2011-12-10 先生の一番星 |小僧先生| おんおん泣きながら、爺様のやわらかな死に顔を撫でて以来。 先生は宵の頃ともなると一番星を探し、手を合わせて居ると云う。 「なあ君、知って居るかね。何故ならあの一番星は、アー坊の星だからさ」 嗚呼、そうなのですね。 爺様は一番星になって、我々を静かに見守って居るのでしょうね。 星は一際大きく、薄い菫色の宵空の下。 私も先生と並んで、そっと手を合わせた。