双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

朧月夜

|日々|

春に三日の晴れ無し、とは云うものだけれど、
空模様どころか、今日はやれあったかいの
今日はやれ寒いのと、まったく勝手放題である。
いつだかの陽気で一旦は膨らみかけた梅も、
あ。やっぱり勘違いだったみたい。
と、どうやら再び眠りに戻ってしまった風。
人間はと云えば、相変わらずセーターを仕舞えず、
布団の中の湯たんぽも離せずに居る。
夜、店仕舞いの支度で外へ出ると、
冷たい空気と生暖かい霧とが入り混じって、
何だか気味の悪い夜空の中へ、
死んだよな月がぬらり、滲んで居た。
さっさと支度を済まして店に戻ると、
薄甘い雛あられをポリポリとつまみ、
ほうじ茶をズズズとすすった。

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