双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

拙宅のカリカリ事情:実践篇

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さて。拙宅の坊っちゃんらの食餌見直し計画()も、紆余曲折を経ながらようやっと形にまとまり、そうしていよいよ実践に移してから三週間程が経過。結果はと云うと上々なのだけれども、何がどう上々なのかは改めて記すとして、今回は先ず、見直して新たとなった食餌の内容について書いておこうと思う。
(以下、長くなりますが悪しからず...。)

ピピン君のカリカリ。

【原材料】スイートコーン・鶏肉粉(25%以上)・米・鶏脂肪・豚肉粉・魚粉(マグロ)・ミネラル(銅アミノ酸キレート水和物)・ビール酵母・ビートパルプ・乾燥イナゴ豆粉・塩化コリン・タウリン・DLメチオニン・リンゴ・アボカド・キウイ・BioMOS(マンナンオリゴ糖)・FOS(フラクオリゴ糖)・ユッカシジゲラ・ビタミン(A・D3・E)・ライム・天然トコフェロールとローズマリー抽出物(酸化防止剤として使用)
【保証成分】粗タンパク質:29%以上、 粗脂肪:10.4%以上、 粗灰分:8.8%以下、 粗繊維:5.9%以下、水分:10%以下
【その他】マグネシウム:0.08%、カルシウム:1.1%、ナトリウム:0.3%、リン:0.8%、カリウム:0.43%、Omega3/6:3.10%、 DLメチオニン:1,000mg/Kg、 タウリン:1,000mg/kg、塩化コリン:1,000mg/Kg、 銅アミノ酸キレート:200mg/kg
代謝エネルギー】336kcal / 100g


『Mr.フルーツ』はその名の示す通り、果物から抽出した濃厚な抗酸化物質の入ったカリカリで、こちら”ライト”はグリーンフルーツ。即ち、キウィや青リンゴ、アボカド、ライムの中性脂肪代謝・心血管に働きかける力が、ぎゅぎゅっと詰まって居る。『FORZA10』の製品の中では、デイリーラインとして求めやすい価格帯なのだけれども、だからと云って他品と比べて手を抜いて居る訳では、決して無い(笑)。良心的であるにも拘わらず、非常に優れた内容であることは、HPの詳細等を読めば充分に納得できるし、何より製造元である”サニーペット社”の理念や姿勢、取り組みが素晴らしい。
又、大切な点なので、原材料に在る”スイートコーン”についても触れておきたい。穀物であるトウモロコシは、安価な製品においては所謂”かさ増し”を目的として使用されることが多く、又その殆どが家畜の飼料用品種である。一方、FORZA10のフードで使用されるトウモロコシは、全てスイートコーンの「粉挽きトウモロコシ粒粉」のみ。是は契約農場で作られた無農薬・遺伝子組み換え無しの、しかも人間が食用にする品種の身の部分だけを、専用の圧縮粉砕機で粉末状にしたもの。FORZA10のトウモロコシは、この手間隙のかかる独自製法によって、消化吸収に優れた良質のタンパク源となるのが特徴で、巷に溢れる消化の悪い粗悪なトウモロコシ原料と大きく異なる点である。
このトウモロコシに限らず、米や小麦など。キャットフードの原材料における穀類が、肉や魚と云った動物性タンパク質の”かさ増し”的な扱いとされ、歓迎されないのは、猫がほぼ完全な肉食動物であって、穀類の消化を苦手とすることに因るのであろう。かさ増し目的の穀類は品質も消化吸収率も悪く、従って内臓へ余計な負担を強いることとなるからだが、しかしながら、安全な農作物として栽培・収穫され、更に手間隙掛けて消化吸収率の優れた状態へ加工された、良質の穀類であれば、猫の内臓に負担を掛けることなく、栄養価の高い材料となる訳で、要は何事も”質”の問題。一括りに「穀類だから悪い!」とは云えないのじゃなかろかな、と。

そして、ビルボ君のカリカリ。

【原材料】「通常粒」:スイートコーン・加水分解された魚蛋白、鶏脂肪(ミックストコフェロールで保存) 加水分解されたポテト、ビートパルプ・魚油(ミックストコフェロールで保存)、コーン油 (ミックストコフェロールで保存)、ミネラル (炭酸カルシウム・リン酸カルシウム・硫酸 亜鉛・硫酸鉄、銅グリシン合成物・マンガン酸化物・亜セレン酸ナトリウム、ヨウ化 カリウム)・乾燥酵母(BIOMOS)・FOS・DL-メチオニン、ビタミン( A・D3・E・ナイアシン・ B12・チアミン硝酸塩、パントテン酸リボフラビンピリドキシン塩酸塩・ビオチン・葉酸)、塩化コリン・タウリン・ユッカシジゲラ・ローズマリーエキス
「AFS」:加水分解された魚蛋白・加水分解されたポテト・炭酸カルシウム・ハギ、クランベリータンポポローズマリーエキス
【保証成分】粗タンパク質:27.00%以上、粗脂肪:15.00%以上、粗灰分:6.80%以下、粗繊維:3.00%以下、水分:10.00%以下
【ミネラル・ビタミン】カルシウム:0.60%、リン:0.50%、カリウム:0.60%、ナトリウム:0.20%、マグネシウム:0.05% ビタミンA:19000UI/kg、ビタミンE:120mg/Kg、塩化コリン:1000mg/kg、タウリン:1000mg/kg
【その他】Omega3:1.10%、Omega6:3.40%、ハギ:0.0588%、クランベリー:0.0371%、タンポポ:0.0230%
代謝エネルギー】392Kcal/100g

