双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

十一月雑感

|雑記|


ご褒美。そんな言葉がふと浮かんだ、十一月の終いであった。

覚悟して臨んだ今年の月間だったが、いざ蓋を開けてみたら、エコエコだの白目だのと、いつものよな怒涛に振り回されることも無く、わさわさとしながらも不思議と気持ちの良い忙しさの中で月間は進み、帳簿をつけ終えてみれば、あら。あんなにしんどい思いをして、へとへとになって得られた利益よりも、ずっと多く上がって居たのである。
ここ数年は、毎年繰り返される季節の狂騒に、コロナ禍と云う迷惑なだけのおまけがくっついて肥大して、そんな濁流にさらわれぬよに、倒れぬよに、必死で踏ん張って耐えた我々への、ひょっとすると労いなのかしら、などと思う。嗚呼、だってそうでしょう。軽口の一つも出ないくらいに、心身ともに疲弊しきって、とても言葉でなんて説明できない苦しさばかりだったもの。あれを何年も耐え抜いて、灯りを守り抜いたことへの、ご褒美なんだよね、きっと。

ちいさく満ち足りて、穏やかな心持ちで仕舞った十一月。このまま十二月もそんな空気が続いて、一年が締めくくれたら良いな。


晩秋に一輪だけ咲いたお嬢さん。間もなくおやすみの時期ですね。

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