双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

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蔓バラの茂みに死す

|戯言| 北からの風に、季節が入れ替わった途端 ぱたり暇となり、そうかと云ってぐつぐつ 只時間を持て余すのは、癪であるので、 Aちゃんは庭仕事に、私は水周りの掃除に。 各々没頭して居たのだが、ひょいと様子を 伺いに表へ出て、剪定し終えたばかりの 蔓バラの茂みへ足を寄せたときであった。 「!!!」 火のついた線香の先っちょを、きゅっと 押し付けたよな、そんな猛烈な熱の点が 右の人差し指の腹を襲う。と、その直後。 目の前を一匹のアシナガバチが…。 たった今、私は蜂に刺されたとこを…

帰れないから帰らない

|戯言| |旅| 今、無性に青森へ行きたい。行きたくて仕方が無いが、 是をどの様に考えたところで、無理なものは、無理。 夏を逃せば、次回の18切符は冬、或いは春となり、 しかし、恐山の開山は五月から十月の間であるから、 折角青森まで出向いても、恐山へ入れぬのではやはり 醍醐味に欠ける気がする。どのみち近々が無理ならば 勝手の旅程でも仕立ててみるか。と、時刻表を傍らに、 いつもの暇潰しに興じることとした。はてさて。 二泊三日で、何とか無事帰って来られるだろか。 時刻表をお持ちの…

死して屍拾う者無し

|戯言| 水をくれ、と云われて注ぎにゆく。 女:「ねえ、イギリスってどこだっけ?」 男:「え?ヨーロッパとか。」 女:「そっかあ。地中海とかだよね。」 男:「多分そう。」 女:「ドイツとかの近くだっけ?」 男:「うん。」 嗚呼…。この国もいよいよ終いか…。 その場を立ち去りながら、私は己の中の斬鉄剣が 鯉口を切ってちりと音を立て、鈍く光るのを感じた。 或いは、己の中のハリー・キャラハンの眼光で あったのかも知れぬ。何れにせよ。 任せた後の始末は、私の知るところで無い。

お江戸ホールデン

|戯言| ええ、おいらは所詮、俗で卑小な人間でさぁ。 ええ、高尚なとこなんざ、これぽっちもねえでやんすよ。 『ジュ・テーム・モア・ノン・プリュ』 なんてのは、何遍観たって さっぱり分からねえ。そいつの何処が悪ぃんだ?そいじゃ何かい。 寺山修司は分かるってのかい?そりゃ、おいらも分からねえけどよ。 おいらが髪結に行かねえのは只の不精で、仏蘭西女が行かねえのは 洒落てるってのはよ、こりゃいってえ、どう云う料簡なんでぃ。*1 男漫画は画が受付けねえだとか、伊太利亜の蹴球なんざ落ち目…

一撃必殺珈琲

|戯言| |本| 日々に何かが足りない。明らかに、足りて居ないのです。 サイフォンを見つめる目が、些か虚ろな今日この頃。 時々、ふと魔が差したよに、自分が何故この仕事を して居るのか、分からなくなるときがあるのです。 竹べらを握る我が右手にも、魂の炎は燃えるでしょうか? 炎尾先生・・・。俺、何だかもう眠いです・・・。 吼えろペン 1―Comic bomber (サンデーGXコミックス)作者: 島本和彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2001/08メディア: コミック クリ…

土曜脳内散歩

|戯言| 無気力な眠気に促されるままの、間の抜けた午後の 暇潰しなどに、旺文社の 『文庫判東京都市図』 は 恰好の相手である。行きたいと想った時が出掛け時。 地図を歩くだけなら、金もかからず、手ぶらのまま。 勿論、天気の心配も要らぬ。安上がりにして、有意義。 今日は地下鉄を浅草で降り、そこからを散策の出発点とした。 先ずは浅草寺。たったの百円で、図々しくも商売繁盛と健康 とを祈念した後、花やしきを眺めつらして、ひさご通りを抜け、 5656会館を左に見ながら、一路、言問通りをゆ…

はぐれはぐれて最果ての

|戯言| |本| 信念を曲げてまで、得るものとは何か。 そうして得られるものとは、果たして それだけの価値の在るものなのか。 そもそも、信念とは何なのだろか。 アァ、そうさ。そうともさ。 世の中のあれもこれも。 都合の悪いことは、全部オレのせいだよ。 むにゃむにゃむにゃ…… 未熟者が己の未熟者たる所以を、否応無く感じるときと云うのは、 こんなくだらぬことを、今更、ぐだぐだと考えて居るときである。*1 東京するめクラブ 地球のはぐれ方作者: 村上春樹,吉本由美,都築響一出版社/…

ちょっと気を許すとすぐバンタム級まで上がっちまうんだ

|戯言| 『けさ早くにビスケットと半熟の卵、それに 果物を少し食べた。それっきりだ。 はっきり云えば、これ以上胃が受けつけないのだよ。 減量苦だと?はっ。そんなものわたしに云わせるなら、 少なくとも過去に腹一杯食った時期があり、 だらしなく胃袋を広げてしまった奴の贅沢さ。』 はい、まったくその通りで。 満腹店主の私ホビは、毎年冬場になると無駄に目方を増やし、 来る春に向けたこの節、それを無かったこととするべく、 自業自得ながら、減量せざるを得なくなる訳なのであるが、 この間の…

味噌汁は豆腐と葱で

|戯言| 唐突で何ではある。が、想い付きなどと云うものは、 そもそもが唐突で、大抵は脈絡の無いものなので、 それはそれで良し、とすることとして。 『あしたのジョー』 に登場する、数多の魅力的な キャラクターの中でも、こんな男は好きだなぁ、と 感じるのは、稲葉だったりする。あの中の男で、 所帯を持つとすれば、稲葉のよな男かなぁ、と。 草拳闘から足を洗った堅気の世界でも、稲葉であれば、 真面目に働いて二人して、何とかしみじみやって ゆけそうな気がする。そう。男はちいと後ろ暗い過去…

流離う心に鍵は要らない

|戯言| |音| 「あ〜、どっかから金でもくすねてバッくれてぇなぁ〜」*1 右の耳の上に、Bicのボールペンを一本 横たに差した、化粧っ気の無い三十路女は、 余りにも澄み渡った空と、 其処に流れゆく、真白き雲を眺めて つい、本音を漏らしてしまったのです。 押し入れの中で、すっかり埃臭くなった 馴染みのバックパックが、云うのです。 「相棒、また旅に出ようぜ。」と…。 長距離バスは辛いけれど、 見たい景色を見せてくれるよ。 君が見たかった、心の中の風景。 いつか見た、古ぼけた写真…

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