双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

犬猫の肉球

|若旦那|


若旦那は猫の中でも所謂”犬猫”の部類であり、犬猫たる所以を並べてゆくと切りが無いので省略するが、中でもとりわけ、投げたモノを咥えて持って来る(→投げる→持って来る→以下延々)犬らしい遊びが、大層の気に入りである。その犬遊びにしても、ちょいと先へ放るくらいでは駄目で、部屋を跨いでやらねばいけない。主の放ったアンダースロウが大きく弧を描くより先に、ダッと駆け出し、フローリングの床をシューっとスライディング。飽くことを知らぬ勢いで、兎も角、是がなかなかに激しいのである。
その所為なのかどうか、半月程前から、若旦那の肉球に異変が見られることに気付いた。奴めの肉球は元来黒である筈だのに、其処へ何やら桃色が混じり始めたので、些か妙に想って居たのだが、先日。矢鱈と念入りに足裏を舐めて居るので、是をしみじみ確かめてみたところ、実に。前後計四つの肉球の表皮が、下手くそな日焼け宜しく、ボロボロになって居るではないか!え、脱皮?いやいや、そうではなかろう。しかし、猫の肉球の表皮が剥がれるなんてのは、未だ嘗て聞いた試しが無い。皮膚の病気かとも疑ったが、日々の中に思い当たる節も無い。又、炎症に腫れた様子だとか、血の出て居る様子、痛がって居る様子も無い。となると、やはり例の犬遊びの派手なスライディングによるものか。柔らかな肉球の表皮が、フローリングとの摩擦で角質化したよな状態なのかも知れない。あくまでも推測ではあるが。
見たところ、剥がれた表皮の下には、既に新たな肉球が覗いて居る風なので心配はなかろうが、ふむ。一応はお医者へ診せた方が良いのだろか。一先ずは様子見とする。*1




うっとり眼と手首の角度の妙。主の心配を他所に、当の本人は暢気なものである。

*1:勿論、犬遊びは当分の間お休み。

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