双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

Primo anniversario !

|雑記| |モノ|


実に晴れ間のほんの少しも続かぬ、陰気くさい梅雨である。
何処も彼処も湿気っぽく、じめじめと黴っぽく、鬱陶しいやら気が滅入るやら。全くうんざりである。世界大運動会などはうんざりの最たるものだし、二度のワクチン接種を終えたシニアらの一部には、(勘違い甚だしく) まるで「もう何も怖くない!」と云わんばかりの、暴走気味な空気が漂い始めて居たりして、やれやれ。あっちを向いてもこっちを向いても、気が滅入るったらないYO…。


…などと、うんざりり続きで、つい忘れるところであったが、私ホビは、丁度昨年の七月に原付の免許証を取得。愛機『フォルゴーレ号』を迎えたのだ!
いやぁ、そうだったそうだった!
hobbiton.hatenadiary.jp

早いもので、もうじき一周年とは。*1 乗り手の私が一度の違反切符(理不尽且つ陰湿な)を切られた件を除けば(笑)、フォルゴーレ号は不具合も異変も無く、万事順調。互いにぴたり息も合い、実に快適に気持ち良く走れて居り、移動手段としての物理的な役割は勿論、精神的にも助けて貰って随分と楽になったよなぁ、と改めて感じて居る。誰に遠慮するでも気兼ねするでも無い。私自身 (とフォルゴーレ号) の都合だけで、ひょいっと出掛けられることの、何と身軽で自由なことか。それが無かった以前には、決して感じることのできなかった、物理的・精神的「軽さ」である。

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リアキャリアヘ木箱を装着し、ステッカーを貼り直すなどを経た、2021年7月現在のフォルゴーレ号。今や欠かせぬ”仲間”なのダ。


しかしまあ。よもや、四十路も後半に入ってから原付免許を取ることになろうとは。十九や二十歳の男子数名に混じって、ひとり場違いな中年の小母ちゃんが、ねぇ(笑)。たった半日の辛抱と己に云い聞かせて堪えた甲斐在って、この今が在るのだよねぇ…と思うと、やっぱりしみじみと感慨深くなる。

己のささやかな小さい暮らし向きの中で、分相応、身の丈に見合った精一杯が、この電気バイクの購入とそれに必要な免許証の取得だったのだ。傍からすれば”たかが原付”程度の事柄でも、私には実に大きな決断、実に大きな変化であった。果たして、いつ何処で如何なものがきっかけとなり、えいやっ、と新たな世界が開けるものか。まったく。人生分かったようで居ても、つくづく分からぬものである。

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愛嬌たっぷりながらも、時折キリリの面構え。
何しろこんななりなので、大抵の人は伊太利亜車と信じて疑わない(笑)。イヒヒ。


唯一の難点を挙げるとすれば、バッテリー容量の問題から遠出のできぬところだろか。ローンの払いがようやっと再来月で終了するので、それから暫くして余裕が出来たならば、そのときには予備バッテリーの購入検討も、ひょっとして在り得るかなぁ、などと考えて居るのだけれども、予備ってことで、もうちいと値下げしてくれぬものかしらねぇ...。 *2

平素はすっぽりとカバーを被せてあるため、フォルゴーレ号が出動時以外で人目へ触れることは殆ど無いが、なるたけこまめに手入れをし、いつもピカピカであるよに心掛けて居る。是は愛機への然るべき礼儀みたいなもので、人目云々は関係ない。私にとっては「只の乗り物」「只の機械」では無くて、共に在る大切な「仲間」なのだもの、ね。

*1:因みに走行距離は未だ1000キロに届いて居ない。是は恐らく、毎日の通勤に乗るでも無し、仕事で頻繁に乗るでも無し。加えて近距離なら意識的に歩くよにして居るからかな、と。

