双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

失われた図書館

|雑記|


SHERLOCK 3』で浮かれて居たところへ衝撃のニュースが!


スコットランドグラスゴーの誇るこの美術学校。同じくグラスゴーの誇る芸術家、チャールズ・レニー・マッキントッシュによる彼の代表的建築物なのだけれども、かつてこの街に滞在するときの常宿として居た所が、まさにこの美術学校の並び、目と鼻の先だったのである。賑やかな大通りと平行しながら、一本裏手に伸びるこじんまりとした坂の道。直線と曲線の組み合わせが印象的なファサード。経年から煤けたよな色味を帯びた外壁。毎日毎日、幾度もこの前を通った。雨の日、鉛色の空を背にした独特の佇まいも心に忘れ難く、いちばん最後に訪れてから十八年が経つ今でも、グラスゴーの記憶には必ず、この建物の在る坂の上の風景が切り離せぬ程、馴染み深い存在だったのに。


幸いにも火災の被害は一部で済んだらしいが、吹き抜けの在る、マホガニー色したこの瀟洒な図書館が焼け落ちてしまったとは...。


市内には他にも美術館や、彼の手掛けたティールーム、教会なども在ったけれど、私にとって最も身近で親しみ深いマッキントッシュ作品は、宿の近くの、この美術学校だったのだ。

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