双六二等兵

ポッケにさすらい 心に旅を 日々を彷徨う一兵卒の雑記帖

外がもうこんなに秋だったなんて気付かなかった

|散策| |写眞館|


今月に入って初めてだろか。実に久々、休みの日に外へ出掛けた。
出掛けたと云っても、せいぜい街場まで出るくらいのもので、そろそろ散髪へ行きたかったのと、毛糸を幾つか買い足さねばならぬのと。何しろ暫くの間は、爺様を置いて出るのが心配だったし、何処かへ出掛けるよな気持ちにもなれなかったのだけれど、今日の様子だと穏やかに眠って、落ち着いて居る風だ。昼にピザトーストを拵えて、珈琲を淹れ、人心地ついてから家事を終えれば、午後二時を少々回った頃合。身支度を済ます。
「今日は一寸だけ出掛けてきます。散髪と用足しと。暗くなるまでには戻りますから。留守番頼みますね。」
寝床にもぐったままの爺様へ、毛布の隙間からそっと声を掛けて、家を出る。


+++


からっとすっきり秋晴れの午後。
なんて気持ちの良いこと。さかさか歩く。


+++


道々に実のなる木。


空も草も。色んなものが秋の色になって居たのだな。
外がもうこんなに秋だったなんて、気付かなかった。



是を見る度、「チェッ」と舌打して小石を蹴飛ばす脚を想う。


+++


車の往来から逸れて、小高い鎮守の森へ入る。
秋の桜が咲いて居た。





+++


境内を抜ければ、ここから細い下り坂。街場まで降りてゆく。


銀杏並木。黄色と緑と。


歩道の木陰の下には、こんもりときれいな苔の島。


+++


散髪後。

注:写真はイメージです (実物とは異なりますので、くれぐれもご注意下さい。)*1


ふと、あの人の鉛筆の自画像を想い出して、
「散髪。散髪。」って、襟足の刈上げさすって歩いた。


+++


毛糸を買って帰り道。
只今の時刻午後五時半。すとん。秋の日は釣瓶落とし


帰って来たら、爺様は未だすうすう寝てらっしゃった。
ただいま。御免ね、留守にして。

*1:哀しいかな。どうしてもリアル80年代中学生カット (襟足は勿論、刈上げ) になってしまうのねぇ…。それから、私は髪を切ることを”散髪”って云うのだけれど、周りは皆「云わない」って。え?じゃあ、何て云うの?って聞いたら「カットでしょ」ですって。あぁ、そうか。

<