*2:だって九万円近くもするのヨ..。せめてその半分くらいなら良いのになぁ。

日々の着物の色合わせ

|着物|


昨晩の帰宅後。風呂を済ませて一段落してから、筒袖の半襦袢へ夏用の半衿付けなどして居た。半衿付けが面倒だと云う人は多いし、私も面倒だと思う一人ではあるのだが、いざやるとなれば気分がぱきっとなって、結局のところ、着物を着るためのこまごました下準備、支度のあれこれが好きなのである。ちくちくの針仕事。それが終わったら、衿裏のスナップボタンが取れかかったのを付け直し、半幅帯を一本ずつ点検して衣紋掛けに吊るす。夜更けの夏着物の準備も、また愉し。


着物:利休白茶、灰汁色、梅鼠
帯:藍鉄色  帯揚げ:薄水色


丁度これからの時期に着る麻の着物は、利休白茶地に灰汁色と梅鼠の絵絣模様。合わせる帯は藍鉄色の博多紗献上かな。夏帯揚げは薄水色で。


帯:黒橡(くろつるばみ)、苔色、鉄紺、柘榴色

こないだ特売品にて買い求めた化繊の京袋帯は、黒橡地に苔色と鉄紺、柘榴色で雪輪重ね模様。柄が大きくてもシンプルでぱきっとして居るので、手持ちの着物に合わせ易いかと。が、袷の十月まで暫しの御預けである...。


◆◆◆


縞の着物の好きな色合わせ、ふたつ。何れも袷。

着物:黄海松茶(きみるちゃ)×鳩羽鼠の親子縞  半衿:白緑


着物:藍鉄色×深川鼠の二筋縞  半衿:山吹茶

縞の着物が大層好きなのだが、どうしても渋めの色味のものばかりを選んでしまう癖が在るので、たまにはそうじゃないのも着たいなぁ。一寸冒険してみるのも良いかなぁ、とは常々思って居る(笑)。


◆◆◆


こんな色合わせも良いかしらん。

柳染、江戸紫


甕覗、蒸栗色


蘇芳、花浅葱


嗚呼、愉しい愉しい。
何処へも出掛けられぬのなら、せいぜい日々の着物で遊んでやろう。

坊ちゃん刈りは夏仕様

|雑記| |音|


月曜日。
珍しくからっとした梅雨の晴れ間に、朝から動き出す。
シーツなど大物を洗濯して外へ干し、窓を全部開けて掃除やら何やら。
昼過ぎには家のことを粗方済まして、いそいそと身支度整えて、
フォルゴーレ号に乗って出立。実にふた月半ぶりの散髪である。

坊ちゃん刈りは実に気に入って居り、是を別のへ変えるつもりは
毛頭無いのだけれども、夏を前にそろそろ暑苦しくなってきて、
かと云って、具体的な妙案も浮かばずにあった。

「今日はどうするの?」
「うーん。何とか是、塩梅よく”夏仕様”にできませんかねぇ」
「ね!!電話貰ってから、私も全く同じこと考えてたのよ!」

そうとなったら話は早い。鋏も早い。Jさんに万事お任せする。
先ずは内側を刈り上げてサイドの厚みをすっきりとし、
そのままぐるっと後ろまで繋げて。バリカンは3mm(!)に。
合わせて毛先も一寸だけ軽くして、細部まで微調整したら、
あらま。ホビ仕様坊ちゃん刈りの夏仕様(ヤヤコシイネ)が、見事完成。
二人して鏡見て、ちゃんと夏仕様になったよね。良いね良いね、など。
今様のツーブロックと云うよか、何やら紅衛兵な感じであるが(笑)、
結構、結構。ちゃあんとホビ仕様で夏仕様に仕上がって、
的確な見立てと確かな技術、さすがのJさんなのであった。


さて。
何処も彼処もすっかり風通し宜しくなって、さっぱり清々の帰り道。
左に一面の田んぼ、右にこんもりとした森を見ながら、
梅雨の晴れ間の青空の下を、フォルゴーレ号に乗っかって。
誰も居ない舗装道をひゅいーんと風切って、口ずさむ。


とーこーろーでーオレは雲を呼び 十万里をひとっとび~♪

まさしくそんな感じの、実に愉快な気分。

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