こちらも同じく『FORZA10』で、当初の候補には入って居なかったものの、アクティブラインは腎臓ケアの『リナールアクティブ』を選んだ。このフード最大の特徴は、何と云っても「AFS粒」かと思う。”AFS=アクティブフレッシュシステム”と云う、植物の抗酸化力を利用してアレルギー疾患などに働きかけるフィトセラピー原理を、初めてペットフードに採用したのだそうで、この画期的な世界特許技術により作られたハート型の粒が、それである。原材料のメディカルハーブや漢方、ビタミンなどの薬効成分を損なうことのないよに、常温で圧縮して成形する特殊な製法が用いられ、是がフードの通常粒に混ざって入って居るので、食餌自体に薬効が在ると云うのか、分かり易く云えば、薬膳御飯みたいなものかしら、と。
フード本体の通常粒についても、腎臓に負担の掛からぬ良質なタンパク源を、更に加水分解することで、より消化吸収率を高めてあったり、成分的にも極端に低過ぎることのない”適タンパク””適リン”であったり。何処を取っても実に健康的な内容となって居るのが嬉しい。


しかしながら『リナールアクティブ』のみだと大幅な予算超過となってしまうため、思案の末に『Dr.PRO メディキャット-C』とのミックス、と云う苦肉の策を練り出した次第(笑)。

【原材料】とうもろこし、小麦粉、チキンミール、グルテンミール、動物性油脂、大麦荒ぬか、セルロース、フィッシュミール、フィッシュエキス、ビートパルプ,、海藻粉末、ビール酵母、えん麦、パパイヤ抽出物、米胚芽大豆発酵抽出物・樹木抽出物、ミネラル類(塩素,コバルト,銅,鉄,ヨウ素,カリウム,マンガン,ナトリウム,亜鉛)、ビタミン類(A,B1,B2,B6,B12,C,D,E,K,コリン,ナイアシン,パントテン酸,ビオチン,葉酸)、アミノ酸タウリン,メチオニン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール,ハーブエキス)
【保証成分】粗タンパク質:27.00%以上、粗脂肪:9.00%以上、粗灰分:9.00%以下、粗繊維:7.00%以下、水分:10.00%以下
【その他】カルシウム:0.600%、リン:0.500%、マグネシウム:0.090%
代謝エネルギー】368Kcal/100g

『メディキャット-C』も値段の割には結構頑張って居るフードなのだが*1、そうは云っても、原材料や内容面で両者のスペックに差の在るのは事実かな、と。


しかし心配は無用。ハーブやミネラルの自然サプリメントを、これらの食餌に加えることとしたのである。どんなに質の高いカリカリであっても、ビタミンやミネラルなど、全ての十分な栄養素をドライフードだけで摂取するのは、当然ながら不可能で、この世の何処を探し回ったところで「是ひとつだけを食べて居れば全てOK」などと云うよな、都合の良い、まるっきり完全な食品など存在しまい。故に足りぬものは、他からしっかりと補えば宜しいのだけれども、その前に。それらの栄養素をきちんと吸収できる下地が整って居なければ、幾ら良いものを摂取したところで意味が無いので、先ずは酵素とプロバイオティクスでもって、消化吸収を助けたり、腸内の環境を整えたり。生肉や草食動物の内臓、生野菜などに含まれる酵素は、高温で熱処理されたカリカリには殆ど含まれぬため、積極的に摂取するには、こうしたサプリメントが有効なのだけれども、如何にサプリメントと云えど、食餌同様に品質も又、大切であろう。

『アニマルエッセンシャルズ』社の製品は、全て天然の素材とハーブから作られた、信頼の置ける高品質のものだが、比較的懐にやさしい価格であることに加え、使用量も少なくて済むため与え易く、しかも経済的。例えば”プラントエンザイム”100g入りを猫一匹で使用するなら、軽く三ヶ月はもつ量なので、品質の確かさからしても実に良心的と云えよう。拙宅の坊っちゃんどもは、何れのサプリメントも全く問題無く、もりもりと食べてくれて居る。”ビタミン・ハーブブレンド”は、少々ガーリック*2の匂いが際立っては居るものの、ビタミンやミネラルなど、たっぷりと自然の恵みの栄養素が詰まったハーブが、まさにそのまま緑の粉末となった感じ。お湯で溶かすと仄かにコーンポタージュのよな風味で、何だか美味しそうと感じるのは、主だけでは無いらしい(笑)。是をカリカリにかけてスープ御飯にしたところへ、”プラントエンザイム”(ほぼ無味無臭)をパラパラっとプラス*3して、拙宅の猫御飯は完了である。


そして。
これを機に主は、ホリスティックな動物の栄養学やケアについて、もっと知りたい。学びたい、と考え始めるのである。
(つづく)

*1:あまり取り扱いを見掛けないフードなのだが、”ねこばたけ”さんでも扱って居ると云うことは、それなりに安心できる水準のフードであろうと思われる。

*2:そもそも”犬猫にニンニクは御法度”とばかり思って居たのだが、実に。適量を守って与えれば頼もしい薬になる、とのことである。与える際には控えめに、必ず容量を守って与えたい。

*3:因みにビルボ君の場合は、ここへ更に漢方薬が加わる。

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