双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

煩い

|縷々|


午後から予報通りの雨。螺子のひとつが緩んだよな、
当てにして居た僅かのマッチが全て湿気て居たよな、
居心地の悪い水曜。かかって来た電話はどれも、
不躾な勧誘であったり。的外れな問い合わせであったり。
鈍い心持ちのまま淹れたお茶は、煩いに気を取られる内、
カップの半分を占領したまま、ゆっくりと熱を失って居た。
仕舞い支度をしようと表へ出れば、軒下深くにも拘わらず、
強い風の力を借りて勢いを得た雨に叩かれ、けれども
舌打して毒づく気にすらなれず、長い溜息だけが漏れた。
大きな南風の妙に生温い中へ、すえたよな湿り気をかぐ。

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