双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ハレはハレ

|縷々|


年が明けてから日が経ち、徐々に日々が戻り、
しかしながら、正月が正月らしかったのかと云うと、
まったくもって、正月らしい佇まいなど希薄で、
元旦に見掛ける人の姿は、皆まるきりの普段着。
初詣へ向かう手にさえ、コンビニのビニル袋。
年始の御挨拶まわりも見掛なくなって久しい。
”よそいき”と云うものが、忘れられつつある。
”ハレ”と”ケ”を分けることも無くなりつつある。
尤も。
こうした事柄は今先程に始まったものでは無いし、
又、それを憂いたところで、どうともなるまい。
だけれど、たとい世の中がちいとも構わなくとも、
せめて私自身は季節時節の支度、習わしを、
律儀に、馬鹿正直に守りたいものだな、と想う。
すっかり佇まいの薄らいだ年末から年始にかけて、
ずっと、ぼんやりと、静かに考えて居たこと。

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