双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

裕福な御婦人のためのセーター

|手仕事|


『編みものともだち』より「ガンジーセーター」仕上がる。



件の御婦人より「是非とも!」と注文を受けて居たのが、このガーンジーセーター。私自身も編みたいと想った作品で愉しみだったのだが、いやはや。是がとんだ曲者なのであった。毛糸の入荷が大幅に遅れるは、ようやっと届いたら届いたで、いざ編み始ればゲージが合わないは。結局一玉半も余計に掛かって、追加注文したのだけれども、針の号数も指定毛糸もテキスト通り。己の手の緩いのは自覚済みなので、きっちり詰め気味に編んだにも拘わらず、それでも糸が足りないと云うのは、はてさて。如何な理由に因るものかしらん...。加えて、ヨーク部分を除く全ての編地が、果てしないメリヤス砂漠(しかも輪編み仕立てが更なるエンドレス感を助長)ときて、編みながらこんなに眉間へ皺の寄ったのは、実に初めてのこと。心身共に疲労困憊の末、何とかかんとか仕上げた次第である。
..と、何やら愚痴ばかりを連ねてしまったが、紆余曲折を経た後、出来上がりを広げて眺めれば、道中の憂さも忘れると云うもの。きれいな発色の明るい青が海の佇まいを想わせる”なんてことのないセーター”は、やっぱり良い。



【左】ヨーク部分拡大。前後共にヨークはシンプルな地模様。三角形の旗か、はたまた船の帆がズラっと並んで居るみたいで、清々しい。
【右】脇下のマチ部分。身頃は胸下まで輪針でぐるぐると編み、ヨークは前後別に往復編みして肩を接ぐ。肩はドロップショルダーとなって居るので、脇下に写真のよなマチを取りながら、袖を輪に仕立てて上から下へと編んでゆく。伝統的なガーンジーセーターの仕立て方なのらしい。


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テキストの写真。素敵でしょ。

サイズは同じでも、男性が着るのと女性が着るのとでは、随分と雰囲気が違ってくるね。右の女の子みたいに、大きめをブカっと着るのって好きだな。
尚、このセーターには、三國氏のこんな言葉が添えられて居る。

「なんてことのないセーター」はひとつの理想です。
働いているときも昼寝のときも、着ていることを忘れるような。

|本|


編みものともだち

編みものともだち

ええと、実はこのシリーズ。編み図に毎回多数の間違いが見付かることで、一寸有名なのですヨ(笑)。編み手本人である三國さんが間違う可能性は先ず無いだろうから、そうなると出版元の文化出版局か。或いは編集のリトルバードのミスと考えられる訳だけれども、前者は手芸関係の出版物を長年に渡って専門で行って居るため、恐らく校正は徹底的であろうし、そうなるとやっぱり後者なのかなぁ、と...。今回も既に一箇所発見したぞ(笑)。*1

*1:猫ミトンのチャート。地糸と配色糸が一箇所逆になって居たの。

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