双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

お下がりケープ 若旦那へゆく

|若旦那|



爺様亡き後に拵えた”おめかし用猫ケープ”()。今やすっかり育った若旦那に丁度良い頃か、と是を試しにかぶせてみたところ、胴輪に関してはあれ程嫌がるのに、別段拒む訳でもなし。意外や、すんなりと従ってくれたもので些か拍子抜けするも、こいつはしめたものである。それどころか、放っておいたらずっとかぶったままで居る風なので、ぬくぬくとして、案外着心地が宜しいのかも知れない。
とは云え、首周りにもうちいと余裕が欲しいよな気もするので、再度余り毛糸を見繕って、ひと回り大き目の寸法で編んでやろうかしら、などと想う。




【左】北向きの窓辺に据えた爺さんの形見”つぶれキノコ”の上より、日課の葱畑観察。昼寝を挟みながら、小父さんが畑を整えて居る様を、こうして日がな飽きずに眺めて居る。
【右】主の睨んだとおり、お前さんの毛色には、やはり緑が似合うものだよ。

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