫茶

|日々| 日曜の昼下がり。 ワンダフルモーメントの訪れ。 スピーカから流れるサム・プレコップが 程良い音量で、耳に心地良い。 お客さんは皆、思い思いに時間を過ごす。 本を読む人、 物思いに耽る人、 朴杖をつく人、 小さなおしゃべりをする人、 珈琲をしみじみと飲む人。 日曜の昼下がり。 静かで、やわらかで、 たまにしか訪れないけれど、 それでも素敵な喫茶時間。

雪の一日

|日々| 朝起きたら、外は雪。 何だかそんな気がしていた。 さして、雪に馴染みの無い地に住んでいると、 雪ともなれば、日常生活の様々で 不便が生じるのは分かっているのだけれど、 それでも雪景色は美しい。 今日はオクノ修の「帰ろう」を聴いた。 しみじみとやさしい歌。 外は底冷えがする寒さなのに、 ここに居ると、つい、それを忘れる。 外界から、ある意味遮断された空間。 それが喫茶店の良いところ・・・。

すてきな休日

|日々| 父方の祖母が入院しており、休みの日 には、なるべく顔を見せに行っている。 とはいえ、間も無く退院決定。 今日は、母方の祖父の妹(ややこしいな) 通称「よねちゃん」が、是非行きたい というのでいっしょに連れて行った。 電車に乗り、バスに乗り。 お見舞いをすませて、またバスに乗り。 よねちゃんもまた、からだが悪い。 肝炎だの腸の炎症だの。 久しぶりの外出で、ちょっと疲れてはいないかと、 よねちゃんと喫茶店に入ることにする。 途中でバスを降り、ほんの少し 大通りから路地裏…

黄昏喫茶時間

|日々| 寒い。もう冬なのだな。 そんな訳でかどうかは分からないが、 客足は遠ざかり気味。 しかし本日、ワンダフルモメントは 突然現れた。 お客さんの誰も居ない、 夕方の店内。 西日がやわらかに、ほんの少しの色をつけて 窓硝子から差し込んでくる。 Gontitiの、ゆったりとしたギターの旋律。 たっぷりいれたミルクティーの湯気。 静かの空間。 ふと気が付くと、何とも素敵な 時間が流れていたことに気付く。 こんなひとときの為に、 私は毎日を送る。 それは、ごくたまにしかやって来…

冬支度

|日々| |音| Turnstyles & Junkpilesアーティスト: Pullman出版社/メーカー: THRILL JOCKEY発売日: 1998/08/11メディア: CDこの商品を含むブログ (7件) を見るNORTH MARINE DRIVEアーティスト: BEN WATT出版社/メーカー: CHERRY RED発売日: 2014/03/03メディア: CD クリック: 6回この商品を含むブログ (30件) を見る 以前、どうしてもケーブル編みのカーディガンが…

落ち込むときも

|日々| 嗚呼。 なんという、卑劣な一日なのだろう。 無防備な頭を、したたかに打ったかのごとく。 その衝撃はゆっくりと、しかし確実だ。 こんなに落ち込む日も そうそう無いだろうに。 天気は、この場合問題ではない。 これは愚痴だな。 しかしだ。明日は明日の風が吹く。 今日一日の重たい気分を いつまでも引きずるなかれ。 人生、ときたま、いい事もあるものだ。

<