双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

由無し事

|戯言|


■と或る店の催し会場からあぶれた一見客(リア充だのインスタ女子だのナチュラル主婦らだの)が、何故か大挙して我々の所へドドドと押し寄せたため、須賀敦子全集や指輪物語などの読破に毎週通って下さって居る心善き方々には、実に申し訳ない程の騒々しい混沌の怒涛っぷりに、午後中振り回されて飛んでイスタンブール。あちらが草太兄ちゃんの大農場とするなら、こちらは五郎の石の家である。「オイラ、小さくやるんだぁ」である。従って、甚だありがた迷惑を被った格好となり、只心身の疲労だけが残った一日なのであった。


■先日のこと。殿山泰司に似た風貌の年配のお客さん(年季の入ったつるっ禿)に珈琲を持って行くと「おねえさんの髪の毛、少し分けてくれねえかなあ」と云うので「ええと、抜毛で良かったらどうぞ」と答えたら「抜毛、有難いねえ。一本ずつ大事に植毛するよぅ」 昨今のお若い方々に、こんな哀愁の滲む味わい深い冗談は云えまいて。

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