双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

死して屍拾う者無し

|戯言|


水をくれ、と云われて注ぎにゆく。


:「ねえ、イギリスってどこだっけ?」
:「え?ヨーロッパとか。」
:「そっかあ。地中海とかだよね。」
:「多分そう。」
:「ドイツとかの近くだっけ?」
:「うん。」


嗚呼…。この国もいよいよ終いか…。


その場を立ち去りながら、私は己の中の斬鉄剣
鯉口を切ってちりと音を立て、鈍く光るのを感じた。
或いは、己の中のハリー・キャラハンの眼光で
あったのかも知れぬ。何れにせよ。
任せた後の始末は、私の知るところで無い。

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