双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

ものぐさの帳尻合わせ

|日々|


春の奴め。
今頃になって、ようやく重い腰を上げたと見え、
桜に木蓮辛夷、其処へ終いの頃の梅まで、
全て一緒くたにして咲かせて、
無理矢理の帳尻を合わせる魂胆らしい。
まったく、ものぐさなことだよ。
など独り胸の内へぼやきながら、
小皿の上の胡瓜と蕪とを、交互にぽりとやり、
どうやら糠床の仕上りの首尾よく運んだのを
確かめて、しめしめ、と想う。

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