双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

十月雑感

|縷々|


気付けば始まって居た十月が、気付けば去ろうとして居る。
秋とは呼んでも、名ばかりの。
半袖とカーディガンの間で右往左往し、
何とぼやけた、何と無粋な、十月であったか。
それがどうだ。数日の間に、急いてたたみかけるが如く。
窓枠の金属に触れる指がひんやりとしたもので、
慌ててカーテンを地厚の秋冬のに、かけ替えた。
夜具は少し前、フランネルのを出して替えたけれど、
是では毛布も足さねば、心許なくなってきたなぁ。
やれやれ。
何処も彼処もちぐはぐで、移ろいも何もあったものじゃない。
秋の所在が分からないまま、十一月はすぐ其処だ。

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