双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

風の阿呆と甘酒と

|日々|


まるで風の止まぬ日が通例であるかの如く、
毎日毎日、馬鹿みたいに風ばかり強い。
「はいはい、参りましたよ」
と投げ遣りに観念した体を装いながら、
日々は平坦、取り立てて何事も起こらず、
只、うすらぼんやりと過ごして居る内に、
近所の庭や畑では、すっかり梅が咲き、
随分と日が伸びて、はたと気付けば、
もう、三月もすぐ其処なのであった。
そうこうして居ると、目頭がむずむず。
其処へ加えて、くしゃみに鼻水...と
嗚呼、いよいよ来たか。
今年も忌々しい季節の到来である。
これからのふた月を、毎日もやんとして、
阿呆のよな顔して過ごさねばならぬか。
昨晩観た『セーラー服と機関銃』の
渡瀬恒彦の男っぷりを思い出しながら、
知り合いの酒屋から頂戴した酒粕
甘酒など拵えたのを、ちびりちびりすすって、
ぐにゃりと間延びした午後をやり過ごす。

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