双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

五月雑感

|日々|

痛めた首は、未だ僅かな違和感こそ残るものの、
概ね快癒し、朝の目覚めに付き纏うことも無い。
空気はからりと澄んで、些か肌寒い程。
暗い色を帯びた雲が所々、晴れ間に紛れ込み、
午後の室内に薄い影が降りる。
こんな日は、何を拵えて食べたら良いのか
思案すれど浮かばず、結局は糠漬けに味噌汁。
常備菜などで簡単に済ませてしまうと、
食べながらも、食べ終えても、少し寂しい。


ここ数日、ぐずついた天気の所為でベランダへ出られず、
不貞腐れて居た猫たちを、久々に出してやる。
丁度良い具合の陽だまりへ飛び出すや、
寝せた体をごねごね床に擦り付け、
うっとりと目を閉じる様が、如何にも満足気で、
暫くそうさせながら、其々の毛を梳いてやった。


日が随分と延びたとは居え、湿り気を僅かに含んだ
夕刻の空気は、薄手のシャツ一枚では未だ心許無く、
もうじき梅雨が来ることを知る。
口ぶりのわざとらしい人の話を思い出して、苛々とした。
それを引き摺るのが嫌で、独り台所へ入り、
糠床をかき混ぜて糠を足し、蕪と胡瓜を漬けた。
手を洗おうと蛇口を捻ると、皮膚が水を弾いた。